令和4(2022)年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習(復習)シリーズ人物編! 今回は源義経殿を取り巻く2人の妻、郷御前と静御前だ!!
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郷御前について
さて、義経殿の正室、郷御前。ドラマでは里という名前だったな。
ドラマでは多すぎる鎌倉御家人を削ってるからか「比企一族」というポジションになってしまっていたが……実際は、畠山重忠(はたけやま しげただ)がいる武蔵国の秩父党(ちちぶとう)、その最大勢力とも言える川越(かわごえ)氏の娘なんだ。
いや、ドラマが嘘ついているわけじゃないんだ。確かに郷御前の母親は比企尼(ひきのあま)の娘だから。ただ、実際の郷御前は「比企の姫」ではなく「川越の姫」なんだ。重忠が秩父のプリンスなら、郷御前はプリンセス。実際はそんな感じの人だったんだってことを、覚えておいて欲しい。
郷御前VS静御前ってホントにあったの?
ドラマでは、郷御前と静御前のバチバチ対決が描かれていたが、実際にそんなことあったかどうかは……正直なところわからない。当時は一夫多妻制が普通だし、妻たちが同じ家に住むというのも、基本なかったからなぁ。
そうそう、ドラマの展開に水を差すことはあまりしたくないのだが……。史実の郷御前の名誉のために、これだけは言わせてくれ!
義経殿が京で夜襲を受けた件。実際の郷御前は全く関わっていない! 『吾妻鏡』にハッキリと頼朝様の命令と書かれているからな!
それと、頼朝様が義経殿を討ち取ると決めた時に、郷御前の実家である川越氏は滅ぼされているんだ。だから郷御前は義経殿と別れて逃げるという選択肢は最初から潰されていた。
まぁ郷御前だけなら、比企尼に頼ればワンチャンどうにかなったかもしれんが……。郷御前は義経殿と一緒に奥州に行くと決めて、覚悟完了していたとは思うよ。
静御前について
静御前については、もう有名すぎてオレから語る事は少ないだろう。和樂webでも取り上げられているし。実際に会った事がある兄上は「プライド高そう」って言っていたっけなぁ。
幸せな恋が一転悲劇へ。義経に愛された静御前のその後が寂しすぎる…
里役、三浦透子殿について
若手実力派女優! 新解釈の郷御前を見事演じていたなぁ。ドラマの里は、本心を隠すような言動が多い印象だったが、そういう深みのある演技は見事だった。
残念ながら郷御前の生存説はないのだが、川越市にある養寿院には義経殿と郷御前の位牌が、常楽寺には2人の供養塔があるよ。
静御前役、石橋静河殿について
いやぁ、ほんと「しづやしづ」の舞、素晴らしかったな!! なんというか女とか、母とか、そういうのを超越して、「白拍子としてのプライド」を感じる舞だった。
静御前の最期は実際も不明で、息子を埋められた由比ヶ浜に身を投げたという話でもある。でも、静御前の終焉地とされる場所は全国各地にあって、ドラマでは生きている可能性も仄めかされているから、もしかしたら再登場もあるかもしれんなぁ。
関連人物
郷御前
父:川越重頼 母:比企尼の娘
兄弟:重時、他
夫:源義経
子:娘
静御前
母;磯禅師
夫:源義経
子:息子
「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧
「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!
1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)
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源義経と静御前―源平合戦の華 若き勇者と京の舞姫 (PHP文庫)