渡辺平日の読み物

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工芸
手のひらサイズのたぬき像〈信楽焼のしんじるたぬき〉

僕は日本の文化や風習に強い関心を持っている。しかし、さほど詳しくはない。 なぜ、正月に餅をつくのか? なぜ、先祖供養のためにお盆に踊るのか? なぜ、葬儀のあとに盛り塩をするのか? なんとなく推測できそうなものもあるが、それにしても知らないことばかりだ。物知りの母に「あら、そんなことも知らないのかね」と呆れられるたびに、もっと自分の国の習俗について学ぶ必要があるなと反省してしまう。 夫婦愛の象徴としてのたぬき 昔話でお馴染みのたぬきが〈夫婦愛の強い動物〉であるということも、今回紹介する作品に出会うまで知らなかった。むしろ、その反対のイメージを持ってすらいた。 物の本によると「たぬきは夫婦愛が強く […]

工芸
岐阜県多治見生まれ、秋にも使える風鈴〈3RD CERAMICSのサンカク〉

去る8月24日は、二十四節気の処暑にあたる日だ。〈暑さが落ち着く日〉という意味で、この頃を境にだんだん涼しくなるとされている。 ……とはいっても、それはあくまで暦の上の話。ピークは去ったものの、その勢いはまだまだ盛んで、30度を超す真夏日が綿々と続いている。古代中国の暦に物申すのも野暮な話だが、それにしてもひどい暑さである(処暑ということで近所の青果店が焼き芋フェアを行っていたが、まったく売れていなかった。無理もない話だ)。 理想の風鈴を求めて こういうときに冷房に頼るのはいかにも容易だ。しかし、それでは電気代がかさむし、体にもよろしくない。せめて風鈴を取り付けて気持ちだけでも涼しく……と雑貨 […]

工芸
ガラスとセラミックの美しい邂逅〈清峰堂の九谷和グラス〉【石川】

先日、とある展示会で不思議なグラスを見かけ、つい足を止めてしまった。 形状自体はそう珍しいものではない。いわゆる馬上杯というやつだ。問題は、その素材。ボウルはガラスで、フットはセラミック……つまり、ふたつの素材を接合させているのだ。ううむ、これは面白い。実に、奇妙な食器だ(もちろん、それはおかしいという意味ではなく、珍しくて素晴らしいという意味である)。 ひと目で、虜になった じっくりと観察したかったが、あいにく時間がなかったため、〈九谷和グラス〉という名前をノートに走り書きし、すぐに目的の会場へと急いだ。それからは挨拶をしたりメモを取ったりと非常に忙しく、家に帰ったときにはグラスのことはすっ […]

工芸
その不便さが、愛しい。〈林工芸の道行灯〉

「夏は夜」 さる高名な歌人は、そう書き残した。おこがましいようだが、僕もそう思う。 夜釣りに蛍狩り、縁日。そして花火大会……。 そう。夏は夜なのだ。 近頃は、この季節を十全に楽しむために色々なものを買い求めている。団扇や風鈴、蚊遣に酒器と、ある程度は揃えたが、まだ足りないものがある。手持ちの提灯だ。ひとつあればなにかと便利だし、風雅な趣を楽しむこともできる。 しかり、方々を尋ね回ったものの、これといったものが見つからない。はてさてと困り果てていたとき、今回紹介する作品に巡り会ったのである。 林工芸のものづくり こちらは、岐阜県美濃に拠点を構える〈林工芸〉が手掛けた〈まる〉という名前の道行灯だ。 […]

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