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12,1月号2025.10.31発売

今こそ知りたい!千利休の『茶』と『美』

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Culture

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歌舞伎にもなった江戸の刃傷事件「伊勢油屋騒動」。一夜のすれ違いが生んだ惨劇とは?

寛永八(1769)年五月四日の夜。遊郭「油屋」にて九人が立てつづけに刀で斬られ、うち三人が死亡。犯人は自殺。事件からわずか十日後、事件は芝居になった。巷でたちまち評判となった、その名も「伊勢油屋騒動」。
その夜、油屋ではいったいなにが起こっていたのか? 犯人の動機は? 被害者はなぜ殺されたのか? 恋に嫉妬に狂った男が引き起こした残忍な事件を紐解いてみよう。
馬場紀衣

The Miracle Remedy Bestowed by the mystical creature, Kappa: ‘Kappago’

When the weather is warm and sunny, we long to escape to somewhere cool—perhaps the sea or a river. You might just have a fateful encounter near the water. And that encounter might be with a Kappa (河童). If you should meet one, you'll definitely want to make friends. After all, they possess a secret, miraculous medicine. If you're lucky, they might give you the remedy or teach you how to make it. The medicine is called Kappago (河童膏), a legendary miracle cure directly from the Kappa, said to be effective for bruises, sprains, and fractures.
馬場紀衣

Unlock the Magic of Kabuki: Fan Tips for First-Timers

The film Kokuho (国宝), which features a Kabuki (歌舞伎) actor as its protagonist, is creating a real buzz in Japan. Many people have been stunned, myself included, by the remarkable feat of its stars, Yoshizawa Ryo (吉沢亮) and Yokohama Ryusei (横浜流星), actually performing as Onnagata (女方; male actors who specialise in female roles). I was completely captivated by their passionate performances! I've heard many voices saying that watching this film has made them want to see Kabuki for themselves. However, it seems there are still a few perceived hurdles… So, as a fellow devotee of traditional performing arts here at WARAKU (和樂) Web, I'd like to offer some truly unsolicited advice! I hope this article gives a gentle nudge that results in more people finding themselves, suddenly, at the theatre!
瓦谷登貴子

朝ドラ『ばけばけ』で注目の小泉八雲。家紋と名字に秘められた日本への深い想いとは

NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の主人公であるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、松江に滞在中に自らのルーツの化身ともいえる鳥、鷺(さぎ)を意匠とした家紋を創案し、紋に描かれた白き羽に故郷と異国との絆を託した。また、帰化して名乗った名字「小泉」は、近江から出雲へと不思議な縁を経てたどりついた妻・セツの家の姓であり、その家族の歴史は海を渡って日本にたどり着いたハーン自身の旅路とも、重なり合っていた。
小林明

曲亭馬琴も参加!珍品を愛でる江戸の文人サロン「耽奇会」へようこそ

古いものには筆舌に尽くしがたい魅力がある。そのものに刻まれた歴史が、隠された物語が、目には見えない不可思議な力となって人を夢中にさせるのだ。それが世にも珍しいものなら、なおさらだ。

江戸時代、珍品奇物を持ちよって論評しあう「耽奇会(たんきかい)」という集まりがあった。古物好き珍品好きにとっては夢のようなサロンである。しかも参加メンバーは時代を代表する文化人ばかりときている。あぁ、私もぜひ参加したい!
馬場紀衣

豊臣秀吉が狩野永徳に作らせた?馬具の美しさに見せられた人々 澤田瞳子「美装のNippon」第19回

きらびやかな宝飾品で身を装い、飾りつけること。そこには「美しくありたい」「暮らしを彩りたい」という人間の願いがあります。 連載「美装のNippon 〜装いの歴史をめぐる〜」では、作家・澤田瞳子氏にさまざまな装身具や宝飾品の歴史をたどっていただき、「着飾ること」に秘められたふしぎをめぐります。
連載 澤田瞳子

ユーモア溢れる名言贈るも、敵対するや妻子もろとも虐殺!闇落ち武将は誰?

戦国武将のなかで一番「やばい」のは? 「虐殺や残虐性」を基準にするなら、織田信長がトップでしょうか。信長は日頃から家臣が緊張するほどの威圧感があったそうなので、イメージ通りとも言えます。

一方、親しみやすい人物と心を許した武将が、態度を一変させて虐殺を行ったとしたら!? ある意味こちらの方が「やばい」武将で、恐怖心も倍増となりそうです。そんな二重人格のような武将とは、さて誰だったのでしょう。
瓦谷登貴子

蔵書数日本一!曲亭馬琴や坪内逍遥も通った名古屋の貸本屋「大惣」とは?

大河ドラマ『べらぼう』もいよいよ終盤である。ところで吉原での蔦重の出発点は貸本屋だったことを覚えているだろうか。衣紋坂(えもんざか)から吉原大門へと続く五十間道にあった蔦屋を間借りして商売を始め、後に日本橋で耕書堂を開いた。

貸本屋では本屋で購入するよりもはるかに安く本をレンタルでき、江戸時代の人々の旺盛な読書欲を満たしていたのである。

全国各地に存在した貸本屋の中でも特に有名なのは、尾張名古屋にあった「大惣(だいそう)」である。蔵書数日本一とされる貸本屋で、たいへん多くの顧客を持ち、うわさを聞いてはるばる江戸から訪れる著名人もいた。

だがその実態は本屋ほどには知られていないようだ。

本の流通拠点として出版文化の発展に大きく貢献した貸本屋の真相に迫る。
里山企画菜の花舎

冬を迎え、凜とした佇まいが美しい「旧白洲邸 武相荘」へ

和樂web編集部

生き埋め、身投げ、人柱。日本各地に残る、かなしき人柱伝説

世の中には理不尽なことがたくさんある。それが人によってもたらされたものなら腹を立てながらもどうにかやりすごせるが、海神や神の御使いによるものだとしたら泣きたくなる。泣くだけで済めばまだいい。釈然としないまま生贄として捧げられたり、生き埋めにされたり、人柱に選ばれでもしたら、泣くに泣けない。
今回紹介するのは、そんな不幸な死にかたをすることになった者たちの物語。海、沼、地中、橋のたもと……あちらこちらから聞こえてくる、亡霊たちの叫び声に耳をすませてみたい。
馬場紀衣

The Adornment of Arms: The Meaning of the Dragon and the Struggle of Metalworker Kano Natsuo Sawada Toko ‘Biso no Nippon: The history of dressing up’

Dressing up and adorning oneself with sparkling jewellery. There lies the human desire to be beautiful and to add colour to one's life. In our series 'Biso (美装) no Nippon: The History of dressing up', writer Sawada Toko traces the history of various ornaments and jewellery, and explores the mysteries behind the act of dressing up.
連載 Sawada Toko

「勤怠」の意味とは? なぜ仕事をしていないときが「怠る」なの? いろいろ調べてみた

勤怠、という表現が前からどうにも引っかかっていた。
勤、はいいとして、怠、って何じゃいな。仕事していなければ、それすなわち怠けている、とでも? 欠勤の理由なんていろいろあるし、出勤していたって勤務時間中に怠けている手合いが「怠」にならなくて「勤」にされるのも癪に障る。

あー、うんうん、ちょっと落ち着こうか。決めつけはよくない。ちゃんと意味を調べて、裏取りをしてから言おう。

――と、いう脳内やり取りがあったので、ちょいと調べてみたのである。「勤怠」とは何ぞや。なぜに「勤」の対義語が「怠」なのか。
あきみず

「牛耳る」の意味とは? なぜ「牛の耳」なのか、ちょっと怖い由来も紹介

それなりに見聞きはするけれど、由来がぱっと想像できない言葉ってけっこうありますよね。
「牛耳(ぎゅうじ)る」もそんな不思議な言葉の1つ。意味や由来を知ると、見え方が違ってくるかもしれません。
あきみず

「よろしく」という曖昧さ──おおらかで柔軟な日本語の不思議【彬子女王殿下が未来へ伝えたいにっぽんのことば】

連載 彬子女王殿下

Inrō in all their forms: a look at the diverse styles of “Japan’s traditional miniature cases”

お鶴さん

片岡千之助の連載 Que sais-je「自分が何も知らない」ということを知る旅へ!#009 カーテンコール

“Que sais-je(クセジュ)?”とは、フランス語で「私は何を知っているのか」。自分に問いかけるニュアンスのフレーズです。人生とは、自分が何も知らないということを知る旅ではないでしょうか。僕はこのエッセイで、日々のインプットを文字に残し、皆さんと共有します。第9回の「旅」は…カーテンコール。
連載 片岡千之助

『和樂』12,1月号、大特集は「千利休の茶と美」付録はカレンダー2冊 「国宝&馬」♡

『和樂(わらく)』2025年12月,2026年1月号、10月31日(金)発売! 本誌の連載、特集ラインナップをお届けします。
和樂web編集部

蔦重や葛飾北斎とコラボも! 知られざる尾張名古屋の本屋「永楽屋東四郎」

大河ドラマ『べらぼう』の放映により、横浜流星演じる蔦重こと蔦屋重三郎はじめ、彼と親しかった浮世絵師や狂歌師、戯作者といったクリエーターたちもフィーチャーされ、本屋や出版文化にも関心が高まっている。

江戸時代の商業出版は三都(江戸・大坂・京都)が中心だった。では、三都以外はどうだったのだろう。実は地方にも三都の大店(おおだな)に匹敵するほど実力のある本屋が存在した。その一つが尾張徳川家の城下町・名古屋にあった「永楽屋東四郎(えいらくや とうしろう)」である。店名を「東壁堂(とうへきどう)」といい、後には江戸・日本橋に出店を持つまでになった。葛飾北斎の『北斎漫画』や本居宣長の『古事記伝』は永楽屋から出版されている。また、名古屋には蔵書数日本一を誇ったとされる貸本屋「大野屋惣八(大惣 だいそう)」も存在した。

なぜ名古屋にこれほどの本屋や貸本屋が生まれたのか。今回は名古屋を例に、江戸時代の地方の出版文化について考えてみたい。
里山企画菜の花舎

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