Craft
2019.11.17

次の京都みやげはこれで決まり!絶対ほしい老舗の和小物6選

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『和樂』4・5月号の京都特集。うれしいことに書店では、好評な出だしとなっています。皆さま、もうご覧いただいたでしょうか。

さて「京都の和小物はこんなにカワイイ!茶の湯まわりの名品7選」のなかで(こちら)、〝本当はこれも誌面で紹介したかったのに、スペースの関係で入れられなかったー!(涙)〟という名品たちを、お茶担当のイツコ(55)がINTOJAPANでご紹介しますね。

ぴょんぴょん堂の「型抜紙」

記事のなかでは、干支の戌と千鳥を表した木版摺り懐紙をご紹介しました(こちら)。この型抜紙も、ぴょんぴょん堂のロングセラーです。
ちなみにわたくしは、漆の椿皿や銘々皿に和菓子をのせるときに使っています。ちょっとしたアクセントとして目を楽しませてくれて、なおかつ皿も保護してくれるという優れもの! 懐紙とともにキッチンにどうぞ。
他にも、うさぎ、ひょうたん、桜、桔梗、扇面、紅葉などの種類がありますよ。

京の和小物
型抜紙(小)25枚入600円。ぴょんぴょん堂の公式HPはこちら。

鳥井金網工芸の「コーヒードリッパー」

このコーヒードリッパーも秀逸でした。柄の部分は黒檀で、亀甲編みの部分もひとつひとつ手づくりです。
本誌で紹介した「携帯茶こし」より、もっと細密な150メッシュという金網を用いているため、小さな粉もきちんとキャッチします。
挽いたコーヒーを入れてカップに沈めるだけという手軽さで、各地の京都展に出品した際に好評を博した逸品です。掃除はハブラシなどを使ってください。網の張り替えも可能です。

京の和小物
メッシュコーヒードリッパー(銅)5,000円。

紙嘉の「金封包み」

水引の数が増えるほど、格が高くなる金封包み。
こちらの商品は水引の数が10本で、婚礼以外の慶事に使用できる、もっとも格の高い金封包みです(婚礼には金銀の水引のものを)。高額なお金を包むのに適したもので、就任、新築、出産、入学など幅広く使えます。
いろいろな約束事について不安な場合でも、老舗の紙嘉さんに相談できたら安心ですよね。

京の和小物
赤白10本水引掛け金封熨斗付、右(特大)が700円。左(大)が600円。

かづら清老舗の「和装バッグ」

祇園の芸舞妓さんたちから、絶大な信頼を寄せられるかづら清さん。もともと美術品のような美しい蒔絵・螺鈿のかんざしで有名なお店ですが、五島列島にある自社工場で搾油されたつばき油を使ったスキンケア商品やコスメも人気があります。
でも、きもの通の方は、ぜひ祇園本店の奥にまで入ってみてください。女将の霜降ふ紀子さんが開発を手がけた、オリジナル和装バッグや草履が、すごく洒落ているのです。品格を大切にした物づくりをされています。

京の和小物
上品な味わいの水衣(みずごろも)バッグ・波文は55,000円(右)。ダイヤ柄の〝しょうは〟バッグは63,000円(左)。かづら清老舗の公式HPはこちら。

むら田の「麻の日傘」

かづら清さんと同じ並びにある呉服のむら田さん。京都の呉服といえば〝はんなりとした染めのフォーマル〟という印象をもちますが、むら田さんは、日常の洒落物を得意としているお店。
ちりめんの無地帯揚げは、自分のところで色出しをされていて、実にお得なプライスです。
こちらの季節のおすすめは、毎年製作している、むら田好みの麻地日傘!
傘を開くと、シックな更紗柄が一面に広がります。製作数は、各柄数本のみだそうです。

京の和小物
麻の日傘は、ベージュが柿渋染、墨地が松煙染。それぞれ23,000円。むら田の公式サイトはこちら。

うつわや あ花音の「茶箱」

南禅寺への参道入り口にそっとたたずむ、暮らしのうつわを扱う小さなお店。今回、誌面では、店主の梶裕子さんにコーディネートしてもらった茶箱を1点ご紹介しました(こちら)。
しかし本当は、2点用意してもらっていたのです。どちらの茶箱とも、木・やきもの・金属・ガラスなどの異なる素材の茶道具がうまく配されていて、バランスの良さに感じ入りました。
梶さんは、母的な優しさと厳しさで若手の作家を育てるのが上手な方です。「茶の湯の世界は、意外に楽しいですよ」と励まして、茶道具づくりの経験の少ない彼らの後方支援を長く続けてきました。
「うつわや あ花音」については、別途に取材のこぼれ話を書く予定です。(55)

京の和小物

京の和小物
吉野杉錫ちぢみ市松茶箱 土井宏友作は280,000円、ガラスの生成茶碗と白瓢柄の茶杓 江波冨士子作(価格はお問い合わせください)、根来手茶器 佃眞吾作は90,000円、「コウモリ」振り出し スナフジタ作は9,000円、「桜さくら」茶巾筒 内田裕子作は8,000円、銀製茶筅筒(大)は20,000円。うつわや あ花音の公式サイトはこちら。

●掲載商品の価格は2018年2月時点のものです。価格には、別途消費税が加算されます。

お茶担55のとっておきの取材こぼれ話(1)はこちら

撮影/伊藤信