レディースで揃えた、エルメスのシャツとY’sのパンツ
鈴木:今日もめちゃくちゃかっこいい。シャツはボタンレスですね。どこのブランドのものですか?
阿部:これはマルジェラ時代のエルメスのものです。どうしても欲しくて、ヴィンテージショップで探しました。レディースなので、袖が細く短く結構きつくて。
鈴木:それで袖をまくって着こなしているのですね。さすがです。マルジェラがやっていた頃のエルメスはすごくエレガントでしたよね。パンツはどこのものですか?
阿部:パンツはY’sで、これもレディースです。
鈴木:どちらもレディース。信じられない! さらに面白いのは、このエレガントなパンツにがっちりした外羽根のフルブローグの靴を合わせているところ。普通なら軽いスリッポンやサンダルなどで軽さを出すのですが、足元だけゴツいメンズ。さらにそれを目立たせるような白いソックス。マイケルジャクソンが、コインローファーを目立たせるために白いレースの靴下を履いていたのと似たような、上級テクニックです。
クラシックとモードが融合
鈴木:時計はカルティアのタンク。ネックレスはどこのもの?
阿部顕嵐:ディオールです。石が好きなのですが、日本画の取材で、ラピスラズリが顔料に使われていると知り驚きました。
鈴木:いつも顕嵐さんの格好を拝見していると、スーパーモードと、クラシックが一緒になっています。とてもベーシックなカルティエのタンクに、エルメスのヴィンテージシャツ、それにこのパンツ。その辺を全部まとめてしまうセンスがすごい。しかもそれをレディースで……というのが面白い。
阿部:クラシカルも好きですね。
鈴木:日本文化のポイントのひとつは、ミックスすること。例えば歌舞伎は、400年以上もの伝統を守りながら、現代の漫画『ワンピース』を歌舞伎化し演じるなど、攻めの姿勢でトライしていますよね。それは美術やデザインでも同じです。先日、とある海外ジュエラーの副社長に話を聞いたのですが、その時「日本のデザインは完全なるシンメトリーではなくて、均整のとれたアシンメトリー」と言っていました。毎回顕嵐さんの装いを見させていただいていますが、海外のものと日本のもの、レディースとメンズをバランスよく着こなしていて、ファッションに日本文化の美意識が表れている気がします。
編集長は、阿部顕嵐さんのファッションが取材の楽しみのひとつ! フランス料理店を訪れるということで、二人とも白×黒の清潔感のあるスタイルでした。ちなみにこの日の編集長のシャツとパンツはアレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターをしていたときのGUCCIです。
さて、今回の対談相手はどなただったのでしょう? 『和樂』本誌でも連載中のあの先生です! お楽しみに!
撮影/今井裕治
阿部顕嵐 お知らせ
▷OA
MBS系列 ドラマフィル『スメルズライクグリーンスピリット』
毎週木曜日 深夜1:29〜放送
※放送・配信時間は予告なく変更になる場合があります
※各放送局での放送時間は公式サイトをご覧ください。
https://www.mbs.jp/slgs/
▷舞台
阿部顕嵐 プロデュース作品 東洋空想世界『blue egoist』
11月17日〜12月1日 at 東京・THEATER MILANO-Za
12月6日〜8日 at 大阪・オリックス劇場で上演
詳しくは公式サイトをご覧ください。
https://blueegoist.com
▷MORE INFORMATION
阿部顕嵐 OFFICIAL SITE >> https://alanabe.com
フレンチレストラン アシエット
今回取材で伺ったのは、成城学園前駅にひっそりと佇むフランス料理店「アシエット」。季節の野菜をふんだんに使い、丁寧に作り上げたクラシカルなフランス料理は、ワインと一緒にゆっくりと堪能したい。
住所:〒157-0066 東京都世田谷区成城 6-10-3
電話:03-3789-1190
公式サイト:https://seijo-assiette.com/