いよいよ夏本番!太陽もかんかん照りで夏らしくなってきました。暑すぎるのも辛いですが、この強い日光は梅干しを作るには最高の環境です。
前回、梅を袋で漬けた方は、「梅干し」にするために干していきましょう。干す事で余分な水分を蒸発させ、保存性も高め、質の良い梅干しが完成します。
通常、梅酢を切った梅を直接ザルに並べる方法が多いのですが、私はオーブンシートを敷きます。オーブンシートを敷くことによって、梅を裏返す時に皮が破けにくくなり、ザルがなくてもお皿などで代用し干すことができるのです。
オーブンシートをぐちゃぐちゃに丸めて広げてから敷くと、梅とシートの間に隙間も出来て乾きやすくなります。
梅を干す時に、梅酢も1日で良いので一緒に日光に当てて殺菌します。
日光が当たる場所で3日間、干していきましょう。満遍なく乾かすために1日に1回は梅を裏返します。
3日3晩、外に出しておき、夜も取り込まず、夜露に当てた方がしっとりとした上質の梅干しになります。しかし、夜中に突然の雨に降られて、梅干しが濡れてしまうと全てが台無しです。
ですので、夜寝る前に取り込めば、いくばくかは夜露に当てることが出来ますし、寝ている間に雨に降られる心配もありません。
1日目はこんなにしっとりしている梅も…
3日間干すと、塩をふいた状態になります。これで出来上がり。皮もしっかりと乾いています。表面はぱりっと硬くても、1カ月〜半年もすれば梅の内部から水分が上がり、皮までしっとりとした梅になります。そして置けば置くほど塩味も丸みを帯びていき、3年寝かせた梅干しが1番美味しい食べごろです。そしてそれ以上置くと更に変化していき、尖ったところのない旨みを増した梅干しになります。18%以上の塩分であれば、賞味期限はありません。
さて出来上がった梅は、お料理にも活かしていきましょう!今回、ご紹介するのは、鶏の梅バターソテー。
ジューシーな鶏肉に、ふくよかに包むバターのコク、にんにくの香ばしい香り、塩味と酸味が効いた梅干し…クセになる美味しさなのです!
鶏の梅バターソテー
鶏もも肉 1枚(約260g)
塩 2g(鶏肉の重さ×0.7%の塩分量で繰り上げ)
梅干し 1個(塩分18%のものを使用)
にんにくすりおろし 小1かけ(約4g)
バター 10g
オリーブオイル 小さじ1
調理時間 〜15分(鶏肉の下処理の除いた時間です)
鶏肉に塩を振り15分置きます。これは脱水しながら臭みを抜くのと、下味を付けるための塩です。しかし、ここでバシッと塩味を決めてしまうと、後でソースと和えた時に塩っぱくなってしまう可能性があるので、塩分が強い梅を使う方は控えめにしましょう。
出てきた水分を丁寧に拭います。油ハネを防ぎ、皮目にも綺麗な焼き色が付きやすくなります。多少塩が取れても大丈夫です。
鶏もも肉を6等分に切ります。
フライパンに火をつけない状態で、オリーブオイルを小さじ1入れます。
切った鶏肉の皮を綺麗に伸ばし、皮目を下にオイルを塗りながらフライパンに並べていきます。
全てのお肉を並べたら火を付けます。弱目の中火で熱します。
ぱちぱちと油がはねる音が聞こえてきたら、フライパンよりひと回り小さいアルミホイルをふわっと載せて、5分〜6分タイマーをかけ焼きます。油はねがひどい場合は火が強いです。少し弱めましょう。
この間に、にんにくをすり下ろし、梅を叩いておきましょう。種もソースに使うので取っておきます。
タイマーが鳴ったらお肉を確認。写真のように身の表面が白くなり、皮目にも香ばしい色がついていたら裏返します。
水が出てきたら、その都度キッチンペーパーで拭き取ります。1分ほど焼いたら、一旦お皿に移しましょう。
フライパンをキッチンペーパーで綺麗に拭いたら、バター10gを入れます。
叩いた梅、種、にんにくを入れ、弱目の中火でバターを沸騰させながら、絶えずヘラでよくかき混ぜましょう。
泡が出て細かくなってきたら、バターの焦げの部分が均一になるように更に手早くよくよく混ぜ合わせます。
にんにくの香りがして、バターが黄金色になったら、弱火に落とします。すぐにお肉を入れてソースを鶏肉に絡めていきます。焦げそうになったら、火を止めてしまっても大丈夫です。
にんにくの刺激臭がなくなりカリッとし、全てが合わさった状態になったら出来上がり。
ソースの味見をして、塩分が足りない場合は足しましょう。塩っぱい場合はお野菜を添えたり、ご飯に乗せたりすれば良いです。お肉の味を薄めるより、付け合せで調整しましょう。
大葉のみじん切りと黒胡椒をたっぷりかけても美味しいです。
パスタにアレンジしても!フライパンにパスタの茹で汁、アンチョビ、ケッパー、オリーブ、叩いた梅干しを入れ、和えて、バターソテーを乗せたもの。梅干しをドライトマトのように使うと楽しいです。
梅干しはホカホカの炊きたてご飯、海苔の香りがぷんとたつおにぎりに合わせたら、最高ですよね。
しかしそれだけでなく、お料理の調味料の一つとしても、とても役に立ちます。和樂webでも「冷汁」に使ったり、「きゅうりの水漬け」の隠し味として紹介してきました。
ぜひ皆さんの毎日の食卓にも、梅干しを活用していただければ嬉しいです。そして梅仕事を始めた方は、家庭の行事として毎年の楽しみになりますように。