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2024.08.23

より良い器を探し求めて…恐る恐る飛び込んだ骨董の世界【原 由美の愛する「和」のひととき】

パリでアンティークの魅力に魅せられた原 由美さん。趣味の苔玉を通して日本でも骨董の世界に足を踏み入れました。どんな出逢いが待っているのでしょうか──。
文・原由美

前編はこちら

より良い「器」を探し求めて

パリでのアンティークとの出逢いから少し時が経ち、50代になった私は「苔玉作り」に夢中になった。

苔玉は乗せる器によって表情が変わる。
理想に合う器を探し求めて、陶器、磁器、木材を扱うお店…
思いつく場所を見て回った。

何か特別なものはないかと考えた時、ふと思い出したのはパリの蚤の市。
恐る恐る、日本で開かれている骨董市に行ってみることにした。

パリの蚤の市にて

日本の骨董市というと、目利きな方々の集う場所。
素人は鼻であしらわれる怖い所…!という先入観があった私は、まずは以前友人から聞いたことのあった新井薬師の骨董市へ足を運んだ。

それから、大江戸骨董市、花園神社、乃木神社、新宿のアンティークフェア…
いろいろな場所を見てまわった。

平和島骨董市には行き方が難しく不安があったので、夫に付き添いをお願いして行ったことも。
西日本最大という京都のアンティークフェアーがどうしても気になり、一人日帰りで足を運んだこともあった。

初めて骨董市に足を踏み入れた時は、身体中の血が沸き立つようなゾクゾク感。
まるで、前世で見た事、手にした事でもあったかのような、記憶が蘇るような不思議な感覚があった。

やはり私も日本人なんだ、と、不思議な納得感を得たのだった。

広大な敷地の骨董市の中から、苔玉の器にふさわしい、とっておきを見つけたい…!
その一心で、苔玉アンテナを伸ばし、その周波数をキャッチすべく集中した。

今よりはまだ若かったからできたことと、懐かしく思う。
くたくたになったけど、苔玉にぴったりな器や台が見つかった時には、その疲れは吹き飛んだ!

骨董市で見つけた”苔玉の器”リスト

酒の盃を置く盃台
昔の糸巻き
昔のお盆や折敷やお膳
囲炉裏で使われていた五徳
仏像のお供えに使う器
刀の鍔等で作られた台
昔の蝋燭立て

額装のように苔玉を彩ってくれる器たち

つい夢中になってしまう、骨董市の魅力

苔玉の器以外にも意外な戦利品を見つけたこともあった。

べっ甲風のかんざしは、着物を着る時にいつか使えるかもと見つける度にゲット。
集めていたアラビアのコーヒーカップも、度々手に入れた。

最近は「骨董市巡り」にはたまに行く程度だが、通りすがりに”骨董市”を見かけた時は覗かずにはいられない。
先日も、上野公園を通った時に骨董市の幟を発見、すかさず早足でチェックしてしまった。

幸いにも?苔玉に合いそうな出会いは無かったが、一心不乱にあちこち露店を物色しているオバサン…お婆さん?だったかも?
後で自分の姿を想像したら、なんだかクスリと笑えたのだった。

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原由美

原由美(モデル/苔玉講師) 数多くの女性誌・広告・CMなどで幅広くモデルとして活躍。 苔玉の魅力にひかれ、苔玉講師としても自宅でプライベート方式の教室・不定期でワークショップなどを行っている。
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