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2020.04.28

ニッポン全国「ご当地フォーチュンキャット」ができました! 全19種を徹底解説

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和樂ではもうおなじみ、江戸木目込人形の名店・柿沼人形とのコラボレーション企画。このたび、満を持して発表するのは「ご当地フォーチュンキャット」です! 柿沼人形の大人気商品である招き猫を、日本中の選りすぐりの織物を使って製作した大型プロジェクト。その数なんと19種類! 絣や紬をはじめとする、その土地ならではの背景がうかがえる、個性豊かな織物がそろいました。並べてみると、日本の織物文化の奥深さを感じずにはいられません。華やかな猫も静謐な猫も勢ぞろい。完全限定生産なので、お気に入りが見つかったらすぐチェックしてみてください。WEB限定で紅型とパッチワークの招き猫も! 詳しくはこちら。

江戸木目込人形とは?

木目込人形が生まれたのは、約280年前。発祥は京都で、人形の型に1〜2mmの筋を彫り、そこにのりを入れて布を“きめこむ”ことから「木目込人形」と呼ばれるようになりました。やがて江戸に伝わり、発展したものが「江戸木目込人形」です。

柿沼人形の招き猫が新しいステージへ

1950(昭和25)年、人形師の初代・柿沼東光によって創業した「柿沼人形」は、日本有数の江戸木目込人形の名店。土台の製作から木目込まで、すべての作業が職人の手によるものです。5年前に誕生した「木目込招き猫」は、海外の見本市で、日本の伝統技術を用いたラッキーモチーフとして世界中から賞賛が。和樂でも新作が発表されるたびに完売する、現在でも人気の絶えない人形なのです。

過去に発表した和樂の招き猫

そして今回、招き猫は新しいステージへ。織物文化が深い日本ならではの、全国各地の生地を使った「ご当地フォーチュンキャット」として大変身を遂げました。それぞれ素材や厚さ、伸縮性が異なるため、曲線の多い招き猫にシワを寄せずきめこむのは非常に難しいのですが、「柿沼人形」の卓越した技術がそれを実現。つい目を奪われてしまう19匹が誕生しました。ぜひお手元で、その愛らしさを確かめてみてください。

すべて限定!「ご当地フォーチュンキャット」全19体お見せします

ご当地フォーチュンキャットの詳細を、ひとつずつ解説します。ひと口に織物といっても、やっぱり土地によって違うもの。比べてみると、日本各地の織物文化の特性がよくわかります。首輪や耳の中の色も、ご当地ごとに変化をつけました。柿沼人形×和樂の招き猫ならではのスワロフスキーの鈴も健在。ちなみに後ろに付いたタグも和樂のロゴが入った、特別感たっぷりの仕様になっています。1種類につき、たった2個だけの限定生産品。ぜひおうちに招いてかわいがってあげてください。

【秋田代表】秋田八丈

1800年くらいから発展した秋田の織物文化。黄八丈にならって生まれたのが秋田八丈で、北秋田で生産。県を代表する絹織物になった。絹の光沢と独特の渋みが人気。使用した生地は実際の呉服反物で、渋い黄色地に赤と黒の糸が効いている。

【山形代表】米沢紬

紅花や苅安(かりやす)、藍などで草木染めされた紬糸を平織にする、先染めの織物。自然が生み出す、淡くやわらかい色合いが女性らしい。米沢藩 第9代藩主・上杉治憲(鷹山)が藩政改革の一環として奨励し、大きく技術が発展した。

【福島代表】会津木綿

1643(寛永20)年ごろ、会津藩主・保科正之(ほしなまさゆき)が武士の妻たちの内職として奨励し、始まった木綿平織。堅牢性があるため、かつては野良着として広く着用されていた。会津木綿を現代の日常生活に取り入れることを提案するブランド「IIE Lab.」(イーラボ)の縞柄を使用。

【新潟代表】片貝木綿

古くから綿花の栽培が行われていた新潟県小千谷市片貝町。片貝木綿は民藝運動の一環として生まれた織物で、「用の美」と称するにふさわしい、丈夫でやわらかく、シワが戻りやすい特性が。染めの工程はすべて手作業で行われている。

【埼玉代表】正藍武州紺織

タテ糸とヨコ糸、ともに正藍で染め上げる紺織物。埼玉県羽生市は木綿と藍の栽培が盛んな土地で、その歴史は1700年代後期から。温かみのある自然な縞が特徴となり、現在でも剣道着や袴、足袋やお祭り着など、幅広く使われている。

【東京代表】江戸小紋

細やかな型染め染色で、着物としても人気。麻の葉文様は、麻が生命力が高く、邪気を払う力があるとされたところから、赤ちゃんの成長への願いと厄除けの意味を込めて産着に使われたことも。実はベージュとリバーシブルで、耳中としっぽに採用。

【石川代表】加賀友禅

江戸中期に、今のような絵画調の模様染めが発展したとされる加賀友禅。写実的な草花模様が特徴的で、こちらも菊、紅葉、笹……。さまざまな草花が美しい色で織りなされ、自然美を表現している。華やかだけど地が水色だから、どこか清潔感も。

【愛知代表】有松絞

有松・鳴海地方で生産される木綿の絞り染め。江戸時代初期に誕生し、尾張藩が特産品として保護。浴衣や手ぬぐいに用いられ、旅人が故郷へのお土産にと買い求めたことで名が知られたとされている。ぼかしの効いた柄が招き猫とマッチしている。

【三重代表】松阪木綿

天正、文禄年間には、農家の副業として木綿や綿麻の交織織物が盛んにつくられていた三重県松阪市。商人により江戸へ流通し、良質な木綿織物として大ブームになった。藍の先染め糸によって生まれる縞や格子が特徴で、デザインは無限に。

【京都代表】京友禅

まるで招き猫をメークアップしてるような、愛らしい小花柄。生地そのものに織り柄があり、さらに文様を型染めしているため、奥行きのある華やぎが表現されている。生地に使われているグリーンが首輪の色とリンクしていて、雅なおしゃれに。

【奈良代表】麻織物

古くは鎌倉時代から袈裟としての使用が記録されている、上質な麻織物「奈良晒」。コシの強い苧麻(ちょま)を原料とすることで、さらりとした肌触りを実現させた。そのような背景を汲んで、今回は奈良産の生成りの麻織物を使用している。

【兵庫代表】播州織

1700年代後期に京都西陣の織物技術が伝わったことが播州織の起源で、現在は兵庫県北播磨地域で製造された生地をそう呼んでいる。企画から染め、織り、加工までが行われ、その種類も豊富。さわやかなブルー地と細かい水玉がかわいらしい。

【鳥取代表】弓浜絣

山陰の三絵絣のひとつで、柄になる部分をくくり染色することで文様を織り出す。農民の衣料が起源なので、素朴でざっくりした風合いが特徴に。生活に根づいた織物らしく、こちらも東京代表の江戸小紋同様、厄除けの意味をもつ麻の葉文様。

【岡山代表】デニム

倉敷市・児島地区は国産ジーンズ発祥の地で、染めから織り、加工にいたるまで、高度な技術が世界から注目が集まっている。今回は、洗いのかかっていないリジッドタイプを使用。生地がプレーンなので、耳の色を左右で変えたデザインに。

【広島代表】備後絣

国内屈指の綿の産地であった広島県。愛媛の伊予絣、福岡の久留米絣と並ぶ日本三大絣のひとつで、糸の一部を竹の皮でくくって染めた井桁絣が原型と言われている。使用した生地は、濃厚な藍にあしらわれた深いグリーンの縞が印象的。

【香川代表】保多織

タテ糸が浮かび上がった、凹凸のある表面感をもつ木綿織物。通気性や吸湿性に優れ、さらっとした肌触りなので浴衣などに向いている。黄色地に赤や黒の縞があしらわれた明るい柄だけど、全体的に優しい色調で派手すぎない。

【徳島代表】阿波しじら織

明治維新当時、阿波安宅村の織女・海部ハナが、突然の雨にさらされた綿地を日光に乾かしたところ、面白い風合いが生まれたことをヒントに開発した。タテ糸・ヨコ糸の張力差を利用して、ちじみに仕上げているので、軽く肌触りがよい。

【福岡代表】久留米絣

日本三大絣のひとつで、幾何学柄や絵縞の細かいものが多い。1799(寛政11)年、当時12、13歳の井上伝(いのうえでん)という少女が、着古した着物の色があせ、まだらになっているのを見て、それを模様に起こしたと言われている。1957(昭和32)年には国の重要無形文化財に指定。

【鹿児島代表】大島紬

奈良時代には養蚕がおこなわれ、紬が織られていた奄美の島々。高級な先染め平織の絹織物で、やわらかい素材感で、シワになりにくい。渋く落ち着いた色味も特徴。自然の力強さを感じるこげ茶と、男性の着物に用いられる小柄が、洗練された印象。

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