青磁色の着物は器との相性バツグン!
和樂:すっと背筋が伸びて、いつも美しい和装を披露していただく石井さん。秋の着こなしについて、どんなところにこだわりがありますか?
石井:今回は「千鳥」さんへの訪問ということで、主役はあくまで器。そこから発想して、青磁色の訪問着を選びました。〝青磁〟って、まさしく器の色でぴったりでしょう? フォーマルにもカジュアルにもいろんなシーンで着られる訪問着は、展示スペースもある「千鳥」さんの落ち着いたお店で浮かず、シックに見えますよね。
和樂:石井さんが佇んでいる姿は、一幅の絵のようにおさまっています! 着物の小物のコーディネートのこだわりは?
石井:着物の柄が秋の花々を散らした抑えめなカラーなので、帯は派手すぎず、着物と一体化する感じにクリーム色の華紋柄を選びました。華紋柄の色は、着物の百花の色と共通しています。
帯締めは鶯色で、帯揚げはクリーム色。どちらも帯の柄にある色から選んでトータルなまとまり感を大事にしました。
和樂:さすがです。本当にすごくなじんで、素敵です!
主役は器。メイクはうるおいに気を配って控えめに
和樂:青磁色に合う秋のメイクについてはいかがでしょう。
石井:メイクの色は主張しないようにしています。
肌は季節的に乾燥が気になりますので、うるおいのある下地やファンデーションを使い、フェイスパウダーは「アルビオン エクシア セレスティアル ヴェール」で仕上げ。とてもキメ細かくマットになりすぎず、透明感もうるおいもキープできるんです。
チークは、まずリキッドタイプの「スナイデル スキン グロウ リクイド(01)」を指でつけてうるおいとツヤ感を与え、さらに「インウイ チーク(02)」をオン。ほんのり、シックな秋っぽいオレンジで光感と血色感を演出しました。
リップは、「インウイ リップ(07)」で、やはり秋を感じさせるシックなオレンジを選びました。
アイメイクは、いろんなパレットから使っていますが、ブラウン〜オレンジ系のグラデーションに。
今回のカラーメイクは、着物や帯の柄にある色から選んでコーディネート。和のイメージで、夏の元気なオレンジではなく、秋らしいたおやかなオレンジでまとめるのがコツですね。
メイクアイテムも乾燥を防ぎ、うるおいがキープできるものを選ぶことも大切です。
器選びのポイントあれこれ
「千鳥」さんでは、さまざまな素材の器がありますが、本当に基礎的なお話も伺ってみました。
まずは陶器と磁器の違いについて。店主の柳田栄萬さんは「原料の違いですね。磁器は石が原料のため吸水性がなく、丈夫。一方の陶器は土が原料のため吸水性があり、ものによってはシミになることも。でも、あまりとらわれず、自分の好みでいろいろ選んでほしい」
と、語ります。
石井:陶器や磁器は、あまり素材感の違いを考えず選んでいました。「千鳥」さんは、木製のものもガラス製も豊富に揃っていて、たくさんの種類から選べるので本当に貴重なお店!
器をギフトにするときのコツも柳田さんに伺いました。
「贈る方の好みやライフスタイルを想定するのがコツです。たとえば、お酒が好きな方なら酒器など。特にぐい呑みはいくつあってもうれしいものですし。また、ホームパーティが好きな方には大きめの器も喜ばれると思います。いざというときに『あ、あれがある』とあてにされる器というのも、いいと思います」(柳田さん)
石井:参考になるお話をいろいろ、ありがとうございました。
好きなものが身近にあるということは、本当に素敵なことですね。心が弾む器選びは、自然と笑顔になって肌もバラ色に輝いてきます。みなさんも自分だけの楽しみを見つけてくださいね。
インタビュー・本文/國藤直子(STRIPE) 写真/目黒智子 着付け/星山奈保子 ヘア/高倉里美 撮影協力/千鳥
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