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連載

Jewelry&Watch

2025.09.14

【BOUCHERON】2025 Carte Blanche Collection IMPERMANENCE [COMPOSITION N°3]

光から闇へ──移ろう自然の美をモダンに、詩情豊かに表現した 最新ハイジュエリーコレクション

年2回、「ブシュロン」が生み出す異なるコンセプトのハイジュエリーコレクションとは?

「ブシュロン」は年2回、1月と7月に異なるコンセプトのハイジュエリーコレクションを発表している。
1月に披露される「ヒストリー オブ スタイル」は、創業者フレデリック・ブシュロンが築いた伝統と167年にわたり受け継がれてきたサヴォアフェール(匠の技)に光を当てたコレクション。クリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌが、アーカイブからひとつの作品または時代を選び出し、それを現代的な視点で再解釈することによって生み出されている。
そして7月には、宝飾界の慣習や不文律を覆してきた「カルト ブランシュ」コレクションを発表。フランス語で「白紙委任」を意味するコレクションはその名のとおり、クレール・ショワンヌが自由にテーマを選択し、すべての制約から解き放たれる、大胆かつ革新的なクリエイションとして名高い。
今年、「ブシュロン」はふたつのコレクションを通して〝自然〟を賛美。常に新境地を拓いてきたメゾンにふさわしい、想像をはるかに超える比類なき作品が発表された。

新作「カルト ブランシュ」コレクション──
「IMPERMANENCE」が描く、移ろいゆく自然の一瞬の美しさ

今年7月、「ブシュロン」はハイジュエリーコレクション「カルト ブランシュ」の最新作「IMPERMANENCE(インパーマネンス)」を発表。それは、移ろいゆく一瞬の美しさ、儚さを意味する言葉であり、本コレクションは時の流れとともに変化する自然の本質に改めて目を向け、その尊さを見つめ直すために制作された。
2018年発表の「Fleur Éternelle(フルール エターナル)」で掲げた〝儚いものに永遠を与える〟というビジョンは、本作にも引き継がれている。着想源となったのは、日本文化に根ざす「生け花」と「侘び寂び」の思想。その創作は、自然の一瞬に宿る美を捉え、静けさのなかに息づく生命の輝きを永遠のものにする試みでもあった。
植物と昆虫から成る6つのコンポジションは、「光」を軸に構成されている。コレクションが始まるNo.6は最も明るく軽やかな光を宿し、その光は徐々に翳りを帯びて、最後のNo.1では深い暗闇のなかへ。光の変遷は誕生から終焉へ向かう自然の循環を象徴し、私たちに「儚い自然を守る」という意識を呼び起こさせる。
「自然の美しさが色褪せる前に、その一瞬を捉え、ハイジュエリー作品に閉じ込めたいと考えた」と語るクレール・ショワンヌは、延べ18,000時間以上におよぶ緻密な作業を経てコレクションを完成させた。
その22点で構成された6作品は、まさに装うことのできるアートピース! 素材、デザイン、技巧のすべてに、「カルト ブランシュ」の本質である自由と革新の精神が発揮されている。

COMPOSITION N°3

コーム式のパーツによってヘアジュエリーとして装うことができる、「コンポジション No.3」の藤の花。ブローチにもなるこの作品は、軽量化と高い堅牢性の両立という難しい課題をクリアして、ようやく完成に至った。軽さと強さにこだわった結果、セラミック、チタン、アルミニウムを組み合わせた素材の重量はわずか150グラムに。約100点ものパーツから成る花房の組み立ては、アトリエの職人たちの手作業によるもので、リアリティを追求した自然に揺れ動く仕上がりが美しい。花びらや葉にはダイヤモンドが繊細にパヴェセッティングされ、作品全体から光が放たれているかのよう。小さな花びらや蕾にはホワイトセラミックが用いられ、質感の変化がより豊かでドラマティックな表情を生み出す。

アイリスと藤という存在感のある花々を束ねた、闇が迫る世界にダイヤモンドの輝きが映える作品。白黒のコントラストが際立つアイリスの花びらとクワガタムシの縞模様は、ブラックDLCコーティングとダイヤモンドの輝きによるもの。写実的に表現されたアイリスの葉にもダイヤモンドがセットされ、ロッククリスタルが朝露のような煌めきを添える。デザイン性と軽量化を追求してつくられた藤の花房は、ボリュームはあっても軽やかに揺れ動く。そんな花々の近くには、チタンで造形された一匹のクワガタムシが佇む。神秘的に輝く花器はブラックスピネルを敷き詰めたアルミニウム製。アイリスはマグネットで固定するショルダーブローチに、藤はヘアジュエリーまたはブローチに、クワガタムシもブローチとして楽しむことができる。「コンポジション No.3」[アイリス、藤、クワガタムシ:ダイヤモンド×ホワイトセラミック×WG×チタン×AL×ブラックスピネル×ロッククリスタル×ホワイト樹脂×マグネット・花器:ブラックスピネル×AL]予定価格¥359,040,000(ブシュロン)
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福田 詞子(英国宝石学協会 FGA)


※文中のMOPはマザーオブパール、ALはアルミニウム、SVはシルバー、WGはホワイトゴールドを表します。
※本記事は『和樂』2025年10・11月号 の転載です。
※この特集での価格表記は、税込価格です。
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