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どうして今〝禅〟が注目されてるの? その答えは、白隠にあり!

日本美術界隈では〝禅〟が盛り上がっています。

 禅は今からおよそ1500年前、菩提達磨(ぼだいだるま)によってインドから中国へ伝えられたもの。ここに掲載した絵や赤い張子人形の〝だるまさん〟は、菩提達磨が坐禅している姿をデフォルメしたものです。
 禅はその後、菩提達磨の流れを汲む臨済義玄(りんざいぎげん)によって広まり、義玄が宗祖となった臨済宗、黄檗宗(おうばくしゅう)が鎌倉時代にもたらされたころに日本における禅の歴史がスタートします。
 臨済宗は当時の政治の実権を握っていた鎌倉幕府に支持され、またたく間に発展。続く室町時代には幕府に保護・管理されたことから、京都五山・鎌倉五山という格の高い寺院はすべて臨済宗が独占するようになり、当時の文化や精神の形成に多大な影響を与えました。
 その後、江戸時代になると臨済宗にも変化が生じるのですが、白隠慧鶴(はくいんえかく)の活躍によって禅は再び隆盛を迎えることになり、今日までつながってきました。

白隠慧鶴『達磨像』 紙本着色、192.0×112.0㎝、江戸時代 18世紀 大分・萬壽寺蔵 特別展「禅 ―心をかたちに―」通期展示

どうして今〝禅〟が注目されてるの? その答えは、白隠にあり!

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 今年は臨済義玄の没後1150年で、臨済宗中興の祖にして500年にひとりと称えられた高僧・白隠の没後250年。それを記念して臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念特別展「禅 ―心をかたちに―」(東京国立博物館 平成館)をはじめ、「大仙厓展 ―禅の心、ここに集う」(出光美術館)、「仙厓ワールド」(永青文庫)などが開催され、禅に注目が集まっているのです。

白隠さんの禅画がめちゃめちゃカワイイ!

 駿河(するが)に生まれ、全国を行脚した後に再び駿河で教えを説いた白隠は後に「駿河には、すぎたるものがふたつあり、冨士のお山に原の白隠」と、その功績を富士山にも匹敵するとたたえらています。
 そんな偉い禅僧でありながら、白隠が描いた〝禅画〟は多くの人が禅に対して抱いていたメージをくつがえしてしまうほどの破天荒なパワーに満ちています。
 白隠は絵を学んだわけではないので、うまいかへたかと問われたら、間違いなく「へた」。ですが、その絵はオリジナリティに溢れていて、日本美術史において唯一無二の存在と言っても過言ではありません。
 なぜ白隠は絵を描いたのか――。
 その背景は、少しでも多くの人に仏法を広げたいという禅僧としての思いにかられたからにほかなりません。
 画題は釈迦(しゃか)や菩薩(ぼさつ)といった仏教に由来するものから、七福神やお福のような民間信仰に根差したもの、動物を擬人化したものまで実に様々。プロの絵師には決して描くことができない型破りな絵には白隠ならではのユーモアが込められていて、禅の意味を絵と賛で重層的に表現する禅画という新しいジャンルを確立したという点においても、日本美術史で特筆すべき存在なのです。

白隠慧鶴『隻手布袋図(せきしゅほていず)』 一幅 紙本墨書 江戸時代・明和3(1766)年 92.7×29.2㎝ 永青文庫蔵 「禅―心をかたちに―」11月8日~11月27日展示。「両手を叩けば音がするが、隻手(片手)ではどんな音がするか聞いて来い」という、白隠が考えた代表的な公案に基づく絵。その心は、常識や当然にこだわり、それが正しいと凝り固まっていてはいけないという、まさに禅問答の典型。

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白隠さんの禅画の楽しみ方は?

 一見するとふざけた絵のようですが、白隠の禅画にはすべて意味が隠されています。絵には公案(禅問答)が示されていて、どこかにヒントは隠されているものの答えは書かれていません。
 それは、見た人に考えさせ、みずからの答えを導き出させるため。白隠の禅画に表されているのは、人としての本質を問うものばかりで、探れば探るほど、知れば知るほど奥深く面白い、白隠の神髄を楽しむことができます。

白隠の禅画をはじめ、禅のすべてが体感できる展覧会

臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念
特別展「禅―心をかたちに―」
The Art of ZEN: From Mind to Form

会期/10月18日(火)~11月27日(日) ※展示替あり
会場/東京国立博物館 平成館 東京都台東区上野公園13-9 地図
東京国立博物館ホームページ 展覧会公式サイト
開館時間/9時30分~17時(金曜および10月22日、11月3日・5日は20時まで。入館は閉館の30分前まで)
休館日/月曜
入館料/ 一般1,600円、大学生1,200円、高校生900円 ※障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などをご提示ください)。

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白隠慧鶴『慧可断臂図(えかだんぴず)』一幅 紙本墨画 江戸時代(18世紀) 112.0×49.0㎝ 大分・見星寺蔵 「禅―心をかたちに―」11月8日~11月27日展示。『慧可断臂図』は禅にとって重要な画題。少林寺で坐禅を続ける達磨大師のもとを訪ねた神光(しんこう)は、弟子入りを何度も願い出るも返答はなし。大師がその難しさを説くと、みずからの左腕を切り落として捧たげ神光の心に応えた大師は弟子入りを許し、神光は後に慧可と名をかえ達磨大師の二祖を継ぐ。白隠は達磨大師を円の中に描くことでその崇高さを象徴的に表現し、歯を食いしばって左腕を差し出す神光の姿がリアルだ。

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