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2024.11.10

絢爛豪華な寺宝が東京へ! 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」いち早くご紹介!

平安時代前期の貞観18(876)年に開創された大覚寺。令和8(2026)年に開創1150年を迎えるのに先立ち、来年1月、優れた寺宝の数々を一挙に紹介する、開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」が東京で開催されます。

歴史ある大覚寺の貴重な寺宝を、じっくり観られるまたとない機会!

「大覚寺」展最大の見どころは、安土桃山時代から江戸時代に制作され、現在では一括して重要文化財に指定されている約240面におよぶ襖絵(ふすまえ)や障子絵などの障壁画から、120面を超える作品が公開されること。なかでも、寺内の中央に位置する宸殿(しんでん)の内部を飾る狩野山楽(さんらく)による障壁画は、師である狩野永徳(えいとく)のダイナミックな表現を引き継ぎつつ、より洗練された世界をつくり出した、堂々たる代表作ぞろい! 通常非公開となっている部屋のものも含まれるという、絶対に見逃せない贅沢な機会です。

また、大覚寺中興の祖である後宇多法皇をはじめ、ゆかりの深い歴代天皇の書=宸翰(しんかん)を展示。優美な書の数々が並びます。平安後期の仏像を代表する明円(みょうえん)作『五大明王像』をはじめ、密教美術の名品が東京で公開されるというのも貴重です。

さらに、会場となる東京国立博物館の展示室内に、通常は非公開の重要文化財「正寝殿(客殿)」のうち、歴代門跡の執務室であった「御冠(おかんむり)の間」を再現するという、現代ならではのお楽しみも。華やかな展覧会が今から待ちきれません!

「大覚寺」展 寺宝を一部紹介

「大覚寺」展の寺宝の一部をご紹介します。ぜひ実物を展覧会でご覧ください。

<国宝>後宇多天皇筆『後宇多天皇宸翰 御手印遺告』(部分)

鎌倉時代・14世紀 京都・大覚寺【後期展示】

書の名手として名高い後宇多天皇の宸翰も!
後宇多天皇が大覚寺の興隆を願って、崩御の前に記した定め。21か条あり、冒頭と各条のはじめに朱で手形(御手印)が押されている。本来は25か条を目ざしたものと考えられており、各所に推敲の跡が見られる。今回の展覧会では、後宇多天皇が空海の伝記を記した、同じく国宝の『後宇多天皇宸翰 弘法大師伝』も前期に出品される。

<重文>狩野山楽筆『松鷹図』(部分)

安土桃山〜江戸時代・16〜17世紀 京都・大覚寺【前期展示】

モノクロームの世界に浸りたい!
通常は非公開となっている正寝殿の12の部屋のうち、「鷹の間」を飾るもので、12面の襖絵と、1面の壁貼付絵からなる。力強くダイナミックにうねる巨大な松に、勇壮な鷹の姿が描かれた狩野山楽の代表作のひとつ。大胆さと繊細さをあわせもつ山楽ならではの魅力あふれる作品で、静寂を感じさせる余白が心に残る。

<重文>狩野山楽筆『牡丹図』(部分)

江戸時代・17世紀 京都・大覚寺

大ぶりの艶やかな牡丹に囲まれる!
縦約180㎝! 宸殿「牡丹の間」の東・北・西の三面を飾る大画面はまさに圧巻! 横長の画面に、ひと花が両手で抱えるほどの大ぶりな牡丹を連続して配置した独特の構図だが、花株の位置は綿密に計算されており、リズミカルな展開になっている。鳥の親子がたわむれている姿もかわいらしく、全体の中でアクセントになっている。

<重文>狩野山楽筆『紅白梅図』(部分)

江戸時代・17世紀 京都・大覚寺

師・永徳の表現を発展させた山楽の最高傑作!
宸殿「紅梅の間」の南面を飾る襖絵。安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した狩野山楽の最高傑作のひとつで、満開の紅白梅の大木を画面いっぱいに展開する迫力のある表現は、師である狩野永徳の真骨頂を引き継いだものといえる。山楽はそこに、水辺に佇む鴛鴦(おしどり)などの鳥たちを描いて、繊細さと遊び心を加えている。

<重文>明円作『五大明王像』

平安時代・安元3(1177)年 京都・大覚寺

5体そろっての東京での公開は今回が初!
平安時代後期の仏像の最高傑作のひとつ。京都の上級貴族の仏像制作を担った仏師・明円が制作した。不動(ふどう)明王を中央に、右から金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王、降三世(ごうざんぜ)明王、軍荼利(ぐんだり)明王、大威徳(だいいとく)明王の五大明王がそろって東京で公開されるのはこれが初。力強い姿のなかにも、整った顔立ちややわらかな体つきに気品があふれる。

展覧会情報

開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」

日程
2025年1月21日〜3月16日
前期展示/1月21日〜2月16日
後期展示/2月18日~3月16日
※会期中、一部作品の展示替えあり。

会場
東京国立博物館 平成館

開館時間
9時30分〜17時 
※入館は閉館の30分前まで。

休館日
月曜日(ただし2月10日・24日は開館)、2月25日

問い合わせ
050・5541・8600(ハローダイヤル)
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/daikakuji2025/

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和樂web編集部


構成/剣持亜弥
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