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2026.02.27

片岡千之助の連載 Que sais-je「自分が何も知らない」ということを知る旅へ!#010 2526

“Que sais-je(クセジュ)?”とは、フランス語で「私は何を知っているのか」。自分に問いかけるニュアンスのフレーズです。人生とは、自分が何も知らないということを知る旅ではないでしょうか。僕はこのエッセイで、日々のインプットを文字に残し、皆さんと共有します。第9回の「旅」は…2526。2025年から2026年へ、そして25歳から26歳へ。

2526、10回目の連載

2025年もあっという間に終わり、そして2026年もまたあっという間に日々が過ぎ去っています。そして間もなく僕は、25歳から26歳になります。

この1年は、映画『爆弾』、舞台『ハムレット』、谷口裕和先生の舞踊の会、そして 時代劇『あきない世傳』シーズン2・3など、たくさんのお仕事をさせていただきました。それぞれが、とてもありがたいお仕事でした。

どれが一番という選び方はできませんが、大きなチャレンジとして思い浮かぶのは『ハムレット』です。あの舞台を終えてから自分の中で燃え始めた何かは、さらに熱を増し「とにかくお芝居をしたい」という気持ちが膨れ上がっています。今年も様々な分野のお仕事をさせていただき、多くのものを吸収できたらと意気込んでいます。

その願望? 欲望? が増えれば増えるほどに、自分の未熟さや時間の早さ、虚しさなどなど、ネガティブな要素も心に舞い込んできてしまう時もあります。日々を元気に過ごせていることにまず感謝しなければいけない。そう自分に言い聞かせつつも、心の闇を見つめるとその深さに溺れてしまいそうになります。

ある日の空(ご本人提供写真)

正直に素直に欲張ってしまえ

今年の課題といったものを考えてみました。しかし日々の感謝や目指すところは、今年の課題ではなく人生の課題となってしまいます。それでも強いて言語化するならば、「欲張る」が抱負でしょうか。

欲張って、目に見えるもの見えないもの全てをこの身体や心に吸収しまくりたいです。

人間は、よく“欲の塊”とも言われるくらいです。欲張るが抱負だなんて言っても、生きているだけで欲張ることは簡単にできる気もします。欲は果てしないもので人という生き物のニンゲンらしさに嫌気がさしたり、それがある意味では愛おしいものでもあったりもします。

思考は常に浮き沈みの連続で、ここまで内省的な話をしていますが、僕が哲学に寄った文を書くときは、書きたいことに対する焦点がブレている証拠でもあります(笑)。ブレブレな2026年最初の原稿ですが、この連載も今回であっという間に10回目となりました。皆様、楽しんでいただけていますでしょうか!

ここでは、自分の感じたことを文字に置き換える楽しさと難しさを常に感じながら勉強させていただいています。原稿を書く時は、いつも家でふと作文スイッチが入った時に、徐(おもむろ)に携帯を取り出し、タイトルだけ決めてそこにまつわる内容をつらつらと書き記す形で作成しています。編集部には驚かれるのですが、書き始めれば基本的に作成時間は2、30分ほど(笑)。もっと手を掛けなければと思いつつ、浮かんだことを素直にそのままお届けしたい気持ちが強いので、どストレートを投げさせてもらってます。

時には自分の弱みが露呈されている気もしますが、弱みは強みにもなりうる……と信じて踏ん張りたいなと。

そんな今年のこれからの僕の展開は、僕自身ミリも予想ができません。良くも悪くも。26歳となれば、20代も終わりの足音が少しずつ近く聞こえてくるようにもなります。人生の時間の少なさに焦りも覚えますが、だからこそ、この1年をできうる限りのことに、斜に構えすぎず真っ正面からぶつかり、自分に正直に素直に欲張ってしまえ、とここに宣誓をします。どこかの何かに虞(おそれ)を抱く自分も大切に、幸も不幸も酸いも甘いも心体に取り込んで仕舞えば、自分の人生の彩りやスパイスとなると信じて一歩ずつ歩めるように努めます。

また、はやく皆様に様々な形でお会いできますように。本年もよろしくお願い致します。

ある日の朝食(ご本人提供写真)
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片岡千之助

2000年生まれ。2004年歌舞伎座にて4歳で初代片岡千之助として初舞台を踏む。2011年、片岡仁左衛門と戦後初の祖父、孫での「連獅子」を実現させる。2012年(当時12歳)から自主公演「千之会」を主催するなど芸事への研鑽を積みながら、2017年にはペニンシュラ・パリにて歌舞伎舞踊を披露、2020年『カルティエ』腕時計パシャのアチバー(達成者)に選ばれる。また昨今では大学に復学しながら、主演映画を続けて勤め、現代劇舞台、ドラマと様々な分野で表現者として邁進している。
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片岡千之助の新連載『Que sais-je 「自分が何も知らない」ということを知る旅へ!』がはじまります

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