京都国立博物館で11月26日まで開催中の開館120周年記念 特別展覧会「国宝」。桜のはかない美しさを感じられる作品を把握できる機会です。
桜図壁貼付 長谷川久蔵 国宝 16世紀 紙本金地着色 4面 各172.5×139.5cm 智積院 京都 展示期間:展示中〜11月12日
まばゆい金地に今を盛りと咲き誇る桜。絢爛豪華な本作は、豊臣秀吉が、3歳で亡くなった嫡子の菩提寺・祥雲寺(現・智積院)のために、「松林図屛風」で名高い長谷川等伯の一門に命じた障壁画の1図で、息子の久蔵が描いた。彼は長谷川派を率いる後継者として将来を嘱望されていたが、じつはこの絵を描いた直後に急逝してしまう。秀吉と等伯、両者がそれぞれの息子のはかない人生と重ね合わせて見た桜なのかもしれない。