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2016.03.29

浮世絵師、国芳&国貞のクニクニ展、爆裂人気で猫ニャーニャー!【2016年】

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猫もドクロも妖怪も、みーーんな壮絶キモカワです!

 こんにちは! 編集長はクビになってしまったけれど、その代わり、和樂公式キャラクターにしてもらってウキウキのアンドリュー橋本です。

 今月からは和樂ホームページだけでなく、新たにスタートしたこのintojapanでも「内覧会狂想曲」をお送りすることになりました。よろしくお願いいたします!

 で、早速行ってきました! 東京渋谷のBunkamurザ・ミュージアムで開催中の「ボストン美術館所蔵  俺たちの国芳 わたしの国貞」展の内覧会!

 このところ日本美術界では、伊藤若冲とともに大人気の歌川国芳の展覧会ということで、かなーーーりの人気になることが予想されていましたが、予想通りというか、予想以上。記者内覧会がすでに大混雑! 内覧会狂想曲を執筆して2年、アンドリュー史上最大級に激混みの内覧会でした。

 展覧会の内容もこってり、じっくり、楽しさ満点! 「日本美術って、こんなに面白いものだったのか!?」と瞠目しました。

 日本美術というと、何か年配の方のものと誤解している方もいるかもしれませんが、この展覧会、明らかに若い人が熱狂できる内容になっています。「これは渋谷でやる意味がある!」と、アンドリュー合点承知の助左衛門!

浮世絵師、国芳&国貞のクニクニ展、爆裂人気で猫ニャーニャー!

国貞のハニーピンクに胸キュン!

 さて、美術展の見所ですが、なんといっても国芳! と思いきや、アンドリューはノーマークだった国貞にすっかり心奪われてしまいました。

 6枚組の『御誂(おあつらえ)三段ぼかし』は、間違いなく今回の展覧会でナンバーワン注目作品でしょう。その構成力はもちろん、アイドルの衣装顔負けのカワイイ!ハニーピンクに彩られた全体像は、浮世絵に対して抱いていたこれまでの概念を根底から覆されてしまいます。これを現代アートと言わず、なんと言おうか!?

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 このほか、『蛍狩当風俗(ほたるがりあずまふうぞく)』『秋野七草穠乃景(あきのななくさしげりのけい)』などの国貞作品も、作品の前から立ち去り難い衝動に駆られてしまいました。

 国貞の、この5枚セット、6枚セット、7枚セットの作品は、版画1枚でみることを基本に考えてきたものには衝撃的。セットで生み出される構成力! 世界観! セットで繰り広げられる爆発力! このダイナミズムは実際に展示室でみていただくしかわからないと思います。

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ユーモア全開! 国芳の大パノラマ活劇を堪能!

 版画を何面かセットにして作品化したということでは、最も有名なのが、もちろん奇想の絵師の一人としてその天才性をほしいままにした、”俺たちの国芳”です。

 国芳の場合は、3枚セットの版木を横に並べて大パノラマ画面を作り上げ、そこに大鯨などを躍動感あふれる構図で描いたり、時には縦に3枚並べて超縦長画面を作り五重塔を描いたり。その奇抜な発想は、まさに空前絶後、予想不能の異能に彩られたものでした。

 今回の展覧会でも、その代表作たる『相馬の古内裏に将門の姫君 瀧夜叉妖術を以て味方を集むる 大宅太郎光国 妖怪を試さんと爰に来り 竟に是を亡ぼす』(嗚呼、長いタイトル・・・)や『讃岐院眷属をして為朝をすくふ図(さぬきのいんけんぞくをしてためともをすくうず)』のような、パノラマ大画面の作品を鑑賞することができます。

 ちなみにアンドリューが今回の展覧会の中で最も気に入ったのは『桜三筋末廣の松(さくらのみすじすえひろのまつ)』。この、人を食ったようなユーモアのセンスは、一体どこから出てくるのか?  

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 もう一つ『詞花紅成盛(ことばのはなもみじのよざかり)』も、なんだか、ウルトラマンの特殊撮影の手法を使っているみたいで、ぶったまげます。

 国芳の”grey cell(灰色の脳細胞)”は一体どうなっているのか?  現代のアーティストに例えたら誰に匹敵するのか?  この人は江戸時代にいたから江戸の人を熱狂させるにとどまったけれど、現代にいたら間違いなく世界を熱狂させた大人気鬼才アーティストになっていたはずです。

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さすがボストン美術館! 最高水準の美しい摺り

 ところで、今回の展覧会でもうひとつ特筆すべきことは、作品の色彩の素晴らしさです。

 浮世絵というのは、肉筆作品(実際に絵筆で描かれた作品)と、版画作品があります。今回の作品は基本、版画の浮世絵。版画というのは摺り物(すりもの、つまり印刷みたいなもの)なので、同じ作品がいくつも存在します。が、現代の印刷技術とは違って、ひとつひとつ摺師が人間の手で摺っているわけせすから、個体差が大きいのです。同時に日本美術の宿命ですが、湿度や乾燥や紫外線やのダメージが大きく、保存状態によって劣化度に大きな差が発生します。

 今回の国芳、国貞の作品は、アメリカのボストン美術館所蔵のものです。ボストン美術館所蔵の木版浮世絵は「摺りがいい」ことで定評があります。先程ご紹介した、国貞のハニーピンクの『御誂三段ぼかし』にしても、ボストン美術館所蔵のものだから、あそこまで心浮き立つものになるのです。

 国芳、国貞の代表作が大挙展示される今回の「俺たちの国芳、わたしの国貞」展ですが、このボストン美術館所蔵の摺りは、必ずみないと一生後悔しますよ。この摺りのすごさだけは、写真ではどうしても伝えられないので、だまされたと思って(だまされたと思わなくても)、Bunkamuraザ・ミュージアムで確認してください。

ネコノミクス全開の注目猫グッズ

 最後に、今回の美術展はもうひとつ大きなお楽しみがあるのです。それは可愛いミュージアムグッズの数々。特に、猫をこよなく愛した国芳の展覧会だけに、猫関連グッズは史上最大級に商品ラインナップされています。可愛いものも、キモカワな化け猫も、みーんな魅力的。

 アンドリューオススメのミュージアムグッズは、「猫みくじ」(702円)と、ガチャガチャ(200円バージョンと400円バージョン)。去年、和歌山の丹生都比売神社で犬みくじを見つけてインスタにアップしたら大反響でしたが、猫みくじもサイコー! 「猫の可愛さ」プラス「おみくじの楽しさ」を一度に味わえるのですから、女子ゴコロ(アンドリューは女子ではないけれど)鷲づかみなのはあたりまえですね。色もピンク、グリーンとポップなものもあるし、黒、白、ぶちと計5バージョン。どれにするか迷っちゃいますが、そんな時はまとめて”5匹の猫”ファミリー購入を!

 ガチャガチャも楽しいですよ。自分の好きなフィギアが出るまで、必死になって何度も試す日本美術のジャーナリストたちを見かけましたが、微笑ましいものでした。

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 この「俺たちの国芳、わたしの国貞」展、既に「クニクニ展」と略されて話題のよう。古くは”戦メリ”(古い!)、もっと前なら”ケンメリ”(さらに古ッ!)、”エノケン”というのもありました(アンドリュー何歳?)。最近では”セカチュー””もしドラ”と略して呼ばれるようになるとブームは本物といわれていますから、この”クニクニ展”のブームは、もう本物ですね。

 和樂のインスタでアップした、展覧会会場で上映されているCG映像も大反響でした。

 日本美術展史上の記録的ヒットになりそうな予感の、”クニクニ展”=「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展、会期は6月5日まで。ZAO(絶対アンドリューおすすめ)です!