出合いが出合いを呼びたどり着いた〝美肌の素〟
昨年のデビュー以来、“発酵エイジングケア”として大人気のブランド、FAS。
その開発は、「大人の肌に寄り添い、美しくしたい」そんな熱い思いから始まりました。とはいえ、一生、肌を委ねられる本物のスキンケアをゼロからつくるというミッションは、壮大な挑戦です。日本古来の科学と技術の結晶である“発酵”を、最新科学と掛け合わせれば…という予想はあったものの、まったく手探りの状態でスタート。まずは、仲間づくりから、と各分野のプロに声をかけることに。35年以上のキャリアをもつ美容と発酵研究の第一人者・伊達 朗博士と、老舗麴店であり、大手化粧品原料メーカーとの研究実績もある発酵の匠・秋田今野商店と縁がつながり、本格的な発酵コスメの開発へと乗り出したのです。
1万種以上の中から約300種の酵母に目をつけて研究、同時進行で、全国の植物から発酵のベースの素材を探す…膨大な作業に途方に暮れそうになる中で、ついにたどり着いたのが京都府京丹後市の黒米。それも、古代米の研究者・芦田行雄氏が保存用に保持していた、明治時代に絶滅した古代種でした。
これに、秋田今野商店が厳選した酵母を加え、温度や環境をコントロールしながら2段階発酵させて生み出したのが、なんと1滴に738種もの発酵由来生成物を含む「黒米発酵液」。発酵の力により、ナイアシンアミドなどのビタミン類、ミネラル、カルシウム、アミノ酸、ペプチドなど多様な成分が小さな分子で含まれているため、バランスよく肌の全層に届きます。
開発開始からわずか3年で、これほどまで多くの発酵由来生成物を発見し、唯一無二の美容成分を生み出すことに成功したのです。その後、この「黒米発酵液」を主成分に、目標だったエイジングケアブランドを誕生させました。
“Fermentation(発酵)and Science(科学)”=「FAS」。伝統の素材に発酵技術と最新科学が出合い、生まれた奇跡。今では、京丹後市弥栄町・芋野地区の農地で、地元の農家の方々と協力して無農薬の黒米栽培にも取り組んでいるFASチーム。“運命の地・京都”とのつながりをより強めています。
静謐な空間で、和とものづくりの精神に包まれる
哲学の道の近くの静寂なエリアにあるFAS京都東山本店。築約100年の古民家をリノベーションした旗艦店は、古きよきものを残し新しいものと共存する形で、地域の景色に見事に溶け込んでいます。FAS京都本店で、店長の山岡則久さんにお話を伺います。
「よく、ふらっと入っていらっしゃったお客様に、『ここは何のお店?』と聞かれるところからお話が弾むんです」と店長の山岡さん。それもそのはず、FAS京都東山本店の店内は、こだわりの深いギャラリー&カフェさながらの風情で、商品であるコスメですら、アートのように美しく収まっている空間。
「FASの最初の店舗は、大切な『黒米発酵液』誕生の元となった京都、と最初から考えていました。文化的な雰囲気のある場所という希望で注目した東山エリアで物件を探したところ、偶然、築約100年の古民家を見つけました。日々忙しい大人たちに寄り添うブランドとして、心安まる店にしたかったので、人の温もりが残る建物で、風の抜け感が気持ちよかった、ここに決定しました」
壊して新しいものをつくるのは簡単だけれど、あえて元の家を残して再構築、なるべくあるものを生かしながらリデザイン。前の住人が背比べを刻んだ柱や、京都の深草土を使い昔ながらの“竹小舞”の手法で作られた壁、竈の跡も残っている。一方で、新しく加えるものには、京都に由来するものや手仕事のものへのこだわりが。1階のテーブルとベンチに、地層のような“版築”という手法を採用したり、自然素材でできたアートがそこここに置かれています。
「2階建ての古民家をリノベーションした小さな店ですが、歴史と伝統、受け継がれてきたものと最先端を掛け合わせて、新しい価値を創造するスタイルはプロダクトと相通じるところ。本物感、寄り添う優しさ、心地よさは、FASの精神を体現しています」
撮影/伊藤 信 デザイン/澤田 翔(H.D.O.) 構成/中尾のぞみ、鈴木智恵(本誌)
FAS京都東山本店
京都府京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町3
075ー741ー6655
11時〜18時
休:火・水、年末年始
ここでもFASに会えます!
FAS京都 髙島屋S.C.店
京都府京都市下京区四条寺町東入2御旅町35 京都髙島屋S.C.2F
10時〜20時
休:京都髙島屋S.C.に準じる
FAS伊勢丹新宿店
東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店 本館2F
10時〜20時
休:伊勢丹新宿店に準じる
FAS 阪急うめだ本店
大阪府大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店10F HANKYU BEAUTY/FAS
10時〜20時
休:阪急うめだ本店に準じる
問い合わせ
0120・150・508
https://fas-jp.com/
※本記事は『和樂』2024年10,11月号の転載です