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「特別展 運慶」 東京国立博物館
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東京国立博物館で開催中の「特別展 運慶」。現存する運慶仏の約8割が集結。運慶、息子たちの生涯と共に作品を観覧できるとあり、連日大盛況となっています。混雑していても楽しみたい!という方、必見。空間を楽しむ方法をご紹介します。
デビュー作、約4度のこだわり
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運慶のデビュー作と言われる円成寺 大日如来坐像(国宝)。当時、他の仏像が約3〜4ヶ月で制作されていたのに対し、この大日如来像は、約1年の歳月をかけたと言われています。8ヶ月のこだわりとは、約4度の傾斜(!?)。この絶妙の傾きは、大日如来の姿勢を大きく変化させ、像は反り身となり、奥行が広がったそう。
会場に入ると暗闇に鎮座する「大日如来坐像」がお出迎え。360度ぐるっと見渡せるので、傾斜をじっくりと鑑賞することも可能。ちなみに像を制作した時、運慶は二十歳前後というから2度驚き!
見上げよ。像だけでなく、その先に見える世界を!
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各作品の静謐さ、ダイナミックさを味わうだけでなく、今回は展示手法により、運慶が考えたであろう、観るものと仏像の距離を体感することができます。
興福寺 多聞天像(国宝)。2mを超える姿はまさに圧巻。守ってくださいと多聞天様!と叫びたくなる厚い胸元。強い視線の先に運慶が描いた仏の世界が広がるよう
像を彫るだけでなく、多くの人の目に映る姿さえも計算していた運慶。空間アーティストの第一人者と言っても過言ではない、まさに天才です!運慶仏と空間を共にする感覚は、過去と歴史を飛び越え、まるで現代の私たちのために、運慶が用意した魔法のようにさえ思えます。まさに「特別展 運慶」は、「A must before you die!」な展覧会なのです。