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2017.12.01

和樂編集長が岡田准一さんのラジオ番組に出演!放送後インタビュー【2017年】

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11月19日(日)、V6の岡田准一さんがナビゲーターを務めるラジオ番組、J-WAVE「Growing Reed」に、高木編集長が出演しました。

過去には、美術展でのトークショーやTV出演など、様々な場所で活動をしている編集長。「Growing Reed」は、1つのテーマの専門家に岡田さんが質問をしていく番組ですが、今回はどんなトークを繰り広げたのか。

みなさまに和樂のことをもっともっと知ってもらうため、編集長の考えを探るべく、ラジオ放送後にインタビューしました!

ラジオレギュラー出演をしていた過去が!

DSCN0059和樂編集長・高木史郎

−−過去のゲストには、庭園デザイナーや鳥類学者など、様々な専門家がいました。今回、高木編集長が出演することになったきっかけは、何だったのでしょう?

もともと、J-WAVE番組担当の方が、和樂に興味をもってくださっていて、出演依頼をいただきました。岡田さん自身も、軍師官兵衛など、時代劇の役をすることが多いので、日本美術や日本の伝統文化に興味があるということで、お声がかかったのだと思います。

−−ラジオの出演は、はじめてですか?

実は、ラジオには結構出ていて、何年か前までは月に1回レギュラーで和樂の最新号を紹介するというコーナーに出演していました。ですが、FM世田谷というラジオ局でしたので、多くの人が聞ける番組ではありませんでした。J-WAVEには、2、3回出たことがあって、日曜の昼に、日本美術の展覧会の紹介をするという内容でした。

−−出演自体はいつぶりなのでしょうか?

半年くらいだと思います。

−−久々の出演を終えていかがでしたか?

収録前には、2017年国宝イヤーがやってきたとか、展覧会の紹介や感想をお願いしますと言われていたのですが、実際に行ってみたら、和樂のことを岡田さんがたくさん聞いてくださりました。とてもありがたかったです。ただ、肝心の最新号歌舞伎特集の話の時に、色んな苦労とか思いが頭をよぎって、ちょっとポーとしてしまって、言葉が出なかったのが痛恨の極みでした。

岡田さんの印象は「知的で柔軟な方」

IMG_7212 (1)2017年10・11月号より

−−茶の湯展に行かれたりとか、刀がお好きだったりとか、日本の文化や日本美術に興味を持たれている感じがしましたが、岡田さんの印象はいかがでしたでしょうか?

とても素敵な方でした。編集の仕事をしていますが、アイドルの方にお会いするのは初めてでしたので、どんな方なのかなと思っていましたが、たいへん知的で柔軟な方でした。

−−そんな岡田さんは鎌倉時代を押している印象を受けましたが、高木さんは縄文にはまっているとか。

そうですね。縄文土器とか土偶が、日本美術と言われるようになったのは、本当に最近のことなので、特に注目しています。それまでは、どちらかというと科学や考古学といった分野よりでした。縄文は表現がとても強くて、日本美術の奥深さであったり懐の大きさだったりが感じられてすごく魅かれています。

DSCN00692017年4・5月号より

−−私も、縄文土器が日本美術だという認識は、あまりありませんでした。

まだないですよ。どちらかというと考古学というジャンルに分類されています。でも、どうです?すごくいいと思いませんか?

−−はい。ラジオの中でも、縄文時代の土偶はなんでお尻がプリプリしているんですか?という質問があり、縄文時代は子供を産む作業が1番尊い作業だったと、だから母親を象徴してプリプリしているんですよ。というお話がありました。そんな見方もあるのか、面白い!と感じたのですが、縄文を日本美術と認識していない縄文初心者の方が、面白さを知るためには、どこで何を見るのが良いでしょうか?

縄文土器を見られる場所は、意外と多くあります。例えば、東京国立博物館。常設展では、火炎型土器や有名な土偶がいくつも出ている縄文のコーナーがあります。もう一つオススメなのが、國學院大学の博物館。すごく縄文の展示が充実していて、しかも無料なんですよ。まずはその2つに行くのがいいかなと思います。

それか、多摩にある東京都埋蔵文化財センター。そこでは縄文土器に触ることができるんです。しかも写真も撮り放題。また、竪穴式住居が結構なレベルで復元されているので、ちょっと遠いのですが、触ってみたい人にはオススメ(笑)です。

漆は縄文時代から使われていた

DSCN00622013年8・9月号より

−−刀が好きな岡田さんは、その文化を途絶えさせないために現代刀を応援しないと、とおっしゃっていましたが、高木編集長が今1番応援している日本の技はなんでしょうか?

うーん、1番と言われると難しいですね。やはり蒔絵とか螺鈿とか、漆関係だと思います。とても繊細で、ものすごい技なのですが、もしかしたら将来的にはなくなってしまうような気がして。日本の技には、それを支えている技がたくさんありますが、その職人が少なくなってきてしまっています。漆であれば、漆を掻く道具を作る職人も一人しかいないし、蒔絵であれば、蒔絵筆を作る職人もほとんどいない。だんだん道具からなくなっているのです。特に漆関係は、かなり危ないと思います。漆をすく和紙の方も、もう一人しかいないので。縄文の話に戻ってしまいますが、漆って縄文時代から使われていたんです。1万年も続いている技が、今なくなっちゃっていいの?と思うと、なくしてはいけないんじゃないかと思います。だから、応援したい技と言われると、漆関係かなと思います。

−−なくさない為に、私たちに出来ることはあるのでしょうか?

1番の危機は使わなくなっていることだと思います。なのでまずは使ってみるということ。自宅で漆の器を使用していますが、使ってみるといいんですよね。アクリルの樹脂の器で食べるのか、本物の漆の器で食べるのか、もしかしたら気持ちの問題かもしれません。でも、そういう気持ちの問題が重要なんじゃないかなと思います。

編集長お気に入りの国宝、衝撃の事実!実は重要文化財だった…

IMG_7220東京国立博物館「特別展 茶の湯」公式図録より

−−茶の湯展や運慶展、国宝展など2017年は国宝を見られる機会がたくさんありました。国宝イヤーの締めに、これは見たかった!という国宝はありますか?

実は国宝ではないのですが、どうしても見たいのは、東山御物の1つ、「茉莉花図※重要文化財」です。3年前に三井記念美術館で開催された、「東山御物の美」という展覧会で初めてみたのですが、ものすごくて。それまで私は、東山御物と呼ばれるものにあまり興味がなかったのですが、その作品をみた時、日本の美はここから始まっているんだという感じがして、強烈に魅きつけられました。そんな「茉莉花図」はもう一度見たいなと思います。すみません。国宝の中でと言われたのに。

とにかく中身を見て欲しい

IMG_7218

−−最後に、今年は、美術展でのトークショーやテレビ出演など、様々な場所で活躍をされていた高木編集長ですが、今後はどのような形でメディアや外部と取り組みをしていきたいと考えていますか?

和樂は、スタッフの方々が一生懸命つくってくれている雑誌です。その和樂を手にとっていただけるのであれば、どんな取り組みでもしていきたい。とにかく中身を見てほしくて、中を見ていただけるためならどんなメディアでも、なんでもやろうかなと思っています。

今後の活動もご注目ください!

「和樂を手にとっていただけるのであれば、なんでもやっていきたい!」と、公言する高木編集長。活動の内容は、今後も和樂INTOJAPANでどんどん配信していきます。ぜひチェックしてみてください!