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2019.08.23

群馬のゆるキャラぐんまちゃんがモノクロに! 群馬県×和樂で誕生した新グッズが超絶かわいい♡

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ニッポンの地方を楽しくする「和樂」プロデュース。「和樂」はこれまで、さまざまなコラボ商品を手がけてきましたが、今回、タッグを組んだのは群馬県! こちらの名産品であるシルクと工芸の手わざを結集した「木目込みぐんまちゃんB&W」が小学館PALSHOPにて発売中です!こちらの商品の誕生秘話をご紹介したいと思います!

ぐんまちゃんがモノクロに!? 群馬県×和樂で誕生した新グッズが超絶かわいい♡木目込みぐんまちゃんB&W(ブラックアンドホワイト)の赤バージョン。かわいいでしょー。ほかに「金」「黒×銀」「チェック」があります(各限定10)。1体18,500円+税。

群馬県と一緒に「ぐんまちゃん」の木目込み人形をつくりました!

群馬には、上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)や、尾瀬・利根川などの豊かな自然、草津や伊香保、水上といったたくさんの温泉があります。そして、なんと言っても群馬県は、現在も日本の生糸生産量の6割を占める養蚕県。輸出用絹を生産していた富岡製糸場は、日本の近代産業のはじまりを象徴する遺構で、世界遺産にも登録されています。

このプロジェクトは、群馬を代表する名産シルクで、『和樂』ならどんなものづくりができるかを提案するところからはじまりました。高木史郎編集長をはじめ、広告部のHさん、デスクH氏、いろんな小学館の「中の人」たちが激論を戦わせた結果……(トゥルルルルルルルルル→ドラムロールの音)。

「全国に幅広いファンをもつ、『ぐんまちゃん』の木目込み人形をつくるしかないでしょ!!!」

ぐんまちゃんは、ゆるキャラ®グランプリ2014で日本一に輝いた経歴をもつ群馬県公式の愛されマスコット。認知度は抜群で、関連商品は600種類以上もあります。群馬県のイベントを盛り上げるために、県内のみならず全国各地へ出張するなど八面六臂の活躍中。そんなぐんまちゃんを応援する、熱狂的な追っかけまでいるとのことなんです。

ぐんまちゃんがモノクロに!? 群馬県×和樂で誕生した新グッズが超絶かわいい♡左/ぐんまちゃんは、平成6(1994)年に群馬県のマスコットとして誕生しました。現在は群馬県の宣伝部長を拝命! 右/どんなポーズがいいか、原型のサンプルを見ながら、いろいろ相談しました。

モノクロぐんまちゃんが誕生するまで

ぐんまちゃんの木目込み人形をつくるにあたって、まず問題となったのが配色です。ぐんまちゃんの薄オレンジの顔の色やタテガミの茶色、緑の服の色って、結構厳しく色が決められているんです。ぐんまちゃんのブランドイメージを統一するための規約でもありますが、それゆえのハードルの高さは半端ないものでした。

広告H「カラーの印刷物にぐんまちゃんを載せる場合、それぞれの色を再現するために色の掛け合わせの指定があるそうです。想像以上ですね……」

デスクH「特に今回は独特な縦シボをもつ『桐生御召』という生地を使用することになりました。“この色”と思って染めてもらった御召でも、それを人形に着せ込むときの加減や、生地を調達するたびに、色が変わるように感じるかもしれません」

高木編集長「……うむ…これは『モノクロ』だな。ブラック&ホワイトなら、御召というシルク生地がもつ光沢や質感がダイレクトに伝わるし、そんなぐんまちゃん人形は他にないじゃないか!」

おおー。カラーのぐんまちゃんではなく、モダンな現代空間に置いても、スッと馴染むモノクロ展開。その手がありました。それにシンプルな色だからこそ、訴求力も強くなる! 私たちは、群馬県産のシルクの素晴らしさをアピールしたい、という野望がありました。だって、これはもう日本の宝というべき生地だからなんです。

群馬のシルクのなかでも桐生の御召は、江戸時代に徳川将軍に献上されたという由緒をもつ名産品で、「西の西陣、東の桐生」と並び称されるほどでした。将軍がお召しになった生地だから「御召」と呼ばれるようになったとか。そんな御召生地を製作したのは、この地の老舗メーカー「森秀織物」です。

ぐんまちゃんがモノクロに!? 群馬県×和樂で誕生した新グッズが超絶かわいい♡左/シルクの光沢が素晴らしいでしょー! 右/タテ糸は約3800本もあり、それに強いヨリをかけた強撚糸のヨコ糸を使って織り上げていくのです。そしてヨコ糸の糊を落とすと、独特なシボが出現。幅は40cmから10cmほどにも縮むそう。このテクスチャーが御召の特徴です。

ぐんまオリジナル絹「ぐんま200」を使用

皆さま、ご存知でしょうか? 絹糸はお蚕さんが吐き出す貴重な長繊維です。お蚕さんが吐き出す1本の糸の長さは、なんと1,000〜2,500メートルもあり、9,000メートルで1グラムの重さがある絹糸を1デニールと言います。絹糸1本はおよそ3.5デニールという細さで、それを6本束ねたものが21デニール。今回はその21デニールという細さの「ぐんま200」という群馬オリジナル蚕品種で織り上げられた御召を使用しています。

森秀織物の社長・長谷川博紀さんは「“ぐんま200”はきめ細やかで光沢も上品。日本の風土が生んだこの絹糸は“日本文化そのもの”なんです」と語ります。

ぐんまちゃんがモノクロに!? 群馬県×和樂で誕生した新グッズが超絶かわいい♡明治10年(1877)年創業、森秀織物社長の長谷川博紀さんが、織っているところを見せてくださいました。使用するのは、戦前につくられた半高機飛杼装置付織機です。まだまだ現役

日本の手仕事によって仕立てられるぐんまちゃん

そして、この生地を使って人形に仕立てたのが、県内の人形師、「大公人形」の大谷公夫さんです。大谷さんは、立ち雛や雛人形の頭(かしら)などを手がけている経験豊富な方で、群馬県ふるさと伝統工芸品「榛名の木目込」の職人。今回は奥様の美津江さん、お嬢さんの光さん・梢さんなど家族総出で製作に取り組んでくださいました。

型から取り出した桐塑人形(桐塑の材料は主に木粉と正麩のり)は、自然素材であるがゆえに、表面がひび割れたり、ゴツゴツしたりすることがあります。そのため前準備をはじめ、御召の生地目をまっすぐにして人形に着せ込む作業も、大変な集中力が求められるものでした。

ぐんまちゃんがモノクロに!? 群馬県×和樂で誕生した新グッズが超絶かわいい♡大公人形の大谷公夫さんが、一体ずつぐんまちゃんの桐塑の表面を整えます。シルクをのせたときに、ボディがきれいな状態でないと布に響くそう。目に見えない部分もていねいに処理するのです

通常、生地は型紙をとって裁断してから着せることもありますが、今回は収縮性のあるデリケートな御召なので、型紙をとらずに自由裁量で着せ込む方法をとりました。それはプロが悩むほど、この生地の扱いが難しいということでもあるんです! 大谷さんは「ぐんまちゃん人形を通じて、群馬のシルクのよさを皆さんに知ってもらう……やりがいのある仕事でした」と語ります。

ぐんまちゃんがモノクロに!? 群馬県×和樂で誕生した新グッズが超絶かわいい♡木目込み作業の担当は、奥様・美津江さん。「シボがきちんと立っているほうが表。表裏を間違えないように慎重に作業しました」と語ります。また、シボの筋目が曲がらないように着せるのもむずかしかったとか

ついに「木目込みぐんまちゃんB&W」が完成!

プロジェクトが始動したのは昨年の8月。紆余曲折を経てやっと「木目込みぐんまちゃんB&W」が完成しました。モノクロ配色にアクセントを添えるのは、4パターンのボウタイ&座布団です。

ポニーのキャラクターであるぐんまちゃんのV字ポーズは、「仕事も暮らしもウマくいく!」「これでいつでもヴィクトリー!」との思いを込めています。日本の手わざを極めた「木目込みぐんまちゃんB&W」で、ちょっとした幸せを皆さまにお裾分けしたい。どうぞ、「和樂」4・5月号の誌面もご覧ください。

木目込み ぐんまちゃんB&W
価格:19,980円(税込・送料無料)
色柄:チェック/赤/金/黒×銀
メーカー:森秀織物/大公人形
[限定数各10]
約幅10×奥行き8. 5×高さ15cm(本体)。約175g(総重量)。人形本体は桐塑(桐の鋸粉、正麩のり)、絹、ポリスチレン。ボウタイ、座布団はポリエステル65%、レーヨン35%(チェック)、ポリエステル50%、ナイロン50%(チェック以外)。日本製。
※サイズには若干の個体差が生じます。
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文/植田伊津子 写真/小池紀行(パイルドライバー静物)、篠原宏明(取材)