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10,11月号2024.08.30発売

大人だけが知っている!「静寂の京都」

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2017.02.14

手ごろでかわいい!「ザ・京都!」と呼ぶにふさわしい骨董屋さん

この記事を書いた人

尾杉商店

とっておきの一枚も!手ごろな染付も!!

カフェやブティックなど今風の店が急増した三条通界隈で、昔ながらの道具屋さんらしい風情を守り続けている「尾杉商店」。ちょっと入りにくい感じもあるが、思いきってお邪魔してみると、そこは器を中心にした骨董のワンダーランド!150907 0201
扉を開けてすぐの三和土(たたき)には染付や漆器、ガラス器が時代ごとにまとめられていて、奥の畳の間には時代の古いものや書画、家具などが。決して広くない店内にぎっしり並べられた骨董は種類も数も圧倒的なのだが、見やすく、手に取りやすく展示されていて、どれもほこりひとつないほど磨き上げられているのにも感心させられる。150906 0170
それぞれに表示された値段を見ていると求めやすいものもたくさんあって目移りしてしまうが、そんなときに当代店主の尾杉昌彦さんやご高齢の先代ご夫婦がタイミングよく、懇切丁寧(こんせつていねい)な説明をしてくれるのがありがたいところ。セールストークとはほど遠い、骨董に対する愛情たっぷりの話は初心者にもわかりやすく、選び方のご教示も。新しいものより古いもののほうが値打ちのある骨董の中でも、漆器だけは古いもののほうが安価で掘り出し物が多いという話は特に参考になった。スクリーンショット 2017-02-10 14.55.30
骨董好きの間で根強い人気を誇っている江戸時代の蕎麦猪口は、時代や染付の様子によって値段が異なる。¥6,000台から¥50,000を超えるものまで多種多様にあって、店主の尾杉さんは名よりも実、自分が気に入って使いたいと思うものが一番だと教えてくれた。150906 0096
傷ついた器に当代の奥さんが金継ぎなどをして、格安で提供しているコーナーがあるのも見逃せないところ。まさに掘り出し物と出合えるこのコーナーは、私が「尾杉商店」にうかがう楽しみのひとつでもある。

尾杉商店(おすぎしょうてん)

住所/京都市中京区御幸町通三条下ル 地図
営業時間/10時~19時30分 定休日/無休

地下鉄「京都市役所前」駅より徒歩約7分

-撮影/篠原宏明-