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2021.09.01

職人の技術がギュッと詰まった贅沢な「KORIN飯椀」。その製作過程がすごいぞ!

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ご飯が美味しくなる究極の飯椀誕生! 雑誌『和樂』2020-2021年12・1月号の「和樂の逸品」で、瞬く間に完売した「KORIN応量器(おうりょうき)」。アンコールの声にお応えして、今度は使いやすい飯椀をつくりました。今回も、手がけたのは輪島の漆芸集団「彦十蒔絵(ひこじゅうまきえ)」。上質な欅(けやき)の木地に、黒と本朱の漆があしらわれ、さらに尾形光琳を彷彿させる、流水文様が漆で描かれています。その名も「KORIN飯椀」。2021年9月1日より販売スタートです。今回はその全貌と製作過程をご紹介。360度に描かれた流水紋は、向きによって表情がさまざまに変わるから、毎日の食事がより楽しいものとなりそうです。

漆芸集団「彦十蒔絵」とは?なぜ尾形光琳の流水文様なの?はこちらの記事で!
尾形光琳の流水紋がぐるっと360度!漆×琳派×彦十蒔絵で誕生した「KORIN飯椀」で食せよお米

まずは商品をぐるっと紹介

KORIN飯椀は2色展開。白漆の文様が入った黒のお椀と、黒漆の文様が入った本朱のお椀です。360度描かれた流水紋は、黒、本朱どちらも同じ。向きによって雰囲気が変わるのがわかります。

黒の椀の内側は、「うるみ」という、本朱とは違う墨がかった赤を使い、黒漆と調和させました。

左/外側、右/内側

本朱

本朱は黒漆に松煙を蒔き、マットに仕上げました。KORIN飯椀にあしらわれた流水紋は、躍動感にあふれ、水の勢いや、地球の生命力すら感じさせます。

左/外側、右/内側

商品スペック

商品名:彦十蒔絵×和樂「KORIN飯椀」
価格:各¥51,000(税込)

いずれも約口径12.8×高さ6.5cm、90g。黒/欅、天然漆、白漆。本朱/欅、天然漆、松煙。容量約200ml。中性洗剤で洗浄可。電子レンジ、オーブン、食洗機使用不可。日本製
※天然漆仕上げのため、使用していくうちに“使い艶”が上がります。
※準備数を超えて追加生産を決定した場合、お届けまで1か月ほどかかることがあります。
※職人による手づくり品のため、色柄の出方やサイズ、重量に若干の個体差が生じます。

職人さんの丁寧な手仕事を感じる製作過程

KORIN飯椀の製作過程をご紹介します。今回ご紹介できるのはほんの一部。一部をのぞいただけでも、圧倒的な技術力と職人さんたちの丁寧な手仕事でひとつひとつ製作されていることがよくわかります。こんな器でご飯が食べられるなんて、贅沢すぎる……!

1.木地を固める

木地は欅。木地の動きを固めるため刻苧漆(こくそうるし)を塗り、木目をけば立たせます。生漆を塗った後は、木地の木目がけばたつのでザラザラに。

左/生漆を塗る。右/生漆を塗ったあとの状態。

2.木地を磨く

刻苧漆によってザラザラになった木地の外側と内側を、ろくろ目を生かしながら研ぎをかけ、なめらかにしていきます。

左/手作業で丁寧に研いでいく。右/磨いたあとの状態(内側)。

3.布を着せる

木地の縁や高台(こうだい)に布を着せ、布を着せた部分とお椀の段差を滑らかに磨いていきます。

左/お椀の縁に布を着せる。右/段差を滑らかにしていく。

4.肉付けと形を整える

布を着せたお椀の縁と高台は、肉付けをして形を整えていきます。輪島の地の粉(じのこ)入りの漆を塗って研ぐを繰り返すことで、使用した際に欠けやすい部分の補強にもつながります。

左/地の粉入りの漆で高台の布目を無くす。右/研ぎをして表面を平らに。

5.下地付けをする

椀のろくろ目が消えないように、錆漆(さびうるし。砥粉と漆をまぜたもの)で下地付けをしていきます。その後、水研ぎで形を整えます。

左/刷毛を使って砥粉を塗っていく。右/水研ぎの様子。

6.中塗りをする

中塗り工程用の漆をつくります。KORIN飯椀の中塗りの漆は、輪島産の天日黒目漆に松煙(しょうえん)を混ぜたものを使用しました。中塗りの漆を塗る、研ぐ、を3回繰り返します。

左/中塗り用の漆を刷毛で塗る。右/塗り終えた部分を研ぐ。

7.上塗りをする

中塗りが終了したら、上塗りへをしていきます。刷毛やヘラを使いたっぷりと漆を塗っていきます。上塗り後は「湿め風呂」と呼ばれる場所に保管し、漆が固まるのを待ちます。

左/厚く上塗りを塗っていく(写真は本朱)。右/湿め風呂で保管。

8.絵付けをする

下絵の和紙を椀に付け、立体的に見るとどうなるかを確かめながらデザインしていきます。

椀に和紙を巻いた様子。