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読み物
2022.12.05

樹齢約800年の桜に想いを!日本五大桜の一つ「石戸蒲ザクラ」をモチーフにした七宝作品が完成!

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日本五大桜の一つで、大正11(1922)年10月12日に国の天然記念物として指定された「石戸蒲ザクラ(以下、蒲ザクラ)」。埼玉県北本市にある東光寺という小さなお寺の境内にそびえ立ち、鎌倉時代から約800年間この地を見守ってきました。今回、蒲ザクラの国指定100周年を記念し、北本市のふるさと納税返礼品を和樂webがプロデュース! 北本でアトリエを構える七宝作家、近藤健一さんと蒲ザクラをモチーフにした作品をつくりました。生命力感じる作品をお楽しみください!

※商品は、北本市のふるさと納税返礼品としてふるさとチョイスにて掲載中です

▼近藤さんインタビュー記事はこちら
艶やかな七宝ジュエリーにドキドキ!作家・近藤健一さんが北本にアトリエを構える理由【埼玉】

近藤健一さん。手に持っているのは今回製作した特大サラダボウル

世界に1本の名木「石戸蒲ザクラ」

蒲ザクラはエドヒガンとヤマザクラの自然雑種で、樹齢は800年以上。植物学的にとても珍しい品種で、太い根元から四方に幹を伸ばした独特の枝ぶりと、小ぶりの白い花が特徴です。指定当時は支幹が4本あり、高さは12メートル、根回りは約10.8m、枝の広がりは平均13m。春になり花がひらくと、隣の市からは「白い小山のように見えた」というほどの巨桜だったそう。現在は4本のうち残った1本の支幹と、昭和50年代以降に生えたひこばえの1本、合わせて2本が支幹となって命をつないでいます。

満開の蒲ザクラ。根元には源範頼の墓と伝わる石塔。令和4(2022)年4月2日撮影(和樂web)

根元には板碑がいくつも建てられた。範頼の供養塔ともいわれている。※板碑は現在、桜を保護するために境内の収蔵庫で保管されています。「正面の高き板碑には貞永2(1233)の年号あり、中央の石塔は範頼石塔なり」『史蹟名勝天然紀念物調査報告. 第34号』(国立国会図書館デジタルコレクションより)

蒲ザクラの「蒲」は、蒲冠者(かばのかじゃ)や蒲殿(かばどの)などと呼ばれた源頼朝の弟、源範頼(みなもとののりより)にちなんでいます。謀反の疑いをかけられ伊豆の修善寺に幽閉されていた範頼は、この地まで逃げ延び、ついていた杖を土にさしたところ、それが根付いて桜の巨木になったという伝説があります。

また、江戸時代になると『南総里見八犬伝』の著者である滝沢馬琴(たきざわばきん)の随筆『玄同放言(げんどうほうげん)』をはじめ、数々の随筆や地誌に取り上げられました。蒲ザクラの評判は江戸市中にまで広がり、遠くから観に訪れる人も多くいたといいます。

挿絵を担当したのは渡辺崋山(わたなべかざん)。『玄同放言』瀧澤觧瑣吉甫 著/渡辺崋山 画/国文研等所蔵提供:ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター(http://codh.rois.ac.jp/)画像は該当部分のみ抜粋

「蒲ザクラは北本市のシンボルでもありますが、800年以上同じ場所で生き続けていること自体とてもすごいなと思います。現在の蒲ザクラは、国指定時の全盛期よりも不安定な状態というのを耳にしました。彼もしくは彼女(蒲ザクラ)自身も、力強く生えていた時と比べて、今はとても大変かもしれません。こっちに枝を伸ばしたいのかな、もっと力強く生えたいのかななどと、蒲ザクラの気持ちをイメージしながら製作しました」(近藤さん)

令和元(2019)年には台風19号の影響で一部枝が折れてしまうなど、さまざまな影響を受けながらも根を張り続けている蒲ザクラ。強い生命力と同時に、どこか物寂しさも感じられます。今回、そんな蒲ザクラにパワーを注ぐかのような、生命力溢れる作品が完成しました。

根元からは新しいひこばえが伸びてきているようすが確認できる。令和4(2022)年4月6日撮影(和樂web)

力強く根を張る、蒲ザクラをイメージした七宝のうつわ

七宝は金・銀・銅などの金属に、ガラス質の釉薬を焼き付けて装飾していく技法です。透明感のある色彩が特徴ですが、今回は何百年と歳を重ね姿を変えてきた蒲ザクラの変容に着目し、素材の変色を生かした作品に仕上げました。

食器類はぐい呑み、片口セット、サラダボウルの3種類。根元や周辺の地面など広範囲に苔が覆われているようすを、白と水色の釉薬を使って表現。黒い枝の模様はガラス質の釉薬をふりかけた後、道具でかいて焼き入れます。釉薬がかかっていないため、焼成すると素地の銅がそのまま黒く染まり、立体的な模様が表れます。一見何色も釉薬を使っているかのように見えますが、釉薬をあえて薄くかけることで、釉薬同士あるいは釉薬と銅が混ざり合い、さまざまな色に変色しています。

1.サラダボウル「刹那」【一点限り】

直径30㎝の巨大ボウル! 過去最大の作品ができたと話す近藤さん。今回の依頼を受け、蒲ザクラのイメージも相まって、何か大きな作品を作ろうと思い立ったそう。ボウルは大きい窯の中に逆さまにセットされ焼かれるため、縁には釉薬が溶けて流れた痕や溜まった痕が模様となって残っています。料理を盛る以外に、花を生けたり、床の間に飾ったりなどアレンジすることもできます。

■サラダボウル「刹那」:直径(最大部分) 300mm(30cm)、高さ 185mm、重量 330g
素材:七宝釉薬、銅
※落としたり強い衝撃を与えると、変形したり七宝釉薬がかけてしまうことがあります。
※お手入れの際は、水か少量の洗剤で優しく洗ってください。
※直火、電子レンジ、オーブン、食洗機、全て不可。

2.片口セット「静宴」【一点限り】

外側に白と水色の釉薬を薄く焼き付けたあと、さらに金箔を焼き付けた片口セット。金箔は一部変色を起こし、侘びを感じるような風情があります。注器1点とぐい呑み2点(丸型と三角型)のセット。

■片口セット「静宴」
セット内容:注器(金箔)×1 ぐい呑み(金箔・丸型)×1 ぐい呑み(金箔・三角型)×1
片口:縦 150mm、横 115mm、高さ 68mm、重量 164g
ぐい呑み(丸型):直径(最大部分) 58mm、高さ 35mm、重量 38g
ぐい呑み(三角型 ):直径(最大部分) 63mm、高さ 35mm、重量 33g
素材:七宝釉薬、銅、金箔
※落としたり強い衝撃を与えると、変形したり七宝釉薬がかけてしまうことがあります。
※お手入れの際は、水か少量の洗剤で優しく洗ってください。
※直火、電子レンジ、オーブン、食洗機、全て不可。

3.ぐい呑み 丸型「円」/三角型「凛」

内側は白一色、外側は白と水色の釉薬のみを使用。熱で溶けた銅と溶けた釉薬が絡み合い、緑や黄色などにも変色しています。釉薬のかかった部分と、銅がダイレクトに出ている部分の立体的な手触りが楽しめます。型は、丸型と三角型の2種類。

■ぐい呑み(単品)
丸型「円」:直径(最大部分) 58mm、高さ 35mm、重量 38g
三角型「凛」:直径(最大部分) 63mm、高さ 35mm、重量 33g
素材:七宝釉薬、銅
※受注生産。手づくりのため個体差あり。
※落としたり強い衝撃を与えると、変形したり七宝釉薬がかけてしまうことがあります。
※お手入れの際は、水か少量の洗剤で優しく洗ってください。
※直火、電子レンジ、オーブン、食洗機、全て不可。

可憐に咲く、石戸蒲ザクラをイメージしたアクセサリーも!

花は白っぽく小ぶりで、可憐。可愛らしい蒲ザクラの一面に着目し、春のお出かけに身につけたくなるアクセサリーをつくりました。

4.帯留「舞」

繊細なアクセサリーは食器類よりも窯の温度は低く調整し、釉薬を少しずつ施し焼き付けていく工程を繰り返していきます。帯留めに使用した釉薬は透明1色、ピンク2色、白2色。最後に濃い白を重ね花びらを表現しました。

■帯留「舞」:縦  17mm、横  23mm、重量 4g
素材:七宝釉薬、銀(純銀、シルバー950)
※受注生産。手づくりのため個体差あり。
※落としたり強い衝撃を与えると、変形したり七宝釉薬がかけてしまうことがあります。

5.ネックレス「憐」

晴れた日の空に向かって花が咲くようすをぎゅっと閉じ込めたネックレス。透明1色、ピンク2色、白2色、青2色の合計7色を、直径8mmの素地に少しずつ焼き付けました。

■ネックレス「憐」:七宝部分直径  8mm、チェーンの長さ  400mm(40cm)、重量 1g
素材:七宝釉薬、銀(純銀、シルバー925)
※受注生産。手づくりのため個体差あり。
※落としたり強い衝撃を与えると、変形したり七宝釉薬がかけてしまうことがあります。

近藤健一 Profile

1981年 名古屋生まれ
小学生の時にさいたま市(旧浦和)に引っ越す
武蔵野美術大学金工卒業
卒業後七宝に(正式に)出会い、のめりこむ
現在、埼玉県北本市のアトリエにて制作を行う

Kenichi Kondo 公式サイト:https://kenichikondo.katalok.ooo/ja
Instagram:https://www.instagram.com/ken1kondo/

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商品撮影:江澤勇介

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