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2026.02.23

加賀百万石の庭、三大武将庭園、金鯱が見守る庭【47都道府県、必見の庭園案内/中部編】

日本各地には名庭と呼ばれる庭は数知れず。47の都道府県それぞれひとつの名庭を、編集部が独断で選出! 中部(山梨、長野、新潟、富山、石川、福井、静岡、愛知、岐阜、三重)10県には、歴史と自然に彩られた名庭が揃っています!

【山梨県】

夢窓疎石開山による古刹庭園「恵林寺」

読み:えりんじ
※庭の画像は公式サイトをご覧ください。

武田信玄の菩提寺(ぼだいじ)としても知られる、夢窓疎石(むそうそせき)によって開かれた古刹(こさつ)、恵林寺。
国の名勝に指定されている池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)庭園は、元徳(げんとく)2(1330)年ごろ完成。
織田信長による焼き討ち後、徳川家康が再輿。
その後もたびたび改修されたが、須弥山(しゅみせん)の石組みは鎌倉時代のものが残る。

●庭園 DATA
様式:池泉回遊式庭園
住所:山梨県甲州市塩山小屋敷2280
公式サイト:https://erinji.jp/

【長野県】

県下随一の静寂と風趣「光前寺」

読み:こうぜんじ

出典:駒ヶ根観光協会ライブラリー

南信州随一の祈願霊場として広い信仰を集める大寺(だいじ)。
100を超す堂塔を備え、枝垂桜(しだれざくら)との景観が見事。
国の名勝に指定されている本坊(ほんぼう)奥の庭園は、極楽浄土を描いたものといわれている。
紅葉や、5月から10月が見ごろの光苔(ひかりごけ)が庭園を彩る。

●庭園 DATA
様式:築山泉水式(つきやませんすいしき)庭園
住所:長野県駒ヶ根市赤穂29
公式サイト:http://www.kozenji.or.jp/

【新潟県】

江戸の風雅が香る十万石大名の庭「清水園」

読み:しみずえん

江戸時代、城下町として栄えた新発田(しばた)。
同藩藩主、溝口氏の下屋敷に元禄年間(1688~1704)につくられた庭園が現在の清水園。
造園は加賀藩御用達(かがはんごようたし)の茶道方・縣宗知(あがたそうち)。
草書体の「水」の文字をかたどった池の周囲に茶室を設けた京風庭園には、茶の湯や能楽など元禄文化に親しんだ粋人(すいじん)の風雅が残る。

●庭園 DATA
様式:回遊式庭園
住所:新潟県新発田市大栄町7-9-32
公式サイト:https://hoppou-bunka.com/shimizuen/

【富山県】

丘陵地域ならではの緑に抱かれた庭「光久寺 茶庭」

読み:こうきゅうじ さてい

写真提供:(公社)とやま観光推進機構

江戸時代、宝永(ほうえい)年間(1704~1711)に作庭された茶庭。
丘陵(きゅうりょう)地形を生かした森を背景とする山水造り庭園で、池を見下ろすのも山を仰ぐのもよしということから「俯仰園(ふぎょうえん)」の別称も。
奥庭と中庭を仕切る回廊は、御堂の茶室と書院を結ぶ。
石造物や草木の趣も見どころ。
●庭園 DATA
様式:池泉回遊式庭園
住所:富山県氷見市飯久保2807
参考サイト:https://www.info-toyama.com/attractions/21041

【石川県】

加賀百万石の文化を写した大名庭園「兼六園」

読み:けんろくえん

画像提供:金沢市

広大な土地に池や築山、御亭(おちん)を配した回遊式庭園。
延宝(えんぽう)4(1676)年に作庭が始まり、歴代藩主により約200年をかけて造園されたため庭園手法もさまざま。
宏大(こうだい)と幽邃(ゆうすい)、人力と蒼古(そうこ)、水泉(すいせん)と眺望など相反する景観を調和させた〝六勝〟の眺めは、百万石大名庭園ならでは。

●庭園 DATA
様式:林泉回遊式(りんせんかいゆうしき)庭園
住所:石川県金沢市兼六町地内
公式サイト:https://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/

【福井県】

紅葉も見事な書院庭園「萬徳寺」

読み:まんとくじ

鎌倉期に起源をもち、小浜(おばま)藩主歴代の祈願所として尊崇(そんすう)された萬徳寺。
書院庭に広がる白砂(はくしゃ)と築山の庭は、藩主・酒井氏の命により延宝5(1677)年完成。
金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)の世界を表している。
丸く刈り込まれたツツジやサツキ、紅葉百選にも選ばれているモミジなど、季節の見どころも。

●庭園 DATA
様式:蓬莱式(ほうらいしき)山水庭園
住所:福井県小浜市金屋74-23
参考サイト:https://www.obama-8-temples.jp/temples/mantokuji/

【静岡県】

小堀遠州作の寺院庭園の名庭「龍潭寺」

読み:りょうたんじ

写真提供:浜松・浜名湖ツーリズムビューロー

天平(てんぴょう)5(733)年、行基(ぎょうき)が開山と伝わる古刹の庭園は、本堂の庭として築かれた池泉鑑賞式。
江戸時代初期に小堀遠州(こぼりえんしゅう)により作庭された。心字池(しんじいけ)の向こうの築山中央に守護石、左右に仁王石(におういし)、正面に礼拝石(らいはいせき)が配された、寺院庭園の代表的な姿を今にとどめている。

●庭園 DATA
様式:池泉鑑賞式庭園
住所:静岡県浜松市浜名区引佐町井伊谷1989
公式サイト:https://www.ryotanji.com/

【愛知県】

幽玄と風雅を備えた御殿の庭園「名古屋城 二之丸庭園」

読み:なごやじょう にのまるていえん

写真提供:(公財)名古屋観光コンベンションビューロー

名古屋城の東側に位置する二之丸庭園。
江戸時代、元和(げんな)年間(1615~1624)の二之丸御殿の造営にともないつくられたのは木曾路(きそじ)の深山幽谷(しんざんゆうこく)を彷彿(ほうふつ)とさせる庭だったといわれているが、文政期に枯山水(かれさんすい)回遊式庭園に整えられた。
その後、明治期にも大きく改変が加えられている。

●庭園 DATA
様式:枯山水回遊式大名庭園
住所:愛知県名古屋市中区本丸1-1
公式サイト:https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/

【岐阜県】

虎渓山を借景とした名勝「永保寺」

読み:えいほうじ

夢窓疎石(むそうそせき)が開創した禅寺。
中国の渓谷に似た土地から、山号は虎渓山(こけいざん)。
正和(しょうわ)3(1314)年に造園された庭は、臥龍池(がりょうち)と呼ばれる池に屋形付きの反り橋がかかり、浄土庭園の様式を感じさせる。
観音堂、岩山、池、橋などの配置が巧みで、池畔(ちはん)どこからの景観も秀逸。
観音堂と開山堂は国宝指定。

●庭園 DATA
様式:池泉回遊式庭園
住所:岐阜県多治見市虎渓山町1-40
公式サイト:https://kokeizan.or.jp/

【三重県】

三大武将庭園に数えられる名庭「北畠氏館跡庭園」

読み:きたばたけしやかたあとていえん

写真提供/三重県観光連盟(サイトにリンクしています)

伊勢の戦国大名・北畠(きたばたけ)家の館跡につくられた、北畠神社境内の庭園。
作庭は戦国武将・細川高国(ほそかわたかくに)。
「米」の字をかたどった米字池(べいじいけ)に彩り豊かな紅葉が映る池泉庭園の風流さと、室町庭園とも呼ばれる野趣あふれる造形の枯山水で、名勝と史跡で国指定に。

●庭園 DATA
様式:武家書院式庭園
住所:三重県津市美杉町上多気1148
参考サイト:https://www.ise-oniwakaido.jp/boxa/kitabatakeshi/

「47都道府県、必見の庭園案内」シリーズ一覧はこちら

※本記事は雑誌『和樂(2014年11月号)』を再編集した転載です。
※各庭園の現在の情報は公式サイト・参考サイトをご確認ください。
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和樂web編集部


構成/小竹智子
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