黒糖きんとんのおいしさに定評あり!
塩芳軒のきんとん「大島」
「大島(おおしま)」とは黒糖風味のあんを指し、産地のひとつである奄美大島に由来。こくのある甘みが冬のごちそうとされていますが、塩芳軒では好評を得て夏季以外は大島のきんとんを取りそろえるように。だからこそ、季節で装いと銘が替わるのを追いかける楽しみも。黒一色を自在に操る5代目主人のセンスが光ります。
「初霜」、「夜桜」、「大島」

「大島」
黒糖風味のそぼろあんの中は白あん。菓子切りを入れたときに目に映る黒と白のコントラストもお楽しみ。
「夜桜」
大島のあんを夜に見立てると桜に浮かれる春の夜の情景が立ち上る。ごく細かな桜色のあんが奥ゆかしい。
「初霜」
霜に見立てたのは「氷餅(こおりもち)」。さらに季節が進めば、みじん粉を散らして雪景色も生まれます。
【この手から美味が生まれます】
手をかけすぎないのが生菓子のおいしさ。きんとんもしかり
あん玉にあんのそぼろをつけたきんとんは、今は “映える和菓子”として人気。
ところが5代目主人・高家啓太(たかやけいた)さんは「きんとんは極力、手を加えない。シンプルな表現が一番」と考えます。
「きんとんは空気を抱かせる」のがコツで、籐(とう)製の「とおし」でできたざっくりしたそぼろを、“編むように”手でまとわせます。
この立体感があってこそ、「大島」の無彩色の堂々たる佇まいが際立ちます。
この店の黒糖風味のきんとんが別格と称される理由は、黒糖の風味づけ以前の段階で、あんの製造法にあるよう。
「ほかの店と比べると、その倍は目の細かなとおしを使います。そのため口の中で味の広がりが違うのでは」。
茶の湯の聖地・西陣で、一目置かれる店ならではの答えがありました。
きんとんのそぼろは手のひらの最初のひと押しが肝心なんです



「和菓子には銘があるのがいいですね」

●塩芳軒(しおよしけん)
住所:京都府京都市上京区黒門通中立売上ル飛弾殿町180
電話:075-441-0803
営業時間:9時~17時30分
休み:日曜・祝日・月1回水曜(不定)
公式サイト:https://www.kyogashi.com/
※高家啓太さんの【高】は「はしごだか」が正式表記です。
※価格は税込、2026年9月現在のものです。
※この特集でご紹介した菓子のうち、特に明記のないものは通年販売になります。

