自然豊かな京都・丹後エリア。今回は、美術館や美味しい料理、自然と寄り添うホテルをご紹介します。丹後の美味やアートに触れられる、編集部オススメの旅スポットをどうぞ!
【京丹後で観る!】
安藤忠雄の建築「森の中の家安野光雅館」
長いアプローチは美術館への期待を膨ませる
京丹後市久美浜町(くみはまちょう)に、安藤忠雄(あんどうただお)建築があります。それは、2017年6月に和久傳(わくでん)の森に開館した美術館「森の中の家 安野光雅館(あんのみつまさかん)」です。杉板張りの黒い外壁は自然溢れる森に溶け込んで、長い回廊を巡りながら期待が大きく膨らみます。
スリットから溢れる優しい光は、安野光雅さんが描く繊細でやわらかな水彩画に似合っている
ひとたび館内に入ると、採光のためのわずかなスリットを通して差してくる自然の森と光を感じながら、優しい色合いの水彩画や絵本で知られる画家・安野光雅さんの作品を鑑賞できるのです。90歳を迎えてから描かれたというのが「大きな森の小さな家」。やわらかな色合いの楽しい絵は、心を癒やしてくれます。
左/工房レストランの一画には美術館のミュージアムショップもある。右/工房レストラン
また、美術館に併設した工房レストラン「MORI」では、和三盆山椒ソーダなどのドリンクや、紫野和久傳ならではの丹後の食材を使った食事も味わえます。
建築家・安藤忠雄氏のスケッチや写真のコラージュは、美術館入口付近に飾られている
◆森の中の家 安野光雅館
公式サイト
【京丹後に泊まる!】
住んでいるかのように過ごせるコテージ「Heron」
白と木調で統一されたシックな部屋から川を眺める
久美浜に流れ入る、栃谷(とちたに)川に面した小さなホテル「Heron」。田舎暮らしに憧れる人のために、自然溢れる場所でのシンプルな暮らしを提案したく…と、オーナーの須田悦子(すだえつこ)さんが2017年5月にオープンしました。
夕食のメインは松葉カニをふんだんに使った「魚介のパエリア」
部屋は2室のみで、ベッドカバーやタオルなどにベルギーのブランド「LIBECO(リベコ)」のオーガニックリネンを使用。細部にまで心地よさにこだわっています。早朝、神秘的な久美浜を散歩するのにオススメしたい、とても便利な場所です。
左/開放感あるレストランスペース。右/庭でハーブや野菜を育てているオーナーの須田さん
◆ウォーターサイドコテージ Heron
公式サイト
【京丹後で食べる!】
一度食べると虜になる、「縄屋」の魚菜料理
甘鯛の唐揚げと茄子の素揚げ
わざわざ遠方から、「縄屋(なわや)」で食事をするためだけに丹後にくる人もいるほど、評判の高い魚菜料理店。ご主人の吉岡幸宣(よしおかゆきのり)さんは京都の「室町和久傳」で修行を積んだ後、故郷に帰り、2008年に店を出しました。
赤ムツの塩焼きに野酵酢を添えて。ジューシーながらも香ばしい焼き加減と、絶妙な塩加減
野菜の多くは自家栽培で、魚貝類は全国から厳選した食材を独自のルートで取り寄せ、素材を大切にした料理を心がけているそう。焼き魚に添えた自家製の乳酸発酵ソースに心奪われます。食器や、内装の細部にも吉岡さんの心地よいセンスがうかがえます。
左/離れには落ち着いた和室もある。右/大きなテーブルのある洋室と奥にカウンター席
◆魚菜料理「縄屋」
住所 京都府京丹後市弥栄町黒部2517