2018年6月16日から、出光美術館で「人麿影供900年 歌仙と古筆」が開催されます。
優美な和歌の世界を絵と名筆で楽しむ
平安期以降、優れた歌人として、「歌仙」と呼ばれた人たちの姿は絵として、その歌は麗しい仮名文字で書き伝えられています。その筆頭が、歌聖・柿本人麿。人麿は歌の神として祀られ、その図像は歌会の守護神として、床に懸けられました。それが歌会の儀礼である“人麿影供”です。そして今年は、人麿影供が創始されて900年となる記念の年。
画/伝 藤原信実 詞書/伝 後京極良経「佐竹本三十六歌仙絵『柿本人麿』」重要文化財 鎌倉時代 出光美術館蔵
出光美術館では、所蔵作品である重要文化財「佐竹本三十六歌仙絵『柿本人麿』」をはじめ、歌仙にまつわる優品を展示します。歌仙の秀歌を記した名筆もあわせて紹介。自らの想いと美意識を歌に込めた、貴族たちの和歌の世界を、雅な気分で楽しんでください。
鈴木其一「三十六歌仙図」弘化2(1845)年 出光美術館蔵/江戸時代の絵師・鈴木其一の「三十六歌仙図」は、表装の部分も絵として描かれている“描表装”というだまし絵風に仕上げた、遊び心あふれる作品。平安期の宮廷文化を、色鮮やかに表現している