Travel

2024.11.05

しみじみおいしい…。名物バーが満を持して開いた和食店「ととよし」【京都、カウンターの名店2】

料理人自ら目の前で新鮮な食材を調理して出すスタイルのカウンター店。カウンター文化の聖地ともいうべき京都で「料理人の手仕事」を堪能できる様々な名店を5軒ご紹介します。

「京都、カウンターの名店」シリーズ一覧はこちら

京都の旬の味を肩ひじはらず、シンプルに

酒瓶もグラスも置かれていないカウンターに、土壁には花一輪。茶室のようなバー「酒陶 桺野(しゅとう やなぎの)」は『和樂』でもお馴染みの名店。お酒と一緒にお造りや天ぷら、煮物など、〝ちょっと食べたい欲〟も満たしてくれる「酒陶 桺野」の新展開がこちらのお店です。

2023年1月オープンの「ととよし」を切り盛りするのは、「酒陶 桺野」で13年勤めた料理人、杉井雄大(すぎいゆうだい)さん。実家は錦市場の鮮魚店、「この街で小さいころから食べてきた、あたりまえの魚のおいしさを、もっとたくさんの人に知ってもらいたい」と、10品前後のコースは、魚料理が中心です。

左/4月のお椀は、はまぐりの蕪まんじゅう。はまぐりの出汁が美味。右/この日のお造りは明石の鯛とタコ。肌感が美しい白磁の器は、17世紀後半の古伊万里。旨みたっぷり明石の鯛とタコでまずは日本酒を一献!

自慢のお造りほか、お椀や炭火焼き、天ぷらなど、「酒陶 桺野」時代同様、奇をてらうことのない直球料理はしみじみ美味しく、お酒もすすみます。

左/サクッと揚がった海老の天ぷらは、17世紀初頭の青呉須の皿に。濃いめの天つゆにつけていただく。右/焼き物はぐじの松笠焼。艶やかな御深井焼(おふけやき)の皿は、江戸中期のもの。

「シンプルが一番。せっかくなら、旬の、ほんまにおいしいものを食べたいでしょう」と話す、オーナーの桺野浩成(ひろなり)さんは内装や器、料理のディレクションを担当。
「ああでもない、こうでもないと日々、桺野と話し合うのも貴重な時間です。ひとりで考え込むより、絶対いいものができますから」と杉井さん。進化が楽しみな一軒です。

左/シメは炊きたてご飯のおにぎり。径山寺(きんざんじ)味噌を添えて。右/杉井さんが、ふっくら、やわらかく握ります。

つくり込まない、ほっとする町家空間を目ざしたという店内。

カウンター名店DATA

「ととよし」
住所:京都府京都市中京区竹屋町通寺町西入ル甘露町666
電話:075-741-6434 
営業時間:17時~22時 要予約
休み:水曜、ほか不定休あり
料金:おまかせコース15,000円~(季節の食材により変動あり)

撮影/長谷川潤 構成/田中美保
※本記事は雑誌『和樂(2024年4・5月号)』の転載です。
※営業時間や休みなどが変更になっている場合があります。お出かけの前に最新情報を確認してください。

Share

和樂web編集部

おすすめの記事

優しさに満ちたお休み処。京都「珈琲山居」【茶味こそが京都!】 

和樂web編集部

自分史上最高級の肌に! 石井美保さんがライン使いする「クレ・ド・ポー ボーテ」の最高峰スキンケア「シナクティフ」

PR 和樂web編集部

また会いたくなるバーテンダーがいるから何度も通う。 京都のBAR その1「BAR YANAGI」(夷川通)

和樂web編集部

冴えない男たちのメシがブランドになるまで。なぜB級グルメは定番になったのか?

昼間たかし

人気記事ランキング

最新号紹介

12,1月号2024.11.01発売

愛しの「美仏」大解剖!

※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア