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2024.10.30

広々とした空間の器屋「ちどり」で磨く、さまざまな素材の〝組み合わせ美〟。美容家・石井美保の「和魂美才」vol.7

美容家・石井美保さんが、日本文化と和装の魅力を伝える連載「和魂美才」。今回は個人作家の器が気軽に楽しめると人気の器屋、東京・水道橋の「千鳥」を訪れました。店主の柳田栄萬さんも驚く、石井さんの器への愛をお届けします。

陶器、磁器、木工、ガラスなど素材ミックスのコーディネート

「千鳥」店主の柳田栄萬さん(右)の話に、熱心に耳を傾ける石井美保さん(左)。

石井美保(以下、石井):以前の「千鳥」さんにお伺いしたことがあったのですが、移転されてからは初めて。とても広い空間で、器はもちろん什器も素敵ですね。

柳田栄萬(以下、柳田):ありがとうございます。以前からファンだった、家具を作っているご夫婦に什器も内装も手がけてもらいました。店内の真ん中あたりにある2本の柱を境に、窓がある奥は個展を、手前は常設の作品を置いています。せっかくの大きな空間を壁で区切るのではなく、個展も常設も両方楽しめるように、というのが狙いです。

真ん中あたりに見える2本の柱が目印。奥は個展のスペース。手前は常設の器を置いている。大きな木臼を脚にした什器もあるので、探してみて!

手に取った器を眺める美保さん。「小皿は何枚あってもいいですよね」。

可憐な柄がエレガントな器。「繊細な絵付が素敵」と美保さん。

石井:「千鳥」さんに来ると、とても楽しくてウキウキしてしまいます。陶器や磁器はもちろん、木工もガラスもとにかく充実していて、そのミックスしたコーディネートが本当に素敵。勉強になります。

柳田:常設作品の空間はあえて、素材別でも作家別でもなく、バラバラに置いています。〝宝探し〟的に楽しんでいただこう、と思って(笑)。

石井:確かに、自分で新しい作家さんを発掘する感じもいいですよね。「千鳥」さんは、作家ものでも、一枚買っておしまいの高名な作家さんというより、家庭で使える、取り入れやすいものが揃うのが魅力ですよね。

店主のセンスが息づく作家もの

ガラス棚には、大人気を博した「佐藤もも子」展の器が。抽選販売とのこと。

柳田:ありがとうございます。まさに、食卓で楽しめる作家ものを選んでいます。産地や作風のこだわりもなく、本当にいろんなタイプの器がありますので、気軽に楽しんでいただけると思います。

石井:最近はフレンチレストランでも、和のものや木の器を使っているところも増えていますよね。「あ、こんなふうに使うんだ」と、新鮮に感じています。

柳田:そうですね。木工品も「こう使わなければいけない」という決まりもないので、自由な発想でお使いいただきたいですね。店内では、さまざまな素材のミックス、器の種類やサイズ感もあえてバリエーション豊かに演出しています。平皿を立ててディスプレイするなど、見ても楽しいように。

「千鳥」店内で、一幅の絵のような印象を醸し出す美保さん。

美意識が養われる、使う楽しみ、飾る楽しみ

石井:器って飾ってもいいんだと気づいてから、自分のコレクションを飾る棚を買ったんです。けっこうひんぱんに入れ替えて、ゆったり眺めたりしています。眺めながら「これってこんな料理を入れるといいかしら?」と、イメージするのが楽しくて。

なかなか凝った料理をする時間がないのですが、「千鳥」さんに来ると、色々想像が膨らんでいいですね。料理を作るモチベーションにもなります!

柳田:お好きなものを集めて、使って楽しんで鑑賞することも満喫している。すばらしいですね!

石井:はい、ありがとうございます。実は、この撮影中に、欲しいものを見つけちゃいました! 器への愛は、当分続きそうです。素材感だったり、デザインだったり、絵付だったり、それぞれの個性が際立っている器は、本当に美しい。そんな美意識を器屋さんや個展で養うのも大切だと思います。

ガラスの器も大好きな美保さん。キャニスターはすでにコレクション済み。

店内を笑顔で巡る美保さん。美肌オーラが周囲を明るくします。

落ち着いた店内で映える美保さんの青磁色の着物。次回、着物についても語ります。

さまざまな作家の作品が、あちこちに点在。この中から好みを見つける楽しみが。

インタビュー・本文/國藤直子(STRIPE) 写真/目黒智子 着付け/星山奈保子 ヘア/高倉里美 撮影協力/千鳥

問い合わせ
千鳥
〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町3-7-12 清話会ビル2階
TEL/FAX 03-6906-8631
12時〜18時

定休日はインスタグラムでご確認ください。
shop@chidori.info
https://chidori.info

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石井美保

美容家、トータルビューティーサロンRiche代表。深い美容愛とさっぱりした物腰で、幅広い層にファンが多い。自身の経験に基づく美容法とコスメ選びは、常に注目を集めている。
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