陶器、磁器、木工、ガラスなど素材ミックスのコーディネート
石井美保(以下、石井):以前の「千鳥」さんにお伺いしたことがあったのですが、移転されてからは初めて。とても広い空間で、器はもちろん什器も素敵ですね。
柳田栄萬(以下、柳田):ありがとうございます。以前からファンだった、家具を作っているご夫婦に什器も内装も手がけてもらいました。店内の真ん中あたりにある2本の柱を境に、窓がある奥は個展を、手前は常設の作品を置いています。せっかくの大きな空間を壁で区切るのではなく、個展も常設も両方楽しめるように、というのが狙いです。
石井:「千鳥」さんに来ると、とても楽しくてウキウキしてしまいます。陶器や磁器はもちろん、木工もガラスもとにかく充実していて、そのミックスしたコーディネートが本当に素敵。勉強になります。
柳田:常設作品の空間はあえて、素材別でも作家別でもなく、バラバラに置いています。〝宝探し〟的に楽しんでいただこう、と思って(笑)。
石井:確かに、自分で新しい作家さんを発掘する感じもいいですよね。「千鳥」さんは、作家ものでも、一枚買っておしまいの高名な作家さんというより、家庭で使える、取り入れやすいものが揃うのが魅力ですよね。
店主のセンスが息づく作家もの
柳田:ありがとうございます。まさに、食卓で楽しめる作家ものを選んでいます。産地や作風のこだわりもなく、本当にいろんなタイプの器がありますので、気軽に楽しんでいただけると思います。
石井:最近はフレンチレストランでも、和のものや木の器を使っているところも増えていますよね。「あ、こんなふうに使うんだ」と、新鮮に感じています。
柳田:そうですね。木工品も「こう使わなければいけない」という決まりもないので、自由な発想でお使いいただきたいですね。店内では、さまざまな素材のミックス、器の種類やサイズ感もあえてバリエーション豊かに演出しています。平皿を立ててディスプレイするなど、見ても楽しいように。
美意識が養われる、使う楽しみ、飾る楽しみ
石井:器って飾ってもいいんだと気づいてから、自分のコレクションを飾る棚を買ったんです。けっこうひんぱんに入れ替えて、ゆったり眺めたりしています。眺めながら「これってこんな料理を入れるといいかしら?」と、イメージするのが楽しくて。
なかなか凝った料理をする時間がないのですが、「千鳥」さんに来ると、色々想像が膨らんでいいですね。料理を作るモチベーションにもなります!
柳田:お好きなものを集めて、使って楽しんで鑑賞することも満喫している。すばらしいですね!
石井:はい、ありがとうございます。実は、この撮影中に、欲しいものを見つけちゃいました! 器への愛は、当分続きそうです。素材感だったり、デザインだったり、絵付だったり、それぞれの個性が際立っている器は、本当に美しい。そんな美意識を器屋さんや個展で養うのも大切だと思います。
インタビュー・本文/國藤直子(STRIPE) 写真/目黒智子 着付け/星山奈保子 ヘア/高倉里美 撮影協力/千鳥
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