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文化人が集う街、ゴールデン街へ♪
東京都新宿区にあるゴールデン街は、戦後の闇市から始まり、激動の時代を経て、現在のように誰でも楽しめる飲屋街に姿を変えた、東京の中でも唯一無二の存在感を放つエリアです。かつての姿を残した妖しげな雰囲気と、若いオーナーへの入れ替わりによって増えた現代的なお店が交わる、独特な雰囲気が特徴! 新宿区役所のすぐ横に位置しているので、区役所の前を走る通りから一本道を入れば、別世界に迷い込んだような感覚にもなります。蛍光ネオンとは違う、個人店ごとの看板の灯りがあたたかさと妖しさを感じさせるのです。ひと一人通るのもギリギリな道をすり抜け、ゴールデン街の空気に自分を馴染ませて…お目当てのお店に向かいます!
今日の着物のテーマは「昭和レトロ」。長ものは夜の街に溶け込むような濃紺ベースに秋色の草花の小紋で。厳密に言うと四季花なのかもしれませんが、紅葉を思わせるような深みのある色が秋冬の雰囲気を感じさせるので、私の中では秋の草花模様としています。これは母の着物で、40年ほど前に仕立てた、思い出の小紋だそうです。帯は祖母の箪笥に入っていたものからコーディネート。ふくよかだった祖母の帯にしては短いような?(笑) もしかしたら曽祖母のものかもしれません。実家の納戸にある古い桐箪笥には謎の着物が沢山あって、それはそれで歴史が詰まったワードローブなのです。重くなりすぎないように帯締めは白でパッキリと。
一軒目は、お肉と音楽が楽しめるお店!
まずは腹ごしらえ!新鮮なお肉メニューが豊富な「肉人-NIKUTO-」へGO!
1階はカウンター、2階はお座敷になっていてグループでもお一人様でも楽しめるお店です。1階のカウンターキッチンでは、イケメンマスターの榊原さんが一品一品丁寧に仕込み、調理、洗い物まで厨房周りをワンオペ!
2階のお座敷からは電話で注文します。この内線電話もレトロですよね。店内のBGMはマスターがその日の気分でチョイス。この日は80年代の洋楽ロックから始まって90年代の邦楽ヴィジュアル系がかかっていました! 取材には、和樂web編集長の鈴木さんと、カメラマンさんの三人で伺ったのですが、ロックバンド好きなメンバーだったのでかなり盛り上がりました! 最近の曲が流れている日もあるので、その日のBGMも楽しみの一つです♪リクエストも可能ですよ。
この日の羽織は、個人で活動している和裁士さんから購入した長羽織です。古い反物から作られているそうで、これも着物のSDGsですよね。亀甲(きっこう)の飛び柄で、亀甲柄の中は四季花柄。どんな着物にも合わせやすく、万能でお気に入りです♡羽織紐は簡単なのでビーズのものを使うことが多いのですが、今日はレトロ縛りなので女短(めたん)の羽織紐にしました。
自然と人が集まる、名物ママのお店へ
二軒目は「マチュカ・バー」へ。マチュカはハンガリー語で猫。看板にも猫ちゃんがいます! 開業から20年間ママを務めているのは麻知子さん。麻知子とマチュカの響きが似てるのもあり、猫好きなのも合わさって、マチュカという店名にしたそうですよ。ゴールデン街のオーナーさん達が麻知子さんに話を聞いてもらいたくてマチュカに集結するほどの、名物ママさんです。
お店には映画のポスターやフライヤーがずらり。お客さんたちも口を開けば映画の感想が飛び交います。「感想はみんな違ってみんないい」「あなたがどう感じたかを知りたい」というのが麻知子さんのスタンスなので、みんなが自然とオープンマインドになっていくのです。私もついつい熱弁を振るってしまった〜!
「マチュカ・バー」はお酒の種類が豊富! 中でもオススメはブラッディ・シーザー。ウォッカベースのカクテルで、トマトジュースに蛤エキス・にんにく・ハラペーニョ・ブラックペッパーが入っていてめちゃくちゃ美味しい! 私の1杯目はいつもこれです(笑)。ノンアルコールの種類も豊富なので、お酒が弱い方も楽しめるお店ですよ♡
日常から非日常へ。お酒とお着物が合わされば、相乗効果でもっと楽しい!
大人の秘密基地・ゴールデン街、いかがでしたか? 私も昭和へのタイムトリップ、着物のコーディネートも含めて楽しみました♪お着物飲み会、みなさまも是非!
写真/中西真基