日本文化の入り口マガジン和樂web
8月3日(火)
蚊虻走牛(中国の故事)
日本文化の入り口マガジン 和樂web
日本文化の入り口マガジン 和樂web
8月3日(火)

蚊虻走牛(中国の故事)

読み物
Gourmet
2019.12.18

たこ焼きと明石焼の違いは?明石焼の材料、ルーツや名店もまとめて紹介!

この記事を書いた人

普段、たこ焼きはあまり食べない私でも、兵庫県の明石に行くと欠かせないのが「明石焼き(玉子焼)」の名店巡り。(以降、「明石焼き(玉子焼)」の意味で総称して「明石焼き」と表記します。)

「明石焼きとたこ焼きは別物だから一緒にしないで!」という現地人も少なくないという話をよく聞くけど、どうしてなんだろ?

そういえば、「明石焼き」や「玉子焼」と現地のお店の看板には書かれていても、「たこ焼き」とは書かれていない。

今回は、「明石焼きは、たこ焼きの一種ではないのか?」そんな素朴な疑問を発端にしながら、明石焼きのあまり知られていなかった様々な情報をご紹介。
現地でおすすめのお店の情報も含めて、明石焼きづくしでお送りします!

明石焼きとは?


「明石焼き」は、明石を代表するご当地グルメの1つ。
たこ焼きといえば、ソースがかかったものが一般的ですが、外観が似ている「明石焼き」は、だし汁につけていただくスタイルが基本。
明石の地元では、「玉子焼」という名前で呼ばれていることも多いです。
どちらにも中にタコが入っていますが、「明石焼き」と「たこ焼き」の大きな違いをご存知ですか?

明石焼きに欠かせない「じん粉」

「玉子焼」という言葉からも容易に想像がつくと思いますが、生地の主原料が小麦粉であるたこ焼きとは異なり、明石焼きには小麦粉以上に卵がたっぷり入っています。そして、もう1つ欠かせないものに「じん粉」があります。

「じん粉」とは、小麦粉に含まれるでんぷんを精製した粉のこと。
これが生地に入ることで、明石焼き特有のフワフワの玉子焼きのような食感が生まれ、柔らかくても崩れません。
そのため、小麦粉主体のしっかりした食感の形が球状のたこ焼きとは異なり、丸い形でも球形よりはトップが平べったい形となっています。

職人による手打ちの「銅製の天板」


明石焼きを作るのに使用される天板もたこ焼きとは異なっており、銅製のものが使用されています。
これは、熱の伝導率に非常に優れているので、明石焼きの食感に欠かせないソフトでフワフワに仕上げることができるからです。

明石焼きの本場のこの地には、全国でもココだけ!にしかしない、「手打ちの明石焼き用の銅製天板」を作る優れた職人がいるんです。機械で作られたものでは再現できない職人技が秀でた均一な厚さで明石焼き用のくぼみが打ちだされているので、見た目にもムラなく綺麗に焼きあげることができるとのこと。

地域に根差したこの逸品は、明石市の内外にある非常にたくさんの明石焼きのお店で利用されています。また、現地では、手作業で職人に打ち出された家庭用の明石焼き用天板も購入できるので、お土産としてもおすすめです。

明石焼きの誕生秘話と歴史

「明石玉」から生まれた「玉子焼」


江戸時代の末頃の明石は、かんざしなどの飾りとしてよく使用されていた「明石玉」という球の形をした模造サンゴの生産が盛んに行われていました。この模造サンゴは、米粉を型に入れて球状にしたものに赤く染められた牛の爪を接着剤で貼りつけて固めて作っていたとのこと。
この接着剤として、卵の白身が利用されていました。

これにより、当然、大量の卵の黄身が余ります。捨てるのももったいないので、黄身だけ焼いて食べたのが「明石焼き」のはじまりというわけです。
だから、明石焼きは、「玉子焼」と現地で呼ばれることが多いんですね。

たこ焼きのルーツ「明石焼き」の誕生


しかし、明治時代中頃になると外国からセルロイドが入ってきたことで、明石玉がセルロイド素材で作られるようになったことで、昔ながらの材料で作っていた職人は失業してしまいました。

すると、職を失った職人たちが、手元に残った明石玉製造用の型を利用して丸い食べ物を屋台で販売開始。昔から、明石はタコが名産品となっていたので、この丸い食べ物の中に名産品のタコをいれてみたら大人気となり、「明石焼き」が誕生したわけです。
そして、これはやがて、たこ焼きのルーツとなっていきます。

昔の明石焼きのだし汁は冷たかった!


当時は、明石焼きが1個から販売されていたそうで、だし汁などもなく、何も付けずにそのままいただくスタイルだったようです。
その後、アツアツの玉子焼をだし汁につけて冷ましてからすぐに味わえるように、冷たいだし汁と一緒に提供されるようになりました。

しかし、昭和30年代以降に神戸元町のとあるお店で温かいだし汁が出されたことをきっかけに、明石でも温かいだし汁を出すお店が増えていったようです。

多様化する「明石焼き」の食べ方

最近は、だし汁につける前に、お塩などをつけて味の変化を楽しめるお店や、ソースなどの様々な調味料が置いてあり、お好みのスタイルで楽しんでください!というお店もあり、明石焼きのお店も多様化してきています。

また、姫路エリアでは、だし汁につける前にソースをかけて楽しむ「姫路食い」と呼ばれている食べ方が一般的なんだそう。
「明石焼き」も、色々と奥深いですね。

たこ焼きの歴史


一方、たこ焼きが誕生したのは、昭和に入ってからと言われています。
明石焼きに比べて、かなり遅咲き。

明治時代から大正時代にかけて、大阪では「ラジオ焼き」または「チョボ焼き」と呼ばれていた屋台で売られている人気の庶民の食べ物がありました。これは、小麦粉を溶いたものにコンニャクや豆類等の具が入った、具がタコではない、たこ焼きの一種のようなものでした。

しかし、昭和に入ると、これが大進化します。
ある日、具が牛のすじ肉のラジオ焼きの屋台をしていた大阪の今里にある「会津屋」で、常連さんに「大阪では具が牛肉だけど、明石では具にタコが入ってるよ」と言われたことをヒントにして、ラジオ焼きの具にタコを入れてみたら、美味しいと大評判になり大ヒット!
これが、小麦粉が主体の生地の大阪の「たこ焼き」の誕生と言われています。
タコが入った明石焼きの誕生からはかなり遅れて、昭和10年のことでした。

そして、このお店から大阪中にたこ焼き文化が広まって行き、その後、全国的に普及するようになりました。

「明石焼き」がたこ焼きの一種なのではなく、むしろ、たこ焼きの元祖こそが「明石焼き(玉子焼)」!
この点の差は大きい。
だから、たこ焼きと一緒にされたくない人が明石の現地で少なくないというのもごもっとも。
あ~、明石の玉子焼が食べたくなってきた!

明石の台所「魚の棚」


明石駅から徒歩ですぐの好立地にある駅前エリアには、明石の台所とも言われている「魚の棚」商店街があります。
「魚の棚」と書いて、地元では「うおんたな」と呼ばれることが多いようですが、「うおのたな」とも呼ばれているらしいです。

この商店街には、明石近海で獲れる新鮮な魚介類を扱う鮮魚や海産加工品関連のお店が特に多く入っています。明石と言えば、タコの他にも、アナゴ、明石鯛等の特産品も有名。こうした品も嬉しい価格で並んでいます。
この他にも、野菜、精肉、瀬戸物、洋服、飲食関連など、全部で100店舗近いお店がずらーっと並んでいるので、食べ歩きをするのにも、お土産を買うのにもおすすめです。

また、この商店街内だけでも8店舗もの「明石焼き」を味わえるお店が入っているのも嬉しいポイント!
さらに、商店街の中には、明石玉子焼店「たこ磯」と鮮魚店「魚利」のお店の間にある狭い通路の奥に「厳島弁財天社」もあり、こちらも観光客にも大人気。見逃せないスポットの1つです。

「魚の棚」商店街周辺には提携駐車場もあるので、利用金額に応じて駐車料金の割引をしてもらえるのもありがたいですね。

看板に「玉子焼」という文字が入っているお店がおすすめ!

現在、明石焼きを味わえるお店の数は、明石市内だけでも70店舗以上ものお店があると言われています。
本場のこの地で明石焼きを味わえるお店の看板を見ると、「玉子焼」となっているお店と「明石焼き」となっているお店があることに気づきます。

「玉子焼」となっているお店は、老舗店や名店が多いですが、「明石焼き」となっているお店は、観光客向けのお店がほとんどです。
どのお店へ入っていいかわからない人は、看板が「玉子焼」となっているお店へ行くのが、おすすめ!

明石駅周辺ならココ!明石焼きおすすめ店3選

玉子焼 たこ磯 本店


「玉子焼 たこ磯 本店」は、明石駅から徒歩で数分というアクセスにも便利な「魚の棚」商店街の中にあり、西側入り口から入ればすぐの超好立地な場所に位置しています。
明石に来たら必ず立ち寄っているほど、私もこのお店が大好き。
お店の看板の「玉子焼」という文字が非常に目立つことからも分かるように、地元でも高い評判があり常に上位に入っている超人気の老舗の明石焼き店。リピーターや常連さんをはじめ、有名人や著名人のファンも多いので、常にお店の外に行列ができています。

茶碗蒸しの卵のような美味しさのこのお店の明石焼きは、だし汁に付けないでそのまま食べてもクリーミーな美味しさ。
このお店で、明石の名産品のタコが入った明石焼きに加えて、絶対おすすめなのが同じく明石の名産品となっているアナゴが入った珍しい明石焼き。
これを邪道という前に、まずは食べてみて!
玉子とアナゴの相性も最高!
タコとアナゴのどっちを食べるか迷った人にもおすすめの1個の中にタコとアナゴの両方が入っているミックスもあるんです。

待ち時間があったとしても回転が速いので、列の長さの割には通常の飲食店の待ち時間よりも短めなのも嬉しいところ。
でも、どんな行列に並ぶのも大嫌いな私は、訪れる時は、開店間際に行くか、休日やお昼時の混雑を避けて行っています。
この本店から1本道を南へ行った所に2号店もできたので、混雑時には、そちらもおすすめ。

◆「玉子焼 たこ磯 本店」 基本情報
住所:兵庫県明石市本町1-1-11
営業時間:10:00~19:00
定休日:年末年始を除き、年中無休
価格:玉子焼(タコ)15個700円、玉子焼(アナゴ)15個900円、玉子焼(ミックス)5個1100円
お持ち帰りも可能

明石玉子焼 今中


「明石玉子焼 今中」も「魚の棚」商店街内にあり、西側の入り口付近のアクセスしやすい好立地に位置しています。

このお店の明石焼きは、だしのこだわりも半端ないのでだし汁も美味しいと好評ですが、何もつけずに食べても絶品。中でも、このお店の明石焼きの美味しさをさらに際立たせる、こだわりの岩塩をつけて味わう食べ方が特に大人気となっています。
こだわりの岩塩をはじめ、柚子の香りを楽しめる特製パウダー、柚子胡椒、ソースなどの様々な調味料が用意されているので、万が一、だし汁につけた味に飽きてしまっても、お好みで味の変化を楽しみながら明石焼き三昧を満喫できます。

◆「明石玉子焼 今中」 基本情報
住所:兵庫県明石市本町1-3-4
営業時間:11:00~18:00、お持ち帰り10:00~
定休日:木曜日、第2水曜日
価格:明石焼き15個650円

明石焼・玉子焼 ふなまち


「明石焼・玉子焼 ふなまち」は、明石駅から海沿いのエリアを徒歩で8分ほどアクセスした場所に位置しています。
土日祝日は明石玉子焼だけですが、平日は、これに加えて焼きそばやお好み焼きも楽しめるお店です。

地元の人々に圧倒的な人気を誇るこのお店の明石玉子焼は、中に入っているタコの大きさも大きいので1個の大きさも大きく、さらに20個で600円という価格も明石市内でもトップクラスの安さでコスパも最強!

もちろん味も絶品で、だし汁につけなくてもそのままでも美味しいことでも有名なので、まずは何もつけずに食べてみて!
箸で崩さずにつかむのもやっとなほどの柔らかさ。口の中でとろけます。
だし汁は、伝統的な冷たいだし汁なので、ねこ舌さんにもおすすめ。

また、テーブルには、甘口と辛口のソースをはじめ、一味、七味のスパイス、青のりなども置かれていて、お好みのスタイルに応じて味わいを楽しめるようになっています。

平日限定のお好み焼きや焼きそばも驚きのお得な値段で提供されているので、平日に行くべし!
リピーターや常連さんも非常に多い超人気店でありながら店内には座席が8席しかないので、平日も休日もお店の外に行列が絶えません。
開店時間前の間際が狙い目。

◆「明石焼・玉子焼 ふなまち」基本情報
住所:兵庫県明石市材木町5-12
営業時間:10:30~18:00
定休日:木曜日、金曜日
価格:玉子焼20個600円、お好み焼き(タコ玉)450円、お好み焼き(タコ玉)400円
お持ち帰りも可能
駐車場:無料駐車場5台あり

書いた人

猫と旅が大好きな、音楽家、創作家、渡り鳥、遊牧民。7年前、ノラの子猫に出会い、人生初、猫のいる生活がスタート。以来、自分の人生価値観が大きく変わる。愛猫を連れ、車旅を楽しむも、天才的な方向音痴っぷりを毎度発揮。愛猫のテレパシーと自分の直感だけを頼りに今日も前へ進む。