CATEGORY

最新号紹介

4,5月号2026.02.28発売

美の都・京都で出合う うるわし、工藝

閉じる

Art

2026.03.12

下村観山と松平健の共通項とは?「下村観山展」音声ガイドに大注目

東京国立近代美術館で3月17日より開催される「下村観山展」。近代日本画の巨匠・下村観山の、関東では13年ぶりとなる大回顧展です。代表作の重要文化財『弱法師』をはじめとする数々の名品で、狩野派から琳派、やまと絵、そして西洋絵画の表現まで極めた“観山芸術”の真髄を紹介します。注目が集まる本展の音声ガイドナビゲーターを務めるのは、俳優・松平健さん。実は観山とは大きな共通項があり…。収録後の松平さんにお話をうかがいました。

近代日本画家と、時代劇の大スターに共通すること

「下村観山」展の音声ガイドナビゲーターを松平健さんが務める、と聞いて、ピン! ときた方…なかなかの日本美術通とお見受けしました。近代日本画の巨匠と、時代劇の大スター。ふたりの共通項は「紀州徳川家」にあります。

下村観山は紀州徳川家に代々仕えた能楽師の家の生まれです。一方、松平さんの代表作といえば『暴れん坊将軍』。紀州徳川家出身の八代将軍・徳川吉宗を長く演じられました。

「紀州は、ドラマのロケで何度も訪れました。和歌山城でも撮影しましたね。気候も温暖だし、街もゆったりとした雰囲気のある場所だと感じました。下村観山は明治時代の人ですが、武家に関わりのある家の生まれで、画家になってからはヨーロッパでも絵を学んだり、中国絵画も研究したりと、経歴もすごく面白いんですよね」

観山唯一の重要文化財である『弱法師』は、謡曲『弱法師』を題材に、能の世界をドラマティックに表現した代表作。やまと絵や琳派など日本の伝統的な絵画技法に、人物に陰影をつけるといった西洋絵画のテクニックを絶妙にあわせた、見どころ満載の大作です。

下村観山 『弱法師』 大正4(1915)年 重要文化財 東京国立博物館蔵 Image: TNM Image Archives
(前期展示:3月17日-4月12日)

音声ガイドの収録は、「専門的な言葉が多くてちょっと大変でした」と苦笑い。
「俳優の仕事と違って、声だけで表現するというのはなかなか難しいですが、楽しく収録させていただきました」

松平さんも近寄ったり離れたり!?観山の代表作『木の間の秋』

ガイドを務めた作品の中で印象に残ったのは、『木の間の秋』。
「近くで見ると金を細かく使った細密な表現が際立ち、離れると西洋絵画のような光と陰影による奥行きが感じられる、とのことでした。さまざまな師に学んだ観山の技術力が凝縮している作品。私もぜひ会場で、近寄ったり離れたりしながら鑑賞してみたいと思います」

下村観山 『木の間の秋』 明治40(1907)年 東京国立近代美術館蔵(通期展示)

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、観山と松平さんには「紀州徳川家」のほかにもうひとつ、共通するキーワードがあります。そう、それは「金」! 観山作品には金箔、金泥を使ったものが多くあり、その色合いの幅は広く、描き方も多彩。今回の展覧会ではそんな観山を「金の魔術師」と呼んでいます。そして松平さんは「マツケンサンバ」の金色の衣装でおなじみ!

「そんな共通点もあったとは(笑)。豊臣秀吉の金の茶室もそうですが、『全部が金』というのは、だれもが高揚してしまいます。楽しくなる。私も、『マツケンサンバ』でお客様に喜んでいただけるのはすごくうれしいです」

観山の飽くなき探究心と好奇心にも刺激を受けたと松平さん。
「屛風や襖絵は、時代劇の撮影の際に寺院や城内で観たことがあります。驚くほど美しいですよね。これを機会に、日本美術にも関心を向けていけたらと思いました」

「紀州徳川家」と「金」でつながったご縁。
松平健さんの音声ガイドで、展覧会がさらに楽しくなります! オーレ!

松平健(俳優、歌手)

1953年生まれ。愛知県豊橋市出身。1975年テレビ「座頭市物語~心中あいや節~」でデビュー。主演時代劇「暴れん坊将軍」シリーズでは、約25年(全832回)に渡って主演を務める。2025年1月に17年ぶりの新作「新・暴れん坊将軍」にも主演。
2020年からは自身のYouTubeチャンネル「マツケンTube」を開設。22年4月からは東海テレビの情報番組「スイッチ!~マツケン福袋~」にレギュラー出演中。舞台公演においては「暴れん坊将軍」「西遊記」「キス・ミー・ケイト」など、時代劇からミュージカルまで幅広く活動。2004年発売の「マツケンサンバⅡ」では、歌と踊りで一大ブームを巻き起し2004年、2021年NHK「紅白歌合戦」に2度出場。

下村観山展

2026年3月17日〜5月10日
東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
休館日/月曜日(ただし3月30日、5月4日は開館)
開館時間/10時〜17時(金曜・土曜は10時〜20時) ※入館は閉館の30分前まで
問い合わせ/050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト/https://art.nikkei.com/kanzan/

Share

和樂web編集部


文・剣持亜弥
おすすめの記事

「全国必見!美術展カレンダー」より、選りすぐりの展覧会6選【永青文庫、メナード美術館、泉屋博古館東京、サンリツ服部美術館、福田美術館、岡田美術館】

和樂web編集部

公立美術館にはこんなにも名画がありました!全国選りすぐりの10選

和樂web編集部

日本絵画史上最大の絵師集団「狩野派」とは? 歴史や系譜、琳派との違いを解説

和樂web編集部

日本最大の公募展「日展」とは?どんな作品が展示されるの?楽しみ方を徹底解説!

齋藤 久嗣

人気記事ランキング

最新号紹介

4,5月号2026.02.28発売

美の都・京都で出合う うるわし、工藝

※『和樂』2026年4・5月号 美術展カレンダーに誤りがありました。P.224で紹介しました、福岡県・久留米市美術館で開催中の「美の新地平ー石橋財団アーティゾン美術館のいま」の入館料は、正しくは一般1,500円となります。お詫びして訂正いたします。
※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア