馬場紀衣

文筆家。12歳で海外へ単身バレエ留学。University of Otagoで哲学を学び、帰国。筑波大学人文学類卒。在学中からライターをはじめ、アートや本についてのコラムを執筆する。舞踊や演劇などすべての視覚的表現を愛し、古今東西の枯れた「物語」を集める古書蒐集家でもある。古本を漁り、劇場へ行き、その間に原稿を書く。古いものばかり追いかけているせいでいつも世間から取り残されている。

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屋根で、井戸で、死者を呼ぶ。あなたも今日からできる!?禁断の「魂呼」とは

父親の目の前には、娘が横たわっている。その日は雨が激しく降っていたが、父親はかまうことなく陰陽師を屋根に上らせて魂を呼びもどすように命じた。父親というのは平安時代に権力の絶頂を極めた藤原道長。亡くなったのは娘の嬉子(きし)。屋根の上で雨に打たれていたのは、陰陽師の中原恒盛(なかはらのつねもり)である。

古くは平安時代の『小右記』や『栄花物語』にも登場する「魂呼(たまよばい)」とは、読んで字のごとく魂を呼ぶこと。なにせ相手は魂なので、呼んだからといって毎回もどってくるとは限らない。が、いつか私にも試さずにいられない時が来るかもしれない。死人を蘇らせる禁断の儀礼、伝授します。
馬場紀衣

波津彬子先生、画業45周年記念取材!「不思議」の集まる波津先生の家の方へ

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アイロンに漂白、オーガニック石鹸。江戸の洗濯事情を洗いざらいご紹介

衣服の重要性を説いた見事な表現に「衣服は身のおもてなり」という言葉がある。私が考えたわけではなく『大和俗訓(やまとぞくくん)』という本に書いてあった。著者は儒学者、貝原益軒(かいばらえきけん)。彼はこうも書いている。「正しからざる服著(ふくき)たるは、心の内見えてはづかし」さすが学者なだけあって、立派なことをいう。垢のついていない、洗濯された清潔な服を着ることは、じつはそれ以上に大切な意味があるのだ。

この本が書かれた江戸時代、じつはすでに石鹸もあればアイロンもあった。いったい江戸の人たちは、どんな洗濯をしていたのだろう。すこし様子を覗いてみよう。
馬場紀衣

Immortality at a Terrifying cost: The Horrifying Ingredient of the Legendary Elixir, ‘Jikan’

馬場紀衣

母は山姥、父は龍!? 知っているようで知らない『金太郎』の真実

桃太郎、浦島太郎、力太郎、三年ねたろう……日本昔話はどういうわけか太郎と名のつく男たちでひしめいている。なかでもひときわ異彩を放つのが、金太郎だ。その活躍ぶりは民謡でもお馴染みだが、金太郎がどんな人物だったかと聞かれるといまいちはっきりしない。まさかり(大きな斧)を担いで熊と相撲をして、それから?
太郎史上もっとも立派な名前をもっているというのに全貌がつかめない。いったい金太郎はどこで生まれ、誰に育てられ、なにを成し遂げ、昔話になったのか。今回紹介するのは、知っているようであまり知らない『金太郎』秘話である。
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男と女が混ざりあう、中世のユニークな「異性装物語」――麗しい主人公たちの幸せとは?

ゲーム、アニメ、漫画。日本は世界が注目するコンテンツ大国だ。新しい作品もいいけれど、古い中にも良作はかなりある。たとえば性別をとりちがえた、そっくりの男女のきょうだいが騒動を巻き起こす『とりかへばや物語』。男装の姫君が男と女の一人二役をこなす『在明の別』。女装して想い人に近づく『児今参り』。二つの性がゆらぐ異性装の物語は古典文学のなかでも格別にユニークだ。なにせ、圧倒的な美貌でセクシャリティをひょいと飛び越えてしまうのだから。
馬場紀衣

天人が持参した箱の中身は? かぐや姫に隠された「玉手箱」ミステリー

開けてはならないと言われると、開けたくなる。それが人の性というものだ。開けてはならない箱としてもっとも有名なのは、おそらくギリシャ神話のパンドラの箱。日本なら浦島太郎の玉手箱。そしてもう一つ『竹取物語』にも玉手箱が登場する。
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夜な夜な息を吹き返す死者たち。恐ろしき日本版ゾンビの物語

人は死んだらどうなるのだろう。魂の行方はいざ知らず、肉体は朽ちていずれ骨になる。死、それは肉体の終焉である。……ほんとうに?
その死体、もしかすると息を吹き返すかもしれない。そんな恐怖から生まれたのが生ける屍、つまりゾンビである。今回紹介するのは腐った肉体で動きまわる、日本のゾンビたち。
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そんな理由で地獄行き!? 納得できたりできなかったりな「罪人」事情

自分を根っからの善人と信じているわけではないけれど、できることなら地獄へは行きたくない。地獄では罪人が釜ゆでにされたり、体の皮をはがされたりすると伝え聞いている。恐ろしい場所である。想像するだけで肌がチリチリ焼けそうだ。
でも、もし、万が一にも地獄行きが決まったのなら、せめて納得できる理由があってほしい。もちろん、道理にかなっていても地獄になんて行きたくはないけれど。
ということで、今回紹介するのは思わぬ理由で地獄行きが決まった者たちの物語。
馬場紀衣

歌舞伎にもなった江戸の刃傷事件「伊勢油屋騒動」。一夜のすれ違いが生んだ惨劇とは?

寛永八(1769)年五月四日の夜。遊郭「油屋」にて九人が立てつづけに刀で斬られ、うち三人が死亡。犯人は自殺。事件からわずか十日後、事件は芝居になった。巷でたちまち評判となった、その名も「伊勢油屋騒動」。
その夜、油屋ではいったいなにが起こっていたのか? 犯人の動機は? 被害者はなぜ殺されたのか? 恋に嫉妬に狂った男が引き起こした残忍な事件を紐解いてみよう。
馬場紀衣

The Miracle Remedy Bestowed by the mystical creature, Kappa: ‘Kappago’

When the weather is warm and sunny, we long to escape to somewhere cool—perhaps the sea or a river. You might just have a fateful encounter near the water. And that encounter might be with a Kappa (河童). If you should meet one, you'll definitely want to make friends. After all, they possess a secret, miraculous medicine. If you're lucky, they might give you the remedy or teach you how to make it. The medicine is called Kappago (河童膏), a legendary miracle cure directly from the Kappa, said to be effective for bruises, sprains, and fractures.
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曲亭馬琴も参加!珍品を愛でる江戸の文人サロン「耽奇会」へようこそ

古いものには筆舌に尽くしがたい魅力がある。そのものに刻まれた歴史が、隠された物語が、目には見えない不可思議な力となって人を夢中にさせるのだ。それが世にも珍しいものなら、なおさらだ。

江戸時代、珍品奇物を持ちよって論評しあう「耽奇会(たんきかい)」という集まりがあった。古物好き珍品好きにとっては夢のようなサロンである。しかも参加メンバーは時代を代表する文化人ばかりときている。あぁ、私もぜひ参加したい!
馬場紀衣

生き埋め、身投げ、人柱。日本各地に残る、かなしき人柱伝説

世の中には理不尽なことがたくさんある。それが人によってもたらされたものなら腹を立てながらもどうにかやりすごせるが、海神や神の御使いによるものだとしたら泣きたくなる。泣くだけで済めばまだいい。釈然としないまま生贄として捧げられたり、生き埋めにされたり、人柱に選ばれでもしたら、泣くに泣けない。
今回紹介するのは、そんな不幸な死にかたをすることになった者たちの物語。海、沼、地中、橋のたもと……あちらこちらから聞こえてくる、亡霊たちの叫び声に耳をすませてみたい。
馬場紀衣

By the Water’s Edge: The Significance Of Riverside Encounters in Japanese Folktales

In classic Japanese folktales, the image of an old woman doing her laundry by the river is a familiar one. In Momotaro (桃太郎), the story begins with a line that has become iconic: “The old man went to the mountains to gather firewood, and the old woman went to the river to do the laundry…”
The riverside laundry spot is not only a place for washing clothes; it is also a place of encounters. In the tale of Momotaro (Peach boy), had the old woman not gone to the river, she would never have met Momotaro. In Hanasaka Jiisan (The old man who made flowers bloom), the puppy also comes floating down the river.

However, not every encounter leads to a happy ending. In Momotaro the old woman who was lucky enough to catch the peach at just the right moment might be considered fortunate, there are also examples where an encounter by the water has brought misfortune. Let’s begin by unpacking the gate of such folktales that start with 'laundry by the riverside'.
馬場紀衣

Why so small? Tiny but mighty – the miniature sized heroes of Japanese folktales

Folktales are fascinating. They feature strange heroes that couldn't possibly exist in the real world, leading us through unpredictable plots. Issun-boshi (一寸法師), Momotaro (桃太郎), Kaguya-hime (かぐや姫)... each is a unique character in their own right, but for some reason, it feels like many Japanese folktales have small protagonists. Despite their size, they accomplish more than any adult could—tiny but mighty.
So, why were they born so small? Let's explore the mystery of Japan's tiny heroes.
馬場紀衣

月のうさぎが作っているのは餅ではないかも? 伝説の起源と意外な友達も紹介

月にはうさぎが住んでいる。しかもそのうさぎ、餅をついているという。そんな伝承が日本には古くからある。
月を見たことは何度もあるが、月に住むうさぎの方には会ったことがないので事情は知らないが、うさぎはどうして餅をついているのだろう。それで生計を立てているのだろうか。というか、なぜ餅? 一説には、うさぎが作っているのは餅ではなく不老不死の仙薬ともいわれている。

今回紹介するのは謎に包まれた月兔の物語。餅つきするうさぎと仙薬を作るうさぎ。月にいるのは、どっちのうさぎなのか。いつから月にいて、どうして月にいるのだろう。
馬場紀衣

A senior’s guide to life: Is it wise to temper your desires? Lessons from an Edo-Period Medical Text, Rojin Hitsuyo Yashinaigusa

Japan is a country with a long life expectancy, but that’s a modern phenomenon. During the Edo period, the average life expectancy was around 40 years, which is considerably shorter than today. However, historical figures like Tokugawa Ieyasu (徳川家康) lived to be around 73, Sugita Genpaku (杉田玄白) reached 85, and Katsushika Hokusai (葛飾北斎) lived to be 90. This makes you wonder how senior citizens in the Edo period managed their daily lives.
馬場紀衣

だんごとサツマイモの三角関係? 「芋」にまつわる江戸時代の爆笑物語集

芋。それは私たちの胃を掴んで放さない食材である。芋の歴史は古く、江戸時代にはすでに日本人に馴染みのある食材だった。その事実を物語るように江戸時代に大流行した大人向けの絵入り本、黄表紙には「芋」と名の付く作品が多くある。
今回は数ある「芋話」の中から厳選した物語を紹介。美味しくて笑える、ユニークな芋たちの活躍ぶりをご覧あれ。
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