馬場紀衣

文筆家。12歳で海外へ単身バレエ留学。University of Otagoで哲学を学び、帰国。筑波大学人文学類卒。在学中からライターをはじめ、アートや本についてのコラムを執筆する。舞踊や演劇などすべての視覚的表現を愛し、古今東西の枯れた「物語」を集める古書蒐集家でもある。古本を漁り、劇場へ行き、その間に原稿を書く。古いものばかり追いかけているせいでいつも世間から取り残されている。

全177件、1-18件を表示中

日本版『ロミオとジュリエット』も?身分差が招いた、江戸の悲劇の物語

出会った瞬間に恋に落ちたロミオとジュリエット。愛を誓いあうふたりを阻むのは家同士の対立だった。シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』は今なお、人びとの胸をうつ名作だ。
舞台は華やかなイタリアではないし、主人公も洒脱な名前ではないけれど、じつは日本にもよく似た恋愛悲劇がある。恋と家とがからみあう悲恋物語『妹背山女庭訓』である。忍ぶ恋だけが日本の恋だと思っていませんか。激しく燃え上がる恋の行方はいかに。
馬場紀衣

結婚するなら恐ろしい妻が正解!婚活に悩む「昔話の男性たち」に贈るアドバイス集

まず、婚活が行き詰まっている男性(昔話限定)にアドバイスすることは「恩を売りましょう」ということです。昔話の世界においては、善行を積んで損をすることはありません。狐も鶴も魚も恩を忘れることなく、必ず返しにきてくれます。これこそ、出会いのチャンス。
そして結婚相手には、恐ろしい女性を選ぶこと。恐ろしい女性こそが理想的な妻であるからです。その理由をご説明しましょう。
馬場紀衣

乳の関係は血より濃い?実録・江戸の幕臣小野家の出産レポート

いま、私の手もとには他人の家の出産レポートがある。その名も『官府御沙汰略記』。江戸時代の武士である小野直方が日々のあれこれを綴った、いわば日記帳である。
他人の家の出産現場に遭遇することなんてそうないし、ましてや子どもが生まれてからのめくるめく日常を聞き知る機会はあまりない。どんな家庭にもドラマがあるものだが、たいていの場合は屋根に隠され、扉に閉ざされているものである。いったい女性たちはどんなふうに出産し、どんな思いを胸に秘めていたのか。今回紹介するのは、幕臣小野家のお話。実話である。
馬場紀衣

本日、往生致します。幸か不幸か自分の死期を知った者たち

自分はいつ死ぬのか。それが分かっていたら、生きかたも変わるだろうか。今よりもっとましな人間になれるだろうか。
馬場紀衣

鬼なのに虎のパンツ禁止?まるで人間界のような、世知辛い地獄の暮らし

絵で見たり話しに聞いたりする地獄はすさまじい場所だ。鬼に追われ、針山に落とされ、鉄の縄で焼かれる。生者は門前払いの闇世界。しかし、鬼たちはなにも好き勝手に人を苦しめているわけではない。傍若無人に見えるその裏で不自由を強いられているのだ。地獄行きの罪人にそれぞれの事情があるように、地獄の鬼たちものっぴきならない事情を抱えている。そう、地獄で働くのも楽じゃない。
馬場紀衣

美貌の悪女、お百の大罪。悪運が強すぎた生涯と謎の正体に迫る

どうしてか私たちは悪い女がとても好きだ。映画でも小説でも舞台でも、毒婦と呼ばれる女はいつの世も必ず生まれ、愛される。
夫のいる身でありながら、ほかの男性とよろしくしている、とか。とてつもない美貌で男をたぶらかす、とか。犯罪に手をそめるもなぜか逃げとおせる、とか。人はどうしてそんな面倒くさい女のことをわざわざ読んだり観たりするのだろう。
お百は、まさに江戸時代を代表する悪女だった。そして人間ではなかった、かもしれない。
馬場紀衣

え、それが原料…江戸の「怪しい」秘薬に込められた切なる願いとは?

いつの世も、人のいるところに病あり怪我あり。
江戸時代、薬といえば漢方薬だった。オランダ由来の薬もあったし民間療法もあったけれど多彩かつ雑多な薬のなかには、効能も成分も怪しい薬がたくさんあった。なかには現代人の感覚ではちょっと信じられない処方箋も。
現代ほど医療が発展していなかった時代だからこその薬、ちょっと覗いてみませんか。
馬場紀衣

まるで日本版『ガリバー旅行記』!異形異風の国を巡る珍道中『風流志道軒伝』

昔話に出てくるのは海底世界に地下の楽土、それから月世界。どれも魅力的だけど私には行ってみたい場所があって、それが『風流志道軒伝(ふうりゅうしどうけんでん)』に登場する異形異風の国々。旅先は「大人国」に「小人国」。
あれ、なにかに似ている? そう『ガリバー旅行記』(作ジョナサン・スウィフト)である。
しかし『風流志道軒伝』は日本生まれの物語なだけあって、どことなく和の雰囲気が漂う。旅人の名は、浅之進。いざ、浅之進と共に不思議の国を渡り歩いてみよう。
馬場紀衣

「浦島太郎」からの「鶴の恩返し」からの「竹取物語」?貝と人間のラブストーリー『蛤の草紙』がおもしろい!

むかしむかし主人公は助けた蛤に求婚され、蛤は美しい布を織りあげ、天からお迎えが……ん? この話どこかで読んだことがある。
御伽草子のひとつ『蛤の草紙』は、子どもの頃に読んだあれとかこの昔話を寄せ集めたような物語。しかし、唯一無二のおもしろさがある。なにしろ主人公に求婚してくる美女が、蛤(はまぐり)である。貝と結ばれた男の不思議な昔話をご紹介。
馬場紀衣

夢の世界は水の中、山の中にも。異世界を垣間見た昔話の人びと

昔話でもっとも有名な水中世界といえば、あの浦島太郎も訪ねた竜宮城を思いだすにちがいない。しかし水中には、もっと煌びやかな場所がある。そこでは瑠璃と珊瑚の玉が敷かれ、香しい花々が咲いている。
今回ご紹介するのは、知られざる夢のような世界。うっとりするほど華やかで、ぞっとするほど奇妙で、手土産まで頂ける。想像を超えた不思議な場所へご案内します。
馬場紀衣

Phantom Bottom-Pinchers and an All-Male Species? Unmasking the Mischievous Water Kappa Spirit

馬場紀衣

その幸せ太りには理由がある。食べられそうになった僧の華麗なる反撃

幸せ太り。それは、ただ太っているのとはちがう。心の満たされた、幸せな不幸である。でも、その幸せ太りにべつの理由があったとしたら?たとえば愛に満ちた、悲しくて恐ろしい理由が。
馬場紀衣

上から下から流しこまれる塩、塩、塩!江戸時代の罪人を震わせた塩漬けの刑とは?

前々から、これを超える残酷な刑はそうないだろう、と思っていたのがある。江戸時代に行われた「塩詰」である。口と肛門、ときにはえぐり出した目玉の穴から塩を詰めこみ、死体を塩漬けにするのだ。漬物みたいに人間を塩に漬けるなんて、とんでもない所業に思えるが江戸時代にはしばしば見られた。
いったいどんな罪を犯せば、塩漬けにされるのか。そもそも、なぜ塩なのか。大量の塩を詰めこまれた肉体は、どうなるのか。塩漬け死者が目を覚まさないように、すこしだけ記録を掘り起こしてみたい。
馬場紀衣

たかが石、されど石。「下を向いて」歩きたくなる、黙っていられない「石の伝説」

おもしろい石を見つけたとき、私の心はときめく。出合いは突然やってくる。だから私は下ばかり見て歩いている。
石は硬い。そして、もの言わない。もし石に性格があるとしたら、きっと寡黙で堅物な奴にちがいない。人間ならば信用に値するが、なにせ石なので恋の相手にはならない。が、道具にはなる。石をお守りにする人もいる。石は想像よりずっと役に立つ。石にまつわる物語を知れば、もしかすると石を相手に恋だってしたくなるかもしれない。
馬場紀衣

呪い?いいえ治療です。かつて人の隣にいた、いとしき化かし狐たち

あるときは妖怪。またあるときは神の使い。あるいは、ただのいたずら好きかもしれない。化けたり騙したりと古くから人間を翻弄してきた、狐。ずる賢くて意地悪、そんなイメージがあるのは狐のまわりで引き起こされる怪異のせいかもしれない。
とはいえ狐だって人間と同じで三者三様。良いのも悪いのも、変わった狐だっている。今回紹介するのは人の世と交わりたいと切望する、いじらしい狐たちの物語。
馬場紀衣

江戸人も歯が命?みがきすぎたり○○の腕を磨いたり、意外すぎる江戸の歯みがき事情

朝、歯をみがいた。昼にもみがくし、夜もきっとみがくだろう。私は心底、歯医者が嫌いである。子どもの頃の歯みがきは今よりずっとテキトーだった。わざわざ歯医者へ行く理由をつくっていたかつての自分を思うと、おそろしい。

それで、ずっと気になっていたことがある。昔の人は歯をみがいていたのだろうか。日本はかつてお歯黒の国だったと伝え聞く。歯を黒くすることと白くすることは、まったく反対のことのように思う。あの黒さは(といっても本物を見たことはないが)そんじょそこらの歯みがき粉で落ちるのだろうか。というか歯みがき粉は売っていたのか。そもそも、どこで買えたのか。
馬場紀衣

想いが募るあまり息絶える。純な心が招いた『松浦佐用姫』の悲恋

松浦佐用姫をご存知でしょうか。日本三大悲恋伝説といえば『羽衣伝説』『浦島伝説』そして『松浦佐用姫伝説』。松浦佐用姫は日本を代表する、恋する女なのである。悲恋といっても男が心変わりしたとか、ふられて捨てられたわけではない。それどころか男は、おそらく生きて幸せに暮らしている。永遠の悲恋物語と称される松浦佐用姫。清らかすぎる恋心が招いた悲劇とは。
馬場紀衣

怪しいほどに美しくとも、赤ん坊を連れていようとも…橋ですれ違う鬼女に気をつけるべき理由

私には絶対に会いたくない相手がいる。それも数えられないほどいる。まずは幽霊。そして死神。なにより、鬼である。幽霊なら見ないふりができる。死神は背後にいるからそもそも見えない。しかし、鬼はだめだ。アレは前からも後ろからもやって来る。藪をのぞいたら鬼、山中で迷ったら鬼、扉を開けたら鬼。鬼はどこにでも出没する。恐ろしい。それに、会いたくない相手にこそ出くわしてしまうのが世の常だということを私は知っている。

私のように鬼を避けて生きたいと望む人が気をつけるべき場所がある。橋だ。 今回紹介するのは鬼に出くわした不幸者たちの話。これを読んで、来たる鬼との邂逅に備えておきたい。「和樂web」は読者の安全を守ります。
馬場紀衣

人気記事ランキング

最新号紹介

10,11月号2026.09.01発売

愛♡日本美術の超名品100

※『和樂』6/7月号「和樂スタッフの「推し民藝」P75「『勝山スズ竹伝統工芸』の米とぎザル」の記載に誤りがありました。
(誤)静岡(正)山梨 となります。お詫びして、訂正します。
※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら。
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア