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2019.10.01

日本の名建築が大集合!全国かわいい建築選手権!

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“かわいい”とは、愛すべき存在の総称!? ならば、日本にはいろんなかわいい建築が溢れていますね。そこで、日本全国津々浦々から、和洋とりまぜ、愛おしくかわいい建築を探してみました。神に捧げる目的もあれば、訪ねてきた人を歓迎するためのものも…先人たちが思考を重ね、つくり出してきたものには独特のかわいさがあります。唯一無二の存在感を誇り、日本の歴史を語る名建築を、どうぞご覧ください!

【前編】はこちらから!

6 旧開智学校校舎(長野県)

文明開化を寿ぐ学び舎、キッチュでかわいい

日本建築Alamy/PPS通信社

旧開智学校は、明治6(1873)年に開校した小学校です。現在の校舎は明治9(1876)年に建てられたもので、工事費は当時で約1万1千円! しかも7割が松本町民の寄付という、学び舎にかける意気込みが感じられる建築です。ステンドグラスあり、ランプありと、文明開化で意識的に洋風を取り入れようとした装飾がなんともかわいい。校舎正面にある、微笑みを誘う龍の彫刻や、天使は必見です。

■旧開智学校校舎(きゅうかいちがっこうこうしゃ)
公式サイト

7 八千代座(熊本県)

華やかな天井絵とシャンデリアがかわいい

日本建築Photo/Okamoto Takashi

明治43(1910)年に山鹿(やまが)の実業家たちにより建設された芝居小屋・八千代座(やちよざ)。天井には色鮮やかな旦那衆たちの店の広告絵や、真鍮(しんちゅう)製のシャンデリアが施され、サイドには提灯(ちょうちん)が掛かっています。また、ドイツ製のレールを使った廻り舞台や、枡席(ますせき)、花道など、舞台機構には江戸の芝居小屋の様式の名残があります。一時は老朽化が進んでいた劇場でしたが、1990年から始まった坂東玉三郎の公演が復興への大きな追い風となりました。さらに1996〜2001年の大修理で、明治のロマン溢れる劇場空間が復元されたのです。

■八千代座
公式サイト

8 岩手銀行赤レンガ館(岩手県)

赤レンガに白花崗岩の対比がかわいい

日本建築

東京駅の設計で知られる辰野金吾(たつのきんご)と葛西萬司(かさいまんじ)が手がけ、明治44(1911)年に完成。国の重要文化財ながら、現役の銀行として2012年まで営業していたことでも知られています。営業中はそっとうかがい見るしかなかったのですが、修復を経て、現在は展示施設および多目的ホールとして公開されるようになりました。エントランスホールに代表される手の込んだ内装も見ごたえあり。青森ヒバを使った木材の風合いも素敵です!

■岩手銀行赤レンガ館
公式サイト

9 臥龍山荘(愛媛県)

発想豊かな遊び心がかわいい

日本建築Photo/Abe Hiroshi

愛媛県大洲(おおず)市を流れる肱川(ひじかわ)。その流域に佇むのが、臥龍山荘(臥龍院・不老庵・文庫)です。明治時代の大洲出身の貿易商・河内寅次郎(こうちとらじろう)が、3000坪の敷地に別荘として建てました。京都の茶室建築家・八木甚兵衛(やぎじんべえ)を相談役に、桂離宮や修学院離宮を参考に設計した、数寄屋(すきや)建築です。随所に手の込んだ造りや遊び心が。明治30年ごろから大洲藩の作事方の家系を継ぐ中野虎雄(なかのとらお)や、職人集団の「千家十職(せんけじっしょく)」の手により、築造されました。茶室・不老庵は、臥龍院から庭園を抜けて少し離れた、肱川の臥龍淵を見下ろす場所に立っています。川へせり出すように佇むこの茶室は、肱川に浮かぶ船に見立てているとか。

■臥龍山荘(がりゅうさんそう)
公式サイト

10 伊根の舟屋(京都府)

海にせり出して立ち並ぶ舟屋がかわいい

日本建築

京都府丹後半島の東端の伊根(いね)湾に沿って立ち並ぶ、約230軒の民家・舟屋(ふなや)。この地方は、海の出入り口にある青島が、防波堤の役割を果たしています。そのため、年中穏やかで潮の干満の差も少なく、漁業が発展しました。伊根の人々にとって漁業は、暮らしを支える大切なものです。舟屋の1階は出漁の準備などをするための作業場や船置き場で、2階が居室。1階は海側に傾斜した石敷きのスロープが設けられており、そのまま船は海上に出られるようになっています。土台や柱には椎(しい)の木が、梁(はり)には松の原木が使われています。また、通りを隔てた山側には母屋があり、山側と海側を行きするのが伊根のライフスタイルなんだとか。

■伊根の舟屋
公式サイト

【全国かわいい建築選手権ベスト10 前編】はこちらから!