CATEGORY

最新号紹介

10,11月号2024.08.30発売

大人だけが知っている!「静寂の京都」

閉じる

Craftsmanship

2024.09.27

柳宗悦も愛した東北民藝を堪能する街歩きへ【民藝の息づく街を訪ねて・盛岡編その3】

東北民藝の聖地・盛岡。民藝の息づく街を訪ねて・盛岡編第3回は、柳宗悦も「民藝の宝庫」と評した、素朴で慎ましやかな東北民藝に出会いに、街を歩きます。

「民藝の息づく街を訪ねて」シリーズ一覧はこちら

盛岡の民藝や手仕事はこんなに個性豊かです

南部鉄器からホームスパンまで… 見ているだけで心浮き立つ

東北民藝の聖地という名にふさわしく、これだけ幅広いバリエーションの民藝や手仕事がそろう街は、全国を見渡しても、そうはありません。東北地方は冬が長く、農民たちが農閑期を利用して手工業に従事してきたことから、職人の技術が発展しました。厳しい気候や交通の不便のもとでも、人々がつくったものは、素朴で慎ましやか。そんな日用品に柳宗悦も魅了され、「民藝の宝庫」と評したといいます。盛岡の代表的な民藝や手仕事は、確かに、並べてみると心が温まるものばかり。また「ござ九・森九商店」や「釜定」がある紺屋町は、南部藩時代、盛岡城下を通る奥州街道に沿って発展した町人町。昔の趣が残っているので、今でも歩くだけで、当時の雰囲気が味わえます。

「ござ九・森九商店」の>岩手産の竹製弁当カゴと地ほうき

左/さまざまな用途で使える人気の逸品。岩手産の鈴竹でつくられた弁当カゴ。さらりとした表面は手触りもよい。竹製弁当カゴ(大)4,950円、(小)4,400円/ござ九・森九商店 右/岩手農家で生まれたほうきもろこしを材料にした、穂の縮れが強く、ゴミやホコリがかき出しやすいのが特徴。テーブル用などにぴったりのミニサイズ。地ほうき3,850円/ござ九・森九商店

「うるみ工芸」の浄法寺塗の片口と椀

左/思わず日本酒が進みそう! 1.5合サイズなので、鉢の代わりにも。木地はトチノキ。片口(1.5合)¥30,800/うるみ工芸 右/浄法寺塗(じょうぼうじぬり)のマットな風合いが際立つ椀。種類豊富な椀の中でも、定番の「浄法寺椀」は、径11.5㎝と程よい大きさと手にフィットしやすい形で人気。木地はケヤキ。「浄法寺椀」各¥15,4000/うるみ工芸

「蛭子屋 小野染彩所」の南部古代型染のブックカバーとコースター

左/ユニセックスで使えるからお土産にぴったり! どこかグラフィックでモダンな印象に心惹かれる。ブックカバー(文庫本サイズ/右から、平等院、亀甲柄)各¥3,300/蛭子屋 小野染彩所 右/まず暮らしに取り入れるならこれ。さまざまな紋様のコースターで、食卓を華やかに彩って。コースター(上から、千羽千鳥、笹七宝、南部萩)各¥440/蛭子屋 小野染彩所

左/ござ九・森九商店。中/うるみ工芸。右/蛭子屋 小野染彩所

【店舗情報】ござ九・森九商店

ござく・もりくしょうてん
昔ながらの生活道具がずらりと並ぶ「ござ九・森九商店」。文化13(1816)年より、ザルやほうきといった荒物や日用品を扱う。建物自体も景観重要建造物に指定されており、藩政時代からの盛岡の姿を肌で感じられる。写真のほかにも、90代の職人が編む遠野のわらじなど、店を通して、東北を中心とした手仕事の文化を伝えたいと願う。
住所:岩手県盛岡市紺屋町1-31 
電話:019-622-7129
営業時間:8時30分~16時30分
休み:日曜
http://morioka539.com

【店舗情報】うるみ工芸

うるみこうげい
マットな風合いが特徴の浄法寺塗を製作する「うるみ工芸」。漆の一大産地である二戸(にのへ)。「浄法寺塗」は、奈良時代よりこの地にある天台寺の僧侶が使うために、つくられたといわれているが、それを唯一盛岡で製作する。マットな本朱(ほんしゅ)と溜(ため 黒に近い茶)の上塗りが特徴で、ほかのうつわと相性もよい。
住所:岩手県盛岡市中央通2-9-23
電話:019-654-4615
営業時間:10時~17時
休み:日曜 
http://www.urumi.jp/

【店舗情報】蛭子屋 小野染彩所

えびすや おのせんさいしょ
南部古代型染を400年以上にわたり継承「蛭子屋 小野染彩所」。武田家の一族である南部家の御用染師として始まった蛭子屋。南部古代型染は藩士の豪快な気性を思わせる、ダイナミックで縁起のよい文様が特徴で、今ではさまざまな日用品にもアレンジされている。男性人気も高い。
住所:岩手県盛岡市材木町10-16 
電話:019-652-4116(代表)
営業時間:10時~17時30分
休み:日曜、年末年始
https://katazome.jp/

撮影/篠原宏明 構成/湯口かおり
※本記事は雑誌『和樂(2021~2022年12・1月号)』の転載です。
※表示価格はすべて税込価格です。掲載商品には1点ものや数量が限られているものがあり、取材時期から時間がたっていることから、在庫がない場合もあります。そのため、掲載商品の在庫がないもの、価格変更の可能性があるものは、「参考商品」と表記しています。
※営業時間や休みなどが変更になっている場合があります。お出かけの前に最新情報を確認してください。

Share

和樂web編集部

おすすめの記事

「民藝のプロデューサー」吉田璋也の息吹は今もなお。鳥取・民藝館通り【民藝の息づく街を訪ねて・鳥取編その2】

和樂web編集部

実りの気配と、温かみを。二十四節気「秋」 【一生愛せる「うつわ」と出合う・その9】村田森(5)

和樂web編集部

「不完全なもの」に心惹かれて。【一生愛せる「うつわ」と出合う・その11】村田森(7)

和樂web編集部

僕の好きな石が日本画の顔料だった!ゴッホも魅了した色のヒミツ  阿部顕嵐が語る「あらん限りの歴史愛」vol.11

連載 阿部顕嵐

人気記事ランキング

最新号紹介

10,11月号2024.08.30発売

大人だけが知っている!「静寂の京都」

※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア