Craftsmanship

2025.02.19

こんな店となじみになりたい! 人気スタイリストchizuさんと骨董の名店「ユキ・パリス コレクション」へ【手仕事の京都】

骨董尽くしは窮屈だけれど、いつもの食卓に小さなうつわをひとつふたつといった使い方なら親しみやすいはず。「手仕事の京都」では、室内スタイリングの先駆者であるスタイリストのchizuさんと、タイプの異なる4軒の骨董店を訪ねました。chizuさんならではの骨董店でのモノ選びと、即興コーディネートに注目です!

「手仕事の京都」シリーズ一覧はこちら

西洋アンティークと東洋骨董、ときめきがつまった唯一無二の店「ユキ・パリス コレクション」

京都生まれのユキ・パリスさんは、1970年、大阪万博で勤務後にデンマークに移住。以後、数々の展覧会のキュレーターやコーディネーターとして活動の傍ら、欧州各地で針仕事の作品や道具などを蒐集(しゅうしゅう)してきました。

そして2002年に銀閣寺や法然院(ほうねんいん)に近い哲学の道のすぐ脇に、針仕事品を展示する小さなミュージアムと、アンティークショップからなる「ユキ・パリス コレクション」をオープン。今でもデンマークと京都の往還生活を続けています。

「不在でも店主の存在を感じる、こんな店となじみになりたい」(chizuさん)

左/ミュージアムの入場料は600円。「こんなものまで手仕事!?」と驚く品々が展示されている。右/ 「アクセサリーから江戸時代の屛風など、国、時代、ジャンルはさまざまですが、雑然と見えないのは店主の審美眼が貫かれた商品構成だからでしょう」とchizuさん。

「ユキさんがいらっしゃるときにお話をさせていただいたことがありますが、ご本人が形になったようなお店ですね。ユキさんご不在でも、人と成りが伝わってきます」とchizuさん。

それをひと言で表すなら〝エレガント〟。日本のもの、東洋のもの、西洋のもの、どれも繊細な手仕事が施されていたり、優美でデザイン性が高いものばかりです。

北欧デザインの父 ヘニング・コッペル作!

ポット、ミルク&シュガー、トレーの4点セット125,000円。1960年代のジョージ・ジェンセンのもの。

ドアを開けた瞬間から色とりどりのアンティーク品が目に飛び込み、宝探しをするようで心が躍るはず! 時間がいくらあっても足りなさそうです。
「ブローチやネックレスなど、身近に楽しめるものもたくさんあるので、骨董初心者でも訪問しやすいと思います」(chizuさん)。

chizu’s select ジャンルや点数が多い店は、テーマを決めて眺めるといい。

今回はティータイムに何か…という眼でセレクト。デザイン集団のバウハウスによるミルク&シュガーのセットに惹かれ、テイストの合うケーキ皿とフォークをセレクトしました。
シンプルななかにもエレガンスが感じられる品々です(chizuさん)。

左/chizuさんが選んだ、ピューター製3点セット35,000円は1920年代のもの。ロイヤルコペンハーゲンのケーキ皿1枚3,500円、ハンス・ハンセンデザインの純銀フォークは6本セットで65,000円。右/ブローチやネックレス、カフスなど、1900年代のアクセサリーも豊富。フローライトという石のネックレス58,000円はオリジナル。

長い間人々を魅了してきた輝きは失せることなく、今も心をときめかす

庭に面したリビングのような店内。築100年を超す日本家屋を店舗に利用。

【profile】chizuさん
1955年、九州生まれ。スタイリスト。食やインテリアを中心にしたスタイリストのパイオニア。店舗や商品開発にも携わる。著書に『私をぐっと素敵に見せる大人のおしゃれのひとさじ』(PHP研究所)が。

ユキ・パリスコレクション

住所:京都府京都市左京区浄土寺南田町14
電話:075-761-7640
営業時間:11時~18時
休み:水・木曜・8月
公式サイト:https://yuki-pallis.com/

※本記事は雑誌『和樂(2024年4・5月号)』の転載です。
※掲載価格はすべて税込で、価格や営業時間などは変更される場合があります。お出かけの前にご確認ください。

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和樂web編集部


構成/小竹智子 撮影/篠原宏明
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