「切羽詰まる(せっぱつまる)」。追い詰められて、どうにも逃げられなくなる状態を指す慣用句です。
でも、「詰まる」は何となくイメージが湧くけれど、「切羽」って何のことなのでしょう?
切羽は刀の部品
切羽とは、刀の部品の1つです。薄い金属で作られていることが多く、鐔(つば)の表裏に必要な枚数を挟んで、鐔を固定するためのものです。
通常は小判のような形をしていますが、平安時代などの太刀の形式では、四方に「猪目(いのめ)」というハートのような模様が施された、おしゃれな「大切羽(おおせっぱ)」が見られることもよくあります。
切羽は詰まらせるのが大事
切羽は、鐔ががたつかないようにする、いわば詰め物のような役割を果たします。だから、切羽は「詰まらせる」ことがとても大切なのです。
時代劇などで、刀を構えるときに「ちゃき……」とかっこいい音がしますが、実際には音はしません。切羽が仕事をしてくれているからです。
でも、効果音としてはとても雰囲気のあるものなので、これからも「ちゃき……」を聞くのを楽しみたいですね!
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