スペイン製タイルが映える店内
まず目に入ってきたのは、壁面の深いグリーンのタイル。スペイン製のハンドメイドタイルを使用していて、ディスプレイされたバッグと美しく調和しています。床の素材は再利用した木材で、タイルと共に保存と継承のクラフトマンシップの理念を表現しているそうです。
「ロエベ リクラフト」は、「人と自然の共生」をコンセプトに、サステナビリティを意識した商品やサービスを提供するブランドが集結したフロアにあります。落ち着いた温かみのある色彩や素材は、ゆったりとくつろげるムードを演出しています。
ロエベの革職人が常駐してサポート
店内の一角には革職人が作業するアトリエスペースがあります。今までは店舗へ修理を持ち込んだ場合、大がかりなものは、スペインの工房へ送っていたため、仕上げに日数がかかっていました。ここでは常駐の職人が対応してくれるので、修理の内容によっては即日の受け取りが可能。ロエベの商品なら全て持ち込みができるので、とても安心ですね。
「ロエベ リクラフト」オープンのために、革職人はスペインの工房で研修を行ったそうです。日本の修理の技術も生かしつつ、現地のノウハウを習得する内容だったとか。例えば針の太さなど、大枠は決まっていても、プロセスはそれぞれが、やりやすいやり方を尊重する。この柔軟な姿勢は、「ロエベ」の名前の由来を知ると納得がいきます。1800年後半に、スペインの革工房を訪れたドイツ人の革職人エンリケ・ロエベ・ロスバークは、その技術の高さとデザインセンスに魅了されます。その後、自身の名前で共同工房を統一したことから、現在もブランド名として受け継がれているのです。国にこだわらずに、技術を出し合って、良質な製品を作るスピリットが息づいていると感じます。
良質の革製品だから味わえる第二章
20年のキャリアを持つ革職人が、持ち込みのバッグをクリーニングする様子を、間近で見せていただきました。「私たちはエイジングと呼びますが、このオレンジの革の部分は、最初は同じように見えたと思いますが、変化していますね」。丁寧に専用の布で磨いていくと、自然に作られたグラデーションが、美しく際立ってきます。「ロエベは良質な革を使っているからこそ、このような表情が味わえます。第二章へと移る変化を、育ててもらいたいですね」
革製品というと、雨に濡れた時に慌ててしまうことが多いので、尋ねてみました。「水分をふきとって、しっかり乾燥させることですね。メンテナンスにお持ちいただく場合は、乾燥した状態でお受けしています。実は急な大雨などよりも、霧の方が注意が必要です。革製品をずっと湿気がある状態に置いている状態になるので、避けてもらいたいですね」
余剰レザーと籠のコラボレーション
こちらの店舗では、ここでしか手に入らない限定バッグも販売しています。バッグを作るときに、どうしても出てしまう余分なレザー。この余剰レザーを編み込んで蘇らせたバスケットバッグは、それぞれ1点ものです。世界各国のアンティークの籠を使用していて、タグには原産国や、仕上げるのにかかった時間が記されています。
鮮やかなブルーの余剰レザーが編み込まれたバスケットバッグの籠は、フランスのもの。13時間と書かれていて、職人が費やした時間も込みで、購入する気分になれそうです。
まるでおもちゃ箱!キュートなチャーム
カウンターには色とりどりのチャームやショルダーストラップなどが並んでいて、見ているだけで楽しい気分に。細かく部品が分かれているので、自分の好みでデザインしたものを、カスタマイズして注文することができます。
可愛らしい動物のチャームもありました! バッグをプレゼントするときに、チャームを一緒に付けるのも良さそう。
ロエベの革製品と共に伴走してくれる職人は、頼りになる存在です。ロエベでお気に入りの製品と出合ったら、訪ねてみるのもいいですね。
基本情報
ロエベ リクラフト
場所:大阪阪急うめだ本店8階(大阪府大阪市北区角田町8-7-8階)
アクセス:阪急「大阪梅田」駅から徒歩約3分、JR「大阪」駅から徒歩約4分
営業時間:10:00~20:00
電話番号:06-6361-0237
ロエベ ジャパン クライアントサービス:03-6215-6116
公式ウェブサイト:http://loewe.cm/recraft
「ロエベ リクラフト」のオープンに伴い、長年の愛用者を取材した特集を制作。京都の老舗茶屋「富美代」の8代目女将の太田紀美氏や、茶の湯釜造りを業とする「釜師」の16代目大西清右衛門氏などによるストーリーを公式サイトの特設ページで公開中。