日本文化の入り口マガジン和樂web
4月15日(木)
私は知識人が嫌いです。彼らは上から下へです。私は下から上へです。(フランク・ロイド・ライト)
日本文化の入り口マガジン 和樂web
日本文化の入り口マガジン 和樂web
4月15日(木)

私は知識人が嫌いです。彼らは上から下へです。私は下から上へです。(フランク・ロイド・ライト)

読み物
Gourmet
2019.09.30

セブン-イレブンで一番売れるおにぎりは? 地方によって差はあるの? 大調査!

この記事を書いた人

コンビニの普及により、私たちはいつでも様々なおにぎりを買って食べることができるようになりました。コンビニおにぎりの国内総販売量は年間60億万個。日本人一人あたり、年に48個のコンビニおにぎりを食べていることになります。
コンビニがおにぎりを発売するまでは、おにぎりは家庭で作るものでした。おにぎりを外で買うことも選択できるようになったのは、コンビニおにぎりの普及が大きいと言われています。

その一方で、近年は「日本人の米離れ」が言われていたり、「糖質オフダイエット」の流行で、お米などの炭水化物が敬遠されたり。

今や日本のソウルフードとなった「コンビニおにぎり」に未来はあるのでしょうか?

「おにぎり」、それとも「おむすび」?

ところで、お米を握ったものを「おにぎり」と呼びますか?
それとも、「おむすび」と呼びますか?
「おにぎり」と「おむすび」に違いはあるのでしょうか?

辞書を引いてみると…

小学館の『日本国語大辞典』の「おにぎり(御握)」の項には、「握飯(にぎりめし)をいう丁寧語。おむすび。もと、女性・子供の語。」とあります。そして、語源として、以下のようにありました。

  1. 古くは「にぎりいひ」と呼ばれていた。材料となる御飯が、上代の「いひ」から中古の「こはいひ」を経て、中世には「めし」と呼ばれたように、「おにぎり」も、「にぎりいひ」から「にぎりめし」を経て生じた名称であろう。
  2. 地域的には、西日本では「おにぎり」「にぎりめし」が優勢。東日本では「おむすび」「むすび」が優勢。東京でも、古くは「おむすび」で、「おにぎり」は上方から比較的新しく入ってきたことばが広まったもの。

ちなみに、『日本国語大辞典』の「おむすび(御結)」の項には、「「にぎりめし(握飯)」を丁寧にいう語。」とあります。

むすびかためることからこの言葉が生まれたという説、水をすくう手のひらの形を「むすぶ」といわれることから生まれたという説もあるようです。

コンビニによって、呼び名が違う?

セブン-イレブンでは、「手巻きおにぎり(三角形で、のりがパリパリしているもの)」「直巻きおむすび(最初からご飯にのりが巻いてあるもの)」と区別しています。

ローソンは、平成14(2002)年11月、新潟県産コシヒカリを使った「おにぎり屋」をおにぎりのオリジナルブランドとして立ち上げたことから、基本「おにぎり」と呼んでいます。

ファミリーマートは、平成16(2004)年3月から、オリジナルのおむすびを「愛情むすび」と銘打って商品展開しています。

コンビニ最強おにぎりは「ツナマヨ」

 
コンビニの最強おにぎりは、実はツナマヨおにぎり。
一般社団法人日本おにぎり協会が発表した「2019年コンビニおにぎり人気調査」によると、セブン-イレブン、ファミリーマート、ミニストップ、ローソンのコンビニ4社とも「ツナマヨ」系おにぎりが人気おにぎりの1位に並んでいます。また、各社ともに「ツナマヨ・鮭・梅・昆布」などの定番おにぎりに力を入れていることがわかりました。

セブン-イレブンの売上げデータから人気のおにぎりを探る!

  
セブン-イレブンの2018年度(2018年4月~2019年3月)のおにぎりの総販売個数は22億7,000万個。1日あたり620万個以上のおにぎりが売れているのです!
おにぎりの売上の内容について、株式会社セブン-イレブン・ジャパンに伺いました。

セブン-イレブンおにぎり最強5

 
セブン-イレブンのおにぎりの売上トップ5は、「ツナマヨ」「梅」「おかか」「明太子」「紅しゃけ」です。

年代ごとの販売傾向

 
コンビニエンスストアは幅広い年代の方が利用していますが、年代ごとに売れるおにぎりは違うのでしょうか?

セブン-イレブンの年代ごとの売れ筋おにぎりは以下のとおりです。

  • 20代:ツナマヨ、紅しゃけ、たたき梅肉紀州南高梅
  • 30代:ツナマヨ、紅しゃけ、たたき梅肉紀州南高梅
  • 40代:ツナマヨ、紅しゃけ、たたき梅肉紀州南高梅
  • 50代:紅しゃけ、ツナマヨ、たたき梅肉紀州南高梅
  • 60代以上:紅しゃけ、たたき梅肉紀州南高梅、日高昆布 
  • おにぎり売上1位の「ツナマヨ」おにぎりは、50代以下の方に支持されていることがわかります。

    セブン-イレブンがツナマヨおにぎりの販売を開始したのが、昭和58(1983)年。50代以下の方は、子どもの頃からツナマヨおにぎりを食べてきた世代と言えるでしょう。

    おにぎりの定番といえる「紅しゃけ」「たたき梅肉紀州南高梅」のおにぎりは、あらゆる年代で人気があります。
    また、50代以上は赤飯やおかかの人気が高く、30代以下はチャーハンやソーセージの人気が高いそうです。

    地域によって、人気のおにぎりは違う?

     
    セブン-イレブンは全国にお店がありますが、地域によっても売れ筋商品は違うのでしょうか?
    「上位商品については、地域による大きな差はない」とのことでしたが、あえて地域ごとの人気商品をあげていただきました。

  • 北海道、東北、新潟などは「手巻きおにぎりすじこ」が人気。
  • 関東は「ツナマヨ」「梅」「昆布」「紅鮭」などの、定番の売れ筋商品が人気。
  • 長野、山梨、静岡、東海は「手巻の海老マヨネーズ」が人気。
  • 関西以西は味付海苔を使用したおむすびが人気。
  • 九州は「一部味付」「明太子」「梅おかか」。
  • 沖縄県は、「手巻の牛肉」「手巻の海老マヨネーズ」。
  • おにぎりの売れる時間帯

    セブン-イレブンで一番おにぎりが売れるのは、昼から夜にかけての時間帯です。

    「朝セブン」キャンペーン

    セブン-イレブンでは、季節により「時間帯」にスポットを当てたキャンペーンを行っています。
    朝の来店を増やすためのキャンペーンが「朝セブン」。「朝セブン」は、朝4時から11時限定のお得なキャンペーンで、通常のセールと異なり、セブン-イレブンの看板商品を購入するお客様が多いので、お客様に味を知っていただくことも大きな目的にしているとのこと。

    2019年は、3月前半と6月前半の2回、朝の来店目的になるおにぎりについて、160円未満のおにぎり2個セット(組合せ自由)を税込200円で提供する「朝セブン」キャンペーンを行いました。

    「コンビニおにぎりのこれから

     
    おにぎりは時代とともに変化しています。
    毎年のように新たな具材が見出され、新たな定番となって定着するおにぎりもあれば、思ったほど売れずに、いつの間にか店頭から消えてしまったおにぎりも。
    米との相性が良ければ、何でも具にすることができるというおにぎりの特性が、おにぎりをさらに進化させる原動力となっているのかもしれません。

    定番商品は、さらにおいしく

    「2019年コンビニおにぎり人気調査」(一般社団法人日本おにぎり協会)をみると、コンビニ各社とも、主力商品のひとつであるおにぎりをもっとおいしく提供できるよう、また、お客様のニーズに合うよう、日々検討を重ねていることがわかります。

    「定番商品、特に品質を追求している手巻きタイプのおにぎりが伸長しました」(セブン-イレブン)、「定番おにぎりはリピーターの多い商品ですので、よりごはんに合う味や食感などに拘って研究していきます」(ファミリーマート)、「定番商品をさらにおいしく値ごろ感で販売継続」(ミニストップ)など、価格や具材、調理法から見直し、定番おにぎりの品質をさらに高めて販売する動きが見られます。

    健康志向:時代のニーズへの対応

    健康志向おにぎりにも、各社とも継続して取組んでいます。
    セブン-イレブンは健康米を使用した「もち麦おむすび」シリーズが定着し、売り上げを伸ばしています。ファミリーマートの「スーパー大麦」シリーズでは「梅ゆかり」が人気。最近は女性だけでなく、男性にも購入者層が広がっているそうです。

    今後も、各社から様々な種類の健康志向おにぎりが登場してきそうな予感がします。

    表示を英語併記に

    「和食:日本人の伝統的な食文化」が、自然を尊重する日本人の心を表現したものであり、伝統的な社会慣習として世代を越えて受け継がれているとし、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。世界各地から和食に注目が集まっています。

    おにぎりは、手軽に味わえる和食。コンビニ各社でも、訪日客に対応するため、梅干しは「Pickled Plum」、昆布は「Seaweed」、紅しゃけは「Salmon」などのように、おにぎりの具材の英語表記に取組んでいます

    おにぎりをもっと楽しみませんか?

    食欲の秋は、新米のおいしい季節でもあります。コンビニ各社のおいしいおにぎりを食べ比べてみるのもよし。おにぎりを持って出かけるもよし。
    この秋、もっとおにぎりを楽しんでみませんか?

    主な参考文献

  • 一般社団法人日本おにぎり協会 
  • 『おにぎりの文化史:おにぎりはじめて物語』  横浜市歴史博物館監修  河出書房新社  2019年4月
  • 『おにぎりと日本人』  増淵敏之著 洋泉社 2017年12月
  • 再発見! おにぎりクロニクル 『ダンチュウ』 28巻 11号 (2018年11月) p.74~79
  • 書いた人

    秋田県大仙市出身。大学の実習をきっかけに、公共図書館に興味を持ち、図書館司書になる。元号が変わるのを機に、30年勤めた図書館を退職してフリーに。「日本のことを聞かれたら、『ニッポニカ』(=小学館の百科事典『日本大百科全書』)を調べるように。」という先輩職員の教えは、退職後も励行中。