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2020.05.06

時短料理におすすめ「干し野菜」とは?作り方レシピや食べ方・メリット・適した野菜も紹介

この記事を書いた人

寒い冬が終わり、ようやく心躍る春がやって来たと喜んでいたら、おこもり生活がスタート。太陽がさんさんと降り注ぐ外の景色を眺めながら「あー、今日もいい天気だなー」とひとりつぶやいてみる。そんな日々を繰り返すうちに、ある課題が自分のなかにふつふつと湧いてきたんです。

外出自粛という大切な時期を過ごしながら、この素晴らしい太陽の恵みを身体いっぱいに味わうことはできないだろうか。

そう考えていて、真っ先に思い出したのが「干し野菜」。

簡単に作れて、栄養たっぷりで、じんわりとした美味しさ。保存性も高まるし、時短料理にも向いている。

これって、私たちが最近欲しているものばかりではないでしょうか!?

干し野菜は少し前にもブームになりましたが、今こそあらためて読者の皆さんにご紹介したいと思い、記事を書くことにしました。

乾物のひとつ「干し野菜」とは?

文字通りですが、干し野菜を一言で言えば「野菜を干す」こと。身近な事例を挙げると、切り干し大根や干し椎茸なども干し野菜の一種です。

干し野菜などの乾物は、旬の食材を使った保存食として昔から人々に親しまれてきました。砂糖や塩などを使ったものと比べて、干すだけなのでとても手軽でシンプル。日本だけでなく世界中にさまざまな種類の乾物がありますが、それも納得できますよね。

実は乾物の歴史はとても古く、日本ではなんと万葉集にも登場しています。戦いや旅の携帯食の定番だった「蒸した米を乾燥させたもの」が、歌に詠まれています。干すことで軽くて保存性が高まるので、持ち運びにも優れていたんです。

手作りの干しナスと干し大根。干すことで、生の状態とは違った味や食感が生まれる。

私には富山県で暮らす90代の祖母がいますが、雪国の厳しい冬を乗り越えるために、秋から初冬にかけて干し野菜などの乾物をせっせと作っていたことを思い出します。現在のように冷蔵や冷凍の技術が発達していなかった時代には、乾物は人々の暮らしを支える身近で貴重な保存食でした。

干し野菜の驚くべき魅力

「天日で干すだけ」で簡単に作れる干し野菜ですが、びっくりするほどの魅力があります。どれもこれも、いま必要としているものばかりですね!

・旨味と栄養がアップ…野菜の水分が抜けるので、旨味と栄養がギュッと凝縮。同時に、食べ応えのある食感が生まれる。干すことによって、例えば大根はカルシウムや鉄分、椎茸はビタミンDの含有量が増える。

・保存性が高まる…水分が抜けて長期間保存できるようになる。野菜のカサが減るので、場所を取らずに保管できる。

・時短料理が美味しくなる…旨味が強く水分が少ないため、料理の味が染み込みやすく、味わい深い一品に仕上がる。

・経済的で環境にもやさしい…旬の野菜を皮ごと干すのが基本。野菜を丸ごと無駄なく使えるとともに、シンプルな料理が増えるので調味料やガス代などの節約にもなる。

干し野菜には2種類ある

干し野菜と聞くと、干し椎茸のようなカラカラに乾いたものを想像する方も多いかもしれませんが、これは「フルドライ」と呼ばれるタイプ。干し野菜には、主に2種類あります。

・セミドライ…半日~1日程度乾燥させたもの。表面は乾いているが、内部には水分が残っている。生野菜と同じように使えるが、早めに食べ切るのがおすすめ(長期保存したい場合は、冷凍庫に入れる)。

・フルドライ…数日間干して、表面も内部もしっかりと乾燥させたもの。長期保存ができる。調理する際に、水で戻すことが必要な場合もある。

さっそく作って、味わってみよう!

何はともあれ、手を動かしてみましょう。実際に味わってみると、その魅力がよく分かります。

*干す場所を決めよう

まず、野菜を干す場所を探します。日当たりがよく風通しの良いことが条件なので、ベランダや軒下などが向いています。ワンルームなどでベランダがない場合には、窓際などでも大丈夫。外にずっと出しているわけではなく、夜や雨の日などは室内に取り込みます。

我が家の干し野菜の風景。カラスや猫などが心配な場合は、干し野菜専用のネットなどを使うのもおすすめ。

*野菜を選ぼう

レタスや水菜、もやしなどの水分が多く傷みやすい野菜以外は、どんな野菜でも使うことできます。干し野菜の定番である根菜類やきのこ類だけでなく、これから旬を迎えるミニトマトやキュウリなどの夏野菜や、生姜などの香味野菜も干し野菜に向いています。天気や野菜の切り方によって味が少しずつ変化するのも、手作りならではの楽しみ。ぜひ、いろいろと試してみてくださいね!

野菜だけでなく、果物も干すことができる。無農薬のみかんの皮を干したものは、白湯やスープ、煮込み料理に入れると爽やかな香りが楽しめる。「陳皮」と呼ばれる漢方薬でもあり、消化を助ける働きがあるとされる。

【初めて編】干しにんじんのシンプルソテー

初めての方には根菜類からスタートするのがおすすめ。まずは「にんじん」を干してみましょう。干すことで甘さがギュッと凝縮して「にんじんってこんなに甘かったの?」とびっくりされるかもしれません。午前中に干し始めれば、夕方には美味しい一品のできあがり!

〈材料〉2~3人分
・にんじん 1本
・お好みの油(なたね油、オリーブオイルなど)小さじ1~2
・自然塩 ふたつまみ

〈作り方〉
1.にんじんは厚さ7~8㎜の輪切りにして、ザルなどに重ならないように並べる。

2.半日~1日程度干して、室内に取り込む。表面が乾いていればOK(→にんじんのセミドライのできあがり)。

3.フライパンに油を入れて熱し、にんじんを並べて焼く。香ばしく焼けたら、できあがり!塩をパラりと振っていただきます。

シンプルだが、にんじんの甘味と食感がほんとうに美味!やみつきになる一品だ。

にんじんのセミドライはたっぷり作っておくと、炒めものや揚げものなどにも使えて重宝します。そのままパリパリ食べることもできるので、子どものおやつや小腹が空いたときの間食にもいいですね。

【応用編】干し野菜ミックスの味噌汁

さらに数日間干してカラカラに乾燥させると、にんじんのフルドライができあがります。これを他の干し野菜と組み合わせてみましょう。複数の干し野菜をミックスすることで、野菜だけとは思えないとても奥深い味わいが生まれます。

〈下準備〉
2~3種類以上の干し野菜を用意します。今回は、手作りの干しにんじんに、市販品の切り干し大根と干し椎茸を用意しましたが、組み合わせはお好みで大丈夫。

仕上がりの見た目と食べやすさを考えて、同じくらいの大きさに切り揃えます。キッチンバサミなどを使うと作業しやすいです。

この干し野菜ミックスは、煮物や和え物などいろんな料理に使うことができる。たっぷり作って保存瓶に入れておくと、野菜が足りなくて困った時などのお助けアイテムになる。

〈材料〉2人分
干し野菜ミックス 大さじ2
豆腐 1/4丁
味噌 大さじ1程度
ネギ(お好みで)少々
水350㏄

〈作り方〉
1. 鍋に干し野菜ミックスと水を入れて、5~10分程度おいて戻す。豆腐は1センチ角に刻んでおく。

ぜひ、ここで味見をしてほしい。戻し汁のやさしい甘さにホッとする。

2. 鍋を火にかけて、沸騰したら弱火にする。干し野菜に火が通ったら豆腐を加え、さっと加熱して火を止める。
3. 味噌を溶かして器に盛りつけ、好みで刻んだネギを添える。

今こそ、太陽の恵みをチャージしよう

太陽の下で過ごす時間が少なくなって初めて、今まで何気なく受け取っていた恵みの偉大さに気が付いたという方も多いと思います。この記事がそんな方のご参考になれば、とても嬉しいです。

実は私自身は、薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生ごはん教室」などを開催しており、「干し野菜づくり」は秋によく取り上げるテーマのひとつです。

途中にも書いたとおり干し野菜は秋から冬にかけて作ることが多いですが、春から梅雨入り前の期間は、しばらく楽しめそうです。我が家でもいろんな野菜を干して太陽の恵みをありがたくいただいていますが、昨今のおこもり生活を健やかに過ごすのにもぴったりだなぁと日々感じています。

家事や仕事の合間に手軽に作れるのでぜひお試しくださいね。干し野菜を作って、太陽の恵みを身体いっぱいにチャージしましょう!

書いた人

自身の体調不良がきっかけで、まちづくりから食の道へ。「薬膳×おばあちゃんの知恵=養生ごはん」をテーマにして、「養生キッチンふうど」として活動中。旅と食、古くて新しいものが大好き。国際薬膳師。昆布好きがこうじて「昆布大使(日本昆布協会認定)」も務めている。http://kitchenfudo.wixsite.com/fudo