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Jewelry&Watch

2023.11.10

世界初取材! 中谷美紀さんとフランス伝統のサヴォワールフェールを伝える「ディオール」工房へ

昨年、2年以上にわたる大改修を終えてグランドオープンした「ディオール」パリ本店。同じ建物のなかには、ジュエリーのアトリエも新設されました。女優の中谷美紀さんが、そのアトリエを世界初取材! ハイジュエリー誕生の舞台裏をご紹介します。

新設された「ディオール ファイン ジュエリー」のアトリエを訪れ、世界初の取材に臨んだ中谷美紀さん。これまでに日本の伝統工芸の工房には何度か入ったことがあるそうですが、ジュエリー制作を実際に目にするのは初めてだという。

中谷美紀(なかたに みき)
1993年の女優デビュー以来、国内外を問わず幅広い活動を続ける。デビュー30周年の今年は、WOWOWの連続ドラマとニューヨーク公演の舞台でも主演を務めた。10月より、フジテレビ連続ドラマ(月曜21時)『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』に出演中(トリプル主演)。近著にエッセイ『文はやりたし』(幻冬舎文庫)がある。

メゾンの新たな夢を紡いでいくジュエリーのアトリエと、後世に受け継がれていく職人技

クリエイティブ ディレクターにヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌを迎え、1998年に発足した「ディオール ファイン ジュエリー」。それから24年を経た2022年3月、「ディオール」パリ本店のリニューアルに伴い、同じ建物内に待望のジュエリーアトリエが新設されました。

オートクチュールとジュエリーのアトリエが併設されることは、パリでも極めて稀なこと。ですが、これはメゾンにとっても顧客にとっても理想的な環境にほかなりません。顧客はドレスとハイジュエリーを合わせて試し、必要があればその場で調整を依頼することができるのです。

ハイジュエリーコレクション「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」で注目された作品「ミニ ミリー ジャルダン」も、新設されたアトリエでつくられた。愛らしい見た目からは想像もできない高度な技巧が用いられている。

「ディオール」はこのアトリエを新設するにあたり、モデリング制作、金細工、石留め、研磨など様々な専門技能をもつ宝飾職人を一流のジュエリー工房から集めました。今回、中谷美紀さんの案内役を務めてくれたアトリエ長も、自身が卓越した技術をもつ職人のひとりです。そうした精鋭ばかりが15名ほど揃ったアトリエでは、もちろんハイジュエリーの制作も手がけてきました。新作ハイジュエリーコレクション「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」の作品中、特に印象的な「ミニ ミリー ジャルダン」はこのアトリエの制作によるものです。

総勢15名ほどの職人たちが働くジュエリーのアトリエ。それぞれが卓越した専門技術をもつ宝飾職人で、彼らの意見に耳を傾け、作業効率を高める環境と設備が整えられた。

アトリエはオープンなつくりになっており、専門性の高い職人同士が意見交換をしながら作業できるようになっている。職人が長年使い込んできた道具が、新しい作業台に並ぶ。

「秘められたアトリエで目のあたりにした、精密で緊張感を要する作業…。なんと得難き体験だったのでしょう」──中谷美紀

そのネックレスの精巧なつくりを目にした中谷さんが実際に触れてみると、あまりの軽さに驚きを隠せない様子。その理由を尋ねると、アトリエ長は「できるだけ軽くつくるようにしているのです。ジュエリーは身につけるものですから、つけていて心地よくなければなりません」と、制作側のこだわりを教えてくれました。

アトリエ長から細工の解説を受ける中谷美紀さん。美術品、工芸品への造詣も深く、ジュエリー制作への興味も尽きない。


「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」コレクションの発表と同時に注目された「ミニ ミリー ジャルダン」。新設されたジュエリーアトリエでの制作過程を解説。まず、実物大のデザイン画が描かれ、これを職人たちが共有し、制作に携わっていく。 

虹のパーツの金属台を研磨。側面にも宝石がセットされるため、石留めの爪がつくられている。


花のパーツは細い茎にまで宝石がセットされている。

この作品はパーツごとにつくられ、最後にマザーオブパールの台にセットされた。セットする位置を入念に確認し、台に孔をあけて留めていく。 

しなやかさや配置に狂いがないか、常に確認しながら、作業が進められる。 

「軽く、肌に優しく寄り添うような立体的構造に、思わず感嘆のため息を漏らしました」──中谷美紀

そんなやりとりのあと、「身につけてみませんか?」といううれしい提案が…。実際にネックレスを着用した中谷さんは、「華やかな見た目に反して、なんと軽く、肌に優しいのでしょう。体に沿う立体的なつくりになっていて、身につける者と一体となる設計に魅了されました」と語ります。

ネックレスを実際に着用する中谷さん。ハイジュエリーの魅力は、つけてみて初めてわかるものだと実感!

ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌの独創的で遊び心溢れるデザイン。そして、それを伝統のサヴォワールフェールで現実のものにしていくアトリエの想像を超えた実力。両者が揃って初めて、ジュエリーのアトリエは一流と呼べるものになるのです。

完成したネックレスとデザイン画。こうして並べて見ると、デザイン画の重要性がわかる。制作時だけでなく、修理の際に重要な役割を担うことも…。 

問い合わせ

クリスチャン ディオール
0120・02・1947

詳細はディオール公式サイト「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」にてご覧ください。

「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」に関する記事はこちら
稀代のクチュリエの愛した美が華麗に咲き誇る! ディオール「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」

撮影/武田正彦 ヘア/YUSUKE TANIGUCHI メーク/GO MIYUKI ネイル/AKANE コーディネート/鈴木春恵 
※本記事は『和樂』2023年12月・2024年1月号の転載です

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福田 詞子(英国宝石学協会 FGA)

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スペシャルな夜を心ゆくまで。「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展、『和樂』読者イベントレポート

和樂web編集部

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