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2023.11.01

稀代のクチュリエの愛した美が華麗に咲き誇る! ディオール「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」

パリのオートクチュールメゾン「クリスチャン ディオール」の創設者クリスチャン・ディオールは、愛する庭園の花々に着想を得て、モード史に残るクチュールの名作を数多く生み出しました。ガーデンの花々とクチュール──彼が情熱を傾けた美の世界が融合し、華麗なハイジュエリーコレクションとなって現代に咲き誇ります。

庭園の花々とクチュール──
偉大なクチュリエが愛したふたつの世界がひとつに

「ディオール」のハイジュエリーについて語るには、まずオートクチュールメゾン「クリスチャン ディオール」の創設者であるクリスチャン・ディオールの話をしなければなりません。特に、今回ご紹介するハイジュエリーコレクション「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール(クチュールの庭園)」の作品は、すべてが彼の人生の物語と深く結びついているのですから…。

クリスチャン・ディオールがクチュリエとしてデビューしたのは、終戦からわずか2年後の1947年のことでした。彼は最初のコレクションで、細く絞ったウエストと大きく広がったスカートが特徴の「コロール(花冠)」ラインを発表します。名の由来は、シルエットが逆さになった花の形をしていたためでした。そのスタイルはのちに「ニュールック」と呼ばれ、クリスチャンが世界的名声を得るきっかけとなります。

彼にとって花々は、幼少期に過ごしたグランヴィルでの幸福な記憶を呼び覚ますものでした。クチュールの作品に多く用いられてきたフラワーモチーフの刺繡やプリント、ブレード(縁飾り)には、花々に対する彼の特別な思いが込められていたのです。

クチュールを彩ってきた庭園の花々が、鮮麗なハイジュエリーに

多彩なカットを施したオレンジ、ピンク、レッドの宝石から溢れる色と輝き

画像右:このハイジュエリーコレクションを象徴する作品。モチーフはクチュールドレスのプリントに描かれたような花々。果実を思わせる色彩が、手元を艶やかに彩る。リング「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」[ルビー計10.37ct(センター6.00ct)×スピネル計2.53ct×ピンクサファイア計1.61ct×スペサルタイトガーネット計0.15ct×ダイヤモンド計1.32ct×PG]予定価格¥368,000,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉)

庭園の茂みに咲く愛らしくも力強い花々のドラマティックな表現

画像左:庭園のブッシュ(茂み)に群生する花々を想起させるネックレス。大小のフラワーモチーフが立体的に重なり合って、豊かなボリュームを生み出す。ネックレス「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」[ルビー計117.65ct(センター12.14ct)×スピネル計45.11ct×ピンクサファイア計26.93ct×スペサルタイトガーネット計6.95ct×ダイヤモンド計0.35ct×PG]予定価格¥1,630,000,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉)

幼いころから母マドレーヌの庭仕事を手伝ってきたクリスチャン・ディオールは、クチュリエとして有名になると、さらに庭園づくりに情熱を傾けるようになりました。繊細な彼にとって、庭園は唯一、心穏やかに過ごせる場所だったのかもしれません。

グランヴィルの生家、さらにパリ郊外のミリー ラ フォレの別荘には、今も彼が愛情を注いだ庭園が残り、メゾンの後継者たちにインスピレーションを与え続けています。「ディオール ファイン ジュエリー」のクリエイティブ ディレクター、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌは、現職に就く以前から、祖母と親交のあったクリスチャン・ディオールを敬愛していました。「ディオールファイン ジュエリー」が発足した1998年から20年以上にわたり、ヴィクトワールは彼が大切にしていた〝庭園”と〝クチュール〟の世界をジュエリーデザインで表現。このハイジュエリーコレクションでようやく両者を融合させることができたのです。

また、今回のクリエイションで注目すべきは、過去のコレクションとそれに使われていた技巧をより革新的なものへと進化させていること。私たちは、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌを通して、クリスチャン・ディオールが愛した世界に思いを馳せ、彼が描いた夢の続きを見ることができるのです。

ミニチュア劇場のように庭園を描いた、遊び心溢れるジュエリー

ディオールが愛した庭園を、子供の目と心でポエティックに表現

画像右:マザーオブパールのキャンバスに宝石で描かれた、クリスチャン・ディオールが愛したミリー ラ フォレの別荘の庭園。愛らしいデザインでありながらも、斬新かつ精緻な技巧を駆使して生み出された。ネックレス「ミニ ミリー ジャルダン」[ルビー×エメラルド×パライバトルマリン×サファイア×ツァボライト×パープルガーネット×スペサルタイトガーネット×ダイヤモンド×MOP×ラッカー×PT×WG×YG×PG]予定価格¥133,500,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉)

メゾンの精神を映し出す、どこまでも自由で、それでいて贅沢な作品

画像左:選び抜かれた色とカットのジェムストーンが、この作品の詩的な世界観を表現。虹や雨、花などのモチーフに合わせて、多彩なセッティング技術や金細工の技巧が発揮されている。イヤリング「ミニ ミリー ジャルダン」[ルビー×エメラルド×パライバトルマリン×サファイア×ツァボライト×ダイヤモンド×MOP×ラッカー×PT×WG×YG×PG]予定価格¥52,500,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉)

ダイヤモンドの輝きで形づくられた花々を連ねた縁飾り

最高位のダイヤモンドがまばゆい光の花飾りをアシメトリーに纏って

画像右:クチュールのブレードを希少な宝石で表現した2022年発表のハイジュエリーコレクション「ガロン ディオール」。これは、その第2章となる作品。華麗な花のブレードがすべてダイヤモンドで形づくられ、アシメトリーに配されている。リングの中央は、真に無色の「タイプⅡa」ダイヤモンド。リング「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」[ダイヤモンド計11.87ct(センター5.04ct)×WG]予定価格¥221,000,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉)

立体的な花モチーフが美しさを際立たせる、特別なダイヤモンドの光彩

画像左:光の花々を連ねたかのようなクチュールのブレード! ネックレスの中央にセッティングされたダイヤモンドは、リングと同様に希少な「タイプⅡa」。しかも透明感に溢れた最高ランクの石で、エメラルドカットがその奇跡のような美しさを際立たせる。ネックレス「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」[ダイヤモンド計69.90ct(センター12.08ct)×WG]予定価格¥764,000,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉)

問い合わせ

クリスチャン ディオール
0120・02・1947

詳細はディオール公式サイト「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」にてご覧ください。

撮影/武田正彦 コーディネート/鈴木春恵
※文中のPTはプラチナ、WGはホワイトゴールド、YGはイエローゴールド、PGはピンクゴールド、MOPはマザーオブパール、ctはカラットを表します。
※本記事は『和樂』2023年12月・2024年1月号の転載です
※価格は2023年11月1日時点のものです

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福田 詞子(英国宝石学協会 FGA)

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和樂web編集部

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