「ロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』は、普遍的に心に訴えかけ、幾多の人々の想像力を搔き立てる魅力を備えた小説です。無数の読者に読み継がれ、絵画から詩、装飾美術まで、さまざまな分野の芸術に影響を与えてきました。
私たちは今回、遊び心と楽しさに富んだやり方でこの作品に新たな命を吹き込みたいと考えました。そうして生まれたのが、このハイジュエリーコレクションです。
このコレクションが、あなたの喜びを呼び覚ますものになると信じています」
ヴァン クリーフ&アーペル 前プレジデント兼CEO ニコラ・ボス
風をはらんで前進する帆船に捧げたオマージュ
船乗りの歌う船乗りの物語や嵐に冒険、暑さに寒さ、帆船、島々、置き去りにされた男、海賊と彼らが埋めた財宝、古くから語り継がれる冒険譚にかつての私と同じように今の賢い少年たちも心惹かれるというのなら、それは結構、さあ手にとりなさい
ロバート・ルイス・スティーヴンソン作『宝島』の序章より
魚たちが舞うように遊ぶ、夢のような海中世界
着想源となった小説『宝島』とハイジュエリーが紡ぐ新たな物語
不朽の冒険小説『宝島』は、1883年にイギリスで出版されました。作者はスコットランド生まれの小説家ロバート・ルイス・スティーヴンソンで、彼はこの作品が出世作となり、世界的な名声を得ることになります。
この作品の原点は、スティーヴンソンが義理の息子のために描いた宝の地図でした。彼はこの地図をもとに1日に1章ずつ物語を書いては家族に聞かせていたのです。それが児童雑誌の連載となり、単行本として出版されることに…。その後、『宝島』は世界中で翻訳され、1930年代以降は映画化もされてきました。この小説が1世紀以上にわたり人々の心をとらえることができた理由は、「宝探し」という唯一の目的を中心に展開されるわかりやすいストーリーと、明快な文体、魅力的な登場人物にあるといわれています。
そんな冒険小説の金字塔に新たな解釈を加えて誕生したのが、今回紹介する新作ハイジュエリーコレクション『ヴァン クリーフ&アーペルが語る〈宝島〉』です。このコレクションは、独自の物語にもとづいて全3章で構成。第1章は大海原への船出、第2章は海や島などの自然へのオマージュ、そして第3章で宝が隠された場所へ。
コレクションの作品の題材には、小説『宝島』に登場する帆船や島、宝の地図、個性豊かな海賊たちなどが選ばれました。
誰もが子供のころに心ときめいた物語が、壮麗なハイジュエリーによって綴られるこれまでにないコレクション。それは、私たちが大人になって忘れかけていた冒険心と感動を呼び覚ましてくれます。
全3章の物語に合わせて情景が変化するクリップ
先生が慎重に封をはがしていくと、ぱらりと落ちてきたのは島の地図で、そこには経緯度、水深、丘や湾、入り江の名のほか、船が安全に海岸の停泊地に入港するのに必要なあらゆる情報が記されていた
ロバート・ルイス・スティーヴンソン作『宝島』より
海賊の個性をとらえたデザイン力と精巧な細工
宝の場所を印した地図が冒険心を呼び覚ます
〝宝の大半はここに〟
地図の裏側にも同じ筆跡でさらにこんな記載があった──
望遠鏡山の肩に高い木、北北東より1度北の方角、骸骨島を東南東微東、10フィート
ロバート・ルイス・スティーヴンソン作『宝島』より
冒険の物語にふさわしい希少なダイヤモンドの宝
貝殻のモチーフを連ねたロココ調のブレスレット
これこそ私たちがはるばる探しにやってきたフリントの船長が隠した宝であり、ヒスパニオラ号の乗務員17名の命をすでに奪った財宝だった
ロバート・ルイス・スティーヴンソン作『宝島』より
問い合わせ先
ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク 0120-10-1906
撮影/小野祐次 コーディネート/鈴木春恵
※文中のWGはホワイトゴールド、YGはイエローゴールド、RGはローズゴールド、ctはカラットを表します。
※本記事は『和樂』2024年12月,2025年1月号の転載です