【MELLERIO】大胆に、モダンに進化を遂げた王妃たちが愛した輝き

400年以上の歴史をもち、フランスの王妃たちに愛されてきた家族経営のハイジュエリーメゾン「メレリオ」。王妃マリー・アントワネットや皇后ジョゼフィーヌに愛された美意識は、自然主義の精神とともに、今もなお「メレリオ」の創作の根底に息づいています。伝統を軽やかに昇華させて生み出した、色彩豊かな最新作とともに、現代のメゾンを象徴するクリエイションをご紹介します。

文・福田詞子（英国宝石学協会ＦＧＡ）

伝統を現代的な感性で、モダンに華やぐ輝きに…

王妃たちが愛したジュエリーには、時を超えて人を魅了する力があります。フランス王妃マリー・アントワネット、皇后ジョゼフィーヌ、イタリア王妃マルゲリータといった、国家の美意識を体現する女性たちに選ばれてきた「メレリオ」。それは、パリ最古のハイジュエリーメゾンにして、今もなお家族経営を守り続ける唯一の存在です。
その始まりは16世紀、北イタリアからアルプスを越えてパリへやってきた一族の歩みが、４００年を超える物語を紡いできました。１６１３年に王母マリー・ド・メディシスから商業特権を授かり、王室との結びつきを得たことが、メゾンの飛躍の礎となったのです。
現在は、14代目当主でアーティスティックディレクターのロール＝イザベル・メレリオが、メゾンを率いています。
「メレリオはナチュラリズムの象徴です。ジュエリーには植物や空、そして光の豊かな表情を込めたいのです」と語るロール＝イザベル。彼女がアーカイブから着想を得て生み出す作品は、すべて現代的な視点で再解釈されています。とはいえ、彼女が創作において大切にしてきたのは、「スタイルは現代的であっても、永遠性をもつものであってほしい」という哲学。そうした考えは、伝統とモダンな感性が融合するブティックにも映し出されています。
また、エッグ形が印象的な「メレリオカット」は、アンリ4世が王妃マリー・ド・メディシスに贈った伝説のダイヤモンドに着想を得て誕生したもの。その輝きは、伝統と革新性が共存する現代のメゾンを象徴しています。
王家に愛された伝統を胸に、挑戦を続ける「メレリオ」から、しばらく目が離せそうにありません。

話を聞いたのは…
Laure-Isabelle Mellerio

ロール＝イザベル・メレリオ●「メレリオ」14代目当主として400年以上続くハイジュエリーメゾンを支え、現在はアーティスティックディレクターを務める。歴史と自然主義に根ざした美意識で創作を続けている。

願いや信念を託すメダルはモードな存在感が魅力！

ロール＝イザベル・メレリオが生み出した、宇宙や天体の神秘にインスピレーションを得た「ジャンボタリスマン」シリーズの作品。願いや信念を託すジュエリーでありながら、モダンな装いに似合うモードな輝きが魅力。この「エトワールミステリユーズ」はふたつの星を重ねた構造をもつ、シリーズ内でも象徴的なモデル。中央には５カラットを超えるスターサファイアが輝き、カラフルな宝石がその周囲で鮮麗な光彩を放つ。「エトワールミステリユーズ」ペンダント［サファイア計約10.53ct×イエローサファイア計約3.97ct×ピンクサファイア計約1.54ct×ダイヤモンド計約0.29ct×エメラルド計約3.31ct×ルビー計約4.86ct×ミントガーネット計約0.60ct×YG］参考価格￥49,500,000（メレリオ）

スピリチュアルな力を宿す「太陽」と「夜空」の輝き

〈右〉太陽のメダル「ソレイユ」の夜のバージョンとして制作された「ヌイエトワール」。イタリアの自然のなかで、夏の夜空にインスピレーションを得てデザインされた。この作品には槌目や彫金を施したホワイトゴールドに、天体を想起させる構図でジェムストーンがちりばめられている。「タリスマンメダル・ヌイエトワール」ペンダント［サファイア計約2.38ct×イエローサファイア計約0.76ct×オパール計約1.48ct×ダイヤモンド計約1.14ct×イエローダイヤモンド計約0.99ct×グレースピネル計約0.12ct×WG×YG］参考価格￥33,000,000・〈左〉鮮やかな色彩と存在感のあるフォルムが特徴の「ソレイユ」。地中海の太陽の輝きにインスパイアされ、ゴールドのメダルに槌目、彫金が施されている。多様な宝石が真夏の陽光のプリズムのような輝きを放つ。「タリスマンメダルソレイユ」ペンダント［サファイア計約2.52ct×イエローサファイア計約4.16ct×ピンクサファイア計約1.52ct×ダイヤモンド計約1.30ct×エメラルド計約1.68ct×ルビー計約0.75ct×YG］参考価格￥26,400,000（メレリオ）