オーデマ ピゲ150年の歴史に触れる「ハウス オブ ワンダーズ展」
1875年、オーデマ ピゲはスイスのジュウ渓谷にあるル・ブラッシュの町で誕生しました。ブランド名の由来となっている2つのファミリー、オーデマ家とピゲ家によって創設され、今でも変わらず一族経営を続けています。近年、新しい工房が設立されましたが、大きな窓を備えたかつての工房は、現在でも本社として使用されているのです。

「ハウス オブ ワンダーズ展」はオーデマ ピゲの伝統と革新を体感できる没入型の展示となっているのが特徴です。最初にお客様が足を踏み入れた「時のギャラリー」では、ファミリーの写真や当時交わされた契約書といったアーカイブ資料のレプリカなどを見ることができます。
次に「機械のひみつ」がテーマの展示ルームに進むと、一つのムーブメントが完成されるまでの工程を視覚的に理解できるようになっています。肉眼では見えないくらいの小さなパーツを職人が手作業で組み立てると聞いて、「その繊細な作業を思い浮かべるだけで気が遠くなるようですね」と来場者一同、驚いていました。
オーデマ ピゲが創り出す至高の機械式時計の数々

1階フロアでオーデマ ピゲの歴史、そして過去から現在に至るまでの精緻な時計作りを間近で体感したところで、2階へ。2階では最先端のVR技術を使い、オーデマ ピゲの前衛性とクリエイティビティーを仮想空間の中で味わうことができる没入体験コーナーが用意されます。そして、「デザインの金庫室」には最新モデルや貴重なアーカイブピースなど、圧巻の時計が並びます。

今回の展示で特筆すべきは、レディスウォッチが多く紹介されている点です。オーデマ ピゲは複雑な機構をもった時計を創業当初から請け負う中、女性顧客に向けたモデルにも意欲的に取り組んできました。女性用の時計開発を通じて薄型化のノウハウを磨き上げ、宝石を散りばめたドレッシーな時計も独自の表現として進化させてきたのです。今回の展示でも、そうした歴史を映し出すエレガントなレディスウォッチにも注目が集まりました。男性を魅了するメカ技術だけでなく、女性たちを惹きつけるデザインや色でも傑出した時計を生み出してきたメゾンの変遷に目を奪われた参加者も多くいらっしゃいました。


人間国宝・五街道雲助さんの至芸に魅せられて
そしていよいよ、人間国宝の落語家、五街道雲助さんによる落語です。高座に上がった雲助師匠は「愛好家にとっては憧れの時計のお店でもって、時に縁のある落語を聞いていただこうというのは、なかなか洒落た企画でございます。まぁせっかくでございますんで、一つゆっくりとご覧になっていただきたいと思います。これが生の国宝でございます」と話し出し、会場から温かい拍手がおこりました。雲助師匠が「時を味わう」ためのテーマとして選んだ演目『芝浜』が始まったのです。

古典落語の名作『芝浜』は主人公の魚屋・勝五郎が時間を間違えるシーンが、物語の転換点となる重要な場面となります。「時間を間違えて早く起こされた」ことが、結果として大金を拾う(のちに夢と消える)運命の物語へつながるのです。
さらに、風に揺れる笹の音まで聞こえてくるような、大晦日に夫婦で語らい合うシーンは名人芸の真骨頂。現代であれば、きっと時計の秒針の音が聞こえていたかもしれません。夫婦の愛しい時間を静かに、情景豊かに雲助師匠が語り描きます。「大切な人とどのような時を過ごすか」、時間の大切さを改めて感じるひと時となりました。

オーデマ ピゲの希少な傑作時計を手元に

五街道雲助さんの至芸に浸ったのちは、オーデマ ピゲの実機を腕に乗せるタッチ&トライの時間に。通常、ブティックでもなかなかお目にかかることができない、貴重なモデルの数々がこの日のために用意されました。
画像1:(左)チタンケースの「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」。(右)世界150本限定のブラックセラミックモデルの「ロイヤル オーク ダブル バランスホイール オープンワーク」。
画像2:(左)「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック」からSSケースの三針モデル。(中)ブラックセラミックとホワイトゴールドのバイカラーケース、ブルーアヴェンチュリンダイヤルの「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ スターホイール」。(右)ピンクゴールドケースの「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」。
画像2:(奥)ダイヤルまでフロステッドゴールドで仕上げた34 ㎜の「ロイヤル オーク フロステッドゴールド」(左はホワイトゴールド、右はイエローゴールド)。(手前)1997年に登場した「ミニ オーク」からインスピレーションを受けた「ロイヤル オーク ミニ フロステッドゴールド クォーツ」(左からホワイトゴールド、ピンクゴールド、イエローゴールド)。
中でも注目度が高かったのが、2024年に発表された「ロイヤル オーク ミニ フロステッドゴールド クォーツ」でした。1997年に発表された20㎜のロイヤルオークのリバイバルとして23㎜径で発表されたもので、現代風に解釈された装飾やサイズ感が支持を得ていました。

オーデマ ピゲは歴史の歩みと共に、職人の力を信じて育ててきたブランドです。150年にわたって変わらぬ理念で時計作りに携わってきたことを「ハウスオブワンダーズ展」では伝えています。時計は時刻を示すものであると同時に、魂を持った美術のような存在でもあるのです。オーデマ ピゲの時計と人間国宝の至芸に触れて、伝統が紡いできた美との出会いが豊かな“時”をもたらしてくれました。
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撮影/岡田なつ子 構成・文/田上雅人

