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2019.09.19

島崎藤村が繰り返し注文!山路酒造の桑酒を呑むゾ!【滋賀】

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創業一五三二年 山路酒造

滋賀県長浜の木之本町(きのもとちょう)は、江戸時代の宿場町。近江と北陸を結ぶ陸路として栄えた“北國街道”(ほっこくかいどう)沿いにあります。情緒あふれるこの街道で、行きかう旅人を480年以上昔から見守り続けてきたのが「山路酒造」。日本で5番目に古い酒蔵です。

DMA-4009-min蚕の産地で桑畑も多い北国街道沿い。

代表銘柄は、その名も「北国街道」。さらりと清らかな辛口の純米吟醸は、この酒のためだけに育てられる有機栽培の長浜産山田錦でつくられます。また、創業当時「裏畑の桑で酒をつくれ」という夢を見た初代が、お告げに従ったのが「桑酒」(くわざけ)。近江の糯米(もちごめ)と麴(こうじ)と桑の葉を焼酎に漬け、伝統的なみりんの製法で仕込むリキュールです。

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「桑酒」のラベルは、代々伝承される版で摺られる。

甘く香ばしいこの酒をいたく気に入り、何度も繰り返し注文したのが島崎藤村(しまざきとうそん)。東京麻布の自宅から送った自筆の手紙が、その熱い想いを今に伝えます。

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島崎藤村が桑酒を所望した直筆の手紙。

「私たちの思い描く良い酒だけを丁寧につくりたい」と、規模を大きくすることなく専心してきた女将曰く「杜氏と密なやりとりをして“今年の味”を造る。杜氏2人、山路家3人の小さい蔵元だから適う、贅沢なものづくりです」。

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