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2019.03.20

東京・横浜・箱根で大規模な「印象派」展覧会が3つ開催【2019年】

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2019年は日本でもファンの多い、ウィーン世紀末に活躍したクリムトシーレ、アール・ヌーヴォーのグラフィック・デザイナーであるミュシャなど、西洋画家の大規模な展覧会がいくつも予定されています。

みんな大好き印象派!

そんななか、西洋絵画のジャンルのなかでも根強い人気を誇るのが印象派。
19世紀後半のフランスで王侯貴族や国家といったパトロンを持たず、パリで独自の活動をしていた画家のグループが印象派と呼ばれ、オリジナル・メンバーにモネドガルノワール。後期印象派と呼ばれるグループにセザンヌゴーガンゴッホが名を連ねます。
ざっと名前を並べただけでも耳なじみのある名前ばかりの印象派の画家たちは、西洋絵画のまさにスターばかり。彼らが日本美術から大きな影響を受け、近代絵画に大きな変革をもたらしたことは、日本美術ファンとしても鼻の高いところです。

そんな印象派の作品の世界的コレクションが今年から来年にかけて、3つの美術館で開催されます。
ラインナップを開催日の順に紹介すると、まず3月26日から7月28日のポーラ美術館「印象派、記憶への旅」では日本の2大コレクションが大集合。
次が6月11日から9月23日に開館60周年を記念した国立西洋美術館「松方コレクション展」
そして、9月21日から2020年1月13日まで横浜美術館で開催される「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」では、ヨーロッパでも屈指のオランジュリー美術館のコレクションが登場します。
世界中の人々を魅了し続けてきた印象派の絵画の魅力を、確かめてみませんか?

国内の2大コレクションが集結!

「印象派」展覧会情報 2019年~2020年に大規模な展覧会が3つも!

ポーラ美術館×ひろしま美術館 共同企画
印象派、記憶への旅

会期 3月26日(土)~7月28日(日)
会場 ポーラ美術館
 公式サイト
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 会期中無休(展示替のための臨時休館あり)
入館料 一般1,800円
ひろしま美術館(広島市)とポーラ美術館(箱根仙石原)のフランス近代美術のコレクションは国内外で高い評価を得ているだけでなく、印象派の作品に優れたものが多いことで知られています。
「印象派、記憶への旅」展では、モネ《睡蓮》(ポーラ美術館)やセザンヌ《曲がった木》(ひろしま美術館)をはじめとした両館のフランス印象派の風景画を中心に、ドラクロワやコロー、ピカソ、マティスまで73点の名画を紹介。また、最後のセクションでは、作品の制作過程や技法の痕跡を絵画とどめられた画家の「記憶」としてとらえ、文献調査や最新の光学調査によってその記憶を呼び覚まし、作品の新たな魅力が紹介されます。

日本の芸術家や人々のために美術館を・・・

「印象派」展覧会情報 2019年~2020年に大規模な展覧会が3つも!

国立西洋美術館開館60周年
松方コレクション展

会期:6月11日(火)~9月23日(月・祝)
会場:国立西洋美術館
 公式サイト 
開館時間 9:30~17:30(金・土曜は21:00まで 入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜(7月15日、8月12日、9月16日・23日は開館)、7月16日(火)
入館料 一般1,600円
展覧会特設サイト
1959年に「松方コレクション」がフランスから寄贈・返還されたことが、国立西洋美術館設立のきっかけでした。
この、実業家・松方幸次郎による西洋美術品のコレクションは、“日本の芸術家や人々のために美術館をつくりたい”という思いのよるもので、1910年代から1920年代にかけてヨーロッパで精力的に美術品を収集。モネやゴーガン、ゴッホの絵画をはじめ、ロダンの彫刻や近代イギリス絵画など、時代も地域もジャンルも多様なコレクションは約3000点。しかし、関東大震災や金融恐慌、倉庫の火災など失われ、第二次世界大戦中にはフランス政府に接収され、多くは手元を離れてしまっていたのです。
開館60周年を記念した本展では、ゴッホの傑作《アルルの寝室》(オルセー美術館)や、2016年に再発見されたモネ《睡蓮、柳の反映》など、松方旧蔵作品約160点を歴史資料とともに展示。時代の荒波に翻弄され続けた「松方コレクション」の百年に及ぶ軌跡をたどり、その実像に迫ります。
また、2020年3月3日~6月14には「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の開催が決定! イギリス・ロンドンのトラファルガー広場に面した、コレクションも入場者数も世界屈指の美術館の名品60作が日本で公開される、歴史的展覧会となります。

ヨーロッパ屈指の印象派の作品群が見られる!

「印象派」展覧会情報 2019年~2020年に大規模な展覧会が3つも!

横浜美術館開館30周年記念 オランジュリー美術館コレクション
ルノワールとパリに恋した12人の画家たち

会期 9月21日(土)~2020年1月13日(月・祝)
会場 横浜美術館
 公式サイト
開館時間 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日 木曜日(12月26日は開館)、12月28日(土)~1月2日(木)
展覧会特設サイト
フランス・パリのセーヌ川岸に建つオランジュリー美術館の印象派とエコール・ド・パリの作品は、ヨーロッパ最高の絵画コレクションのひとつに数えられています。
横浜美術館の開館30周年を記念した本展では、そのコレクションから印象派のルノワール、セザンヌをはじめ、マティスやピカソ、モディリアーニなど、パリを愛し芸術に魂を捧げた画家たちの名作約70点が紹介されます。
ルノワールの傑作《ピアノを弾く少女たち》モネ《アルジャントゥイユ》をはじめとしたオランジュリー美術館のコレクションがまとめて日本で紹介されるのは21年ぶりのこと。横浜で、芸術の都パリのエスプリを堪能してみては?

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