白洲正子さんの着物を使った特別な装丁
白洲正子さんの逝去から30年弱のときが流れていますが、その著作は色あせることがありません。今回、白洲次郎・正子夫妻の終の棲家となった「旧白洲邸 武相荘」で特別に展示されるのは、そんな名著のなかから正子さんの長女・牧山桂子さんの発案でつくられた、「特別装丁本」の数々です。
20代の初めにヨーロッパに滞在していた桂子さんは、滞在先のマダムが手がける、革張りに金の文字が押された本の装丁を目にします。いつか自分でも、そんな美しい本をつくってみたい――そう願っていた桂子さんに機会が訪れたのは、平成12(2000)年のことでした。
趣向が凝らされたそれぞれの装丁に注目
桂子さんの心のなかには当初から、正子さんが残した着物を使った装丁のイメージがあったと言います。着物をほどいた裂(きれ)を用い、書籍の内容に合った装丁を装丁家とともに考え、さらに非常に緻密な製本家の仕事が、一冊一冊に、まるで正子さんが親しんだ骨董のような表情を与えています。
たとえば名著『白洲正子自伝』には、夫・白洲次郎さんが好んだ笹竜胆紋(ささりんどうもん)が函(はこ)に使われているものもあります。また、親交のあった織司・田島隆夫さんとの往復書簡集『白洲正子への手紙』は、正子さん旧蔵の田島さんの織地が函に使われているだけでなく、田島さんの書簡そのものが本の見返しに貼られているという贅沢さです。
同じ著作でも、異なる装丁のものもあり、まさに世界に一冊の本といえるでしょう。
今回は特別に、一部をご希望の方に販売も
20数年間、大切に保管されていた「特別装丁本」ですが、しまわれているだけでは「不憫になってきた」という桂子さんの思いから、特別に展示されることになりました。また一部は手に取って眺められるほか、ご希望の方に販売されます(一冊70,000円~の予定)。
白洲正子さんが慈しんだ織や染の裂を使った「特別装丁本」は、正子さんのファンならずとも、一見の価値がある美しいもの。正子さんが暮らした「旧白洲邸 武相荘」を見学しがてら、“読む”だけでなく、“愛でる”ことのできる美しい本を間近でご覧ください。
混雑を避け、ゆっくり見られる、2日間全4回、時間入れ替え制(要予約)での開催です。
開催概要・申し込み
●開催日程
各回、人数制限を設けての、時間入れ替え制(要予約)での開催となります。
【第1回】3月22日(土)12時30分~
【第2回】3月22日(土)14時30分~
【第3回】3月23日(日)12時30分~
【第4回】3月23日(日)14時30分~
●会場
「旧白洲邸 武相荘」能ヶ谷ラウンジ
●来場予約はこちらから
https://buaiso.com/ki/info/event/18551.html
●予約は無料ですが、ミュージアムも観覧できる「旧白洲邸 武相荘」入場券(1,500円/税込)、または庭園入場券(500円/税込)の、いずれかのチケットが必要です。
●問い合わせ
武相荘イベント専用窓口
email: contact@buaiso.com
TEL.090-4367-9708 (平日10:00-17:00)