東京都美術館で開催された「生誕300年記念 若冲展」がまさに熱狂のうちに幕を閉じました。展覧会で若冲に見せられた人々の間で〝若冲ロス〟が広まっているようですが、生誕300年記念の今年は伊藤若冲の作品が観られる展覧会が目白押し。若冲不足に嘆いている人にとって要チェックの情報をお知らせします!!
若冲作品を所蔵する美術館はこんなにあります!
(いずれも展示予定は未定)
宮内庁三の丸尚蔵館
東京都千代田区千代田1-1 ホームページ 所蔵する若冲作品/『動植綵絵』30幅、『旭日鳳凰図』
東京国立博物館
東京都台東区上野公園13-9 ホームページ 所蔵する若冲作品/『松梅孤鶴図』『松梅群鶏図屛風』『鶏図扇面』など
東京藝術大学大学美術館
東京都台東区上野公園12-8 ホームページ 所蔵する若冲作品:『鯉図』『鯉図』
サントリー美術館
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3F ホームページ 所蔵する若冲作品:『墨梅図』
国立歴史民俗博物館
千葉県佐倉市城内町117 ホームページ 所蔵する若冲作品:『伏見人形七布袋図』
東京富士美術館
東京都八王子市谷野町492-1 ホームページ 所蔵する若冲作品:『象図』『鶏図』(2作)
佐野市立吉澤記念美術館
栃木県佐野市葛生東1-14-30 ホームページ 所蔵する若冲作品:『菜蟲譜(さいちゅうふ)』
愛知県美術館
愛知県名古屋市東区東桜1-13-2愛知芸術文化センター10F ホームページ 所蔵する若冲作品:『六歌仙図』『菊に双鶴図』『伏見人形図』
大和文華館
奈良県奈良市学園南1-11-6 ホームページ 所蔵する若冲作品:『釣瓶(つるべ)に鶏図』
MIHO MUSEUM
滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 ホームページ 所蔵する若冲作品:『白梅錦鶏図』『梅花図』『双鶴・霊亀図』『達磨図』『象と鯨図屛風』
島根県立美術館
島根県松江市袖師町1-5 ホームページ 所蔵する若冲作品:『群鶏図』
萬福寺
京都府宇治市五ケ庄三番割34 ホームページ 所蔵する若冲作品:『蒲庵浄英像(ほあんじょうえいぞう)』
佐野市立吉澤記念美術館『菜蟲譜』 重要文化財 絹本着色 寛政2(1790)年ごろ 31.8×1095.1㎝ 野菜や昆虫、カエルなどがユーモラスなタッチで描かれた画巻は若冲75歳のころの作と考えられ、平成12(2000)年の「没後200年 若冲展」で公開されて爆発的人気の一翼をになった。
現在休館中の美術館にもこんな名作が!
大倉集古館
現在施設改修工事のため休館中。2019年初に開館予定 ホームページ 所蔵する若冲作品:『乗興舟(じょうきょうしゅう)』拓版画巻
滋賀県立琵琶湖文化館
現在休館中、再開時期は未定 ホームページ 所蔵する若冲作品:『鳥禽図』『孔雀牡丹図』
若冲作品が観られる展覧会
千葉市美術館
所蔵作品展「ふたつの柱―江戸絵画/現代美術をめぐる」(会期終了)
千葉県千葉市中央区中央3-10-8
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会期/6月1日(水)〜26日(日)
開館時間/10時~18時(金・土曜は20時まで、入館は閉館30分前まで)
休館日/第1月曜
観覧料/200円
この展覧会で観られる若冲作品『雷神図』『寿老人・孔雀・菊図』『乗興舟(じょうきょうしゅう)』 若冲作品はほかに『月夜白梅図』『旭日松鶴図』『海老図』『鸚鵡(おうむ)図』など
若冲作品がいつでも拝観できるお寺はこちら!
石峰寺
『五百羅漢石像』を拝観時間中常時公開
天明の大火の後、若冲が隠棲したのが石峰寺の古庵。当時、若冲が描いた下絵を石工が彫ったのが『五百羅漢石像』。境内にはここで没した若冲の墓もあります。
拝観時間/9時~17時(10月~2月は16時まで)無休
拝観料/300円
特別公開情報/毎年9月10日の「若冲忌」の際には所蔵の掛軸『鶴図』『亀図』『鶏図』を公開(拝観料別途)
義仲寺
翁堂天井画『花卉図』を拝観時間中常時公開。木曾義仲と松尾芭蕉の墓所である大津市の義仲寺(ぎちゅうじ)翁堂の天井には、石峰寺観音堂に若冲が描いた天井画『花卉図(かきず)』のうちの15図が掲げられている。劣化を防ぐために、現在は複製画にかわってはいるものの、円形の中に描かれた花々はそれぞれ、若冲らしい自由闊達な構図がとられていて往時をしのばせる。
拝観時間/9時~17時(11月~2月は16時まで)
休山日/月曜(祝休日と4・5・10・11月は開門)
観覧料/300円
石峰寺『五百羅漢石像』 撮影:篠原宏明。
義仲寺『花卉図』天井画15図 撮影:伊藤信
2016年6月後半から開催される、若冲作品が観られる展覧会
細見美術館
「生誕300年記念 伊藤若冲 ―京に生きた画家―」(会期終了)
会期/2016年6月25日(土)~2016年9月4日(日)
京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
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開館時間/10時~18時(入館は17時30分まで) 休館日/月曜(祝日の場合は開館し翌日休館)、展示替え期間 観覧料/1,200円
展示される若冲作品:『糸瓜群虫図(へちまぐんちゅうず)』『雪中雄鶏図』『伏見人形図』『仔犬に箒図』『花鳥図押絵貼屛風』
山種美術館
「開館50周年記念 山種コレクション名品選Ⅰ 江戸絵画への視線―岩佐又兵衛から江戸琳派へ―」(会期終了)
会期/7月2日(土)~8月21日(日)
東京都渋谷区広尾3-12-36
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開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで)
休館日/月曜(7月18日は開館し、翌19日は休館)
観覧料/1,200円
展示される若冲作品:『伏見人形図』
泉屋博古館分館
特別展「バロン住友の美的生活 第2部 数寄者 住友春翠―和の美を愉しむ」(会期終了)
会期/2016年7月5日(火)~2016年8月5日(金)
東京都港区六本木1-5-1
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開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで) 休館日/月曜(7月18日は開館)、3月22日、7月19日 観覧料/800円
展示される若冲作品『海棠目白図』
左/細見美術館『糸瓜群虫図』 絹本着色 江戸時代中期・18世紀 6月25日(土)~7月31日の「生誕300年記念 伊藤若冲 ―京に生きた画家―」で展示。
中/山種美術館『伏見人形図』 紙本彩色 寛政11(1799)年 7月2日~8月21日の「開館50周年記念 山種コレクション名品選Ⅰ」で展示。
右/泉屋博古館『海棠目白図』 絹本着色 江戸時代・18世紀 7月5日~8月5日の泉屋博古館分館、特別展「バロン住友の美的生活 第2部 数寄者 住友春翠―和の美を愉しむ」で展示。/
相国寺承天閣美術館
「生誕300年 伊藤若冲展」(会期終了)
会期/2016年7月1日(金)~2016年12月4日(日)
京都府京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺門前町701
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開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで) 休館日/会期中無休(臨時休館の場合あり) 入館料/800円
展示される若冲作品:『鹿苑寺(ろくおんじ)大書院旧障壁画 松鶴図襖絵』、『鹿苑寺大書院旧障壁画 月夜芭蕉図床貼付・葡萄小禽図床貼付』(常設展示)など
相国寺承天閣美術館『鹿苑寺大書院旧障壁画 松鶴図襖絵』 紙本墨画 重要文化財 各168.5×93.0㎝ 鹿苑寺蔵
岡田美術館
「―生誕300年記念―若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」(会期終了)
会期/2016年9月5日(月)~2016年12月18日(日)
神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
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開館時間/9時~17時(入館は16時30分まで) 休館日/展示替え期間、12月31日、1月1日 観覧料/2,800円
展示される若冲作品:『孔雀鳳凰図』『三十六歌仙図屛風』など
岡田美術館『三十六歌仙図屛風』六曲一双(右隻 部分)紙本墨画 各133.6×50.8㎝ 寛政8(1796)年
静岡県立美術館
開館30周年記念展「徳川の平和(パクス・トクガワーナ)250年の美と叡智」(会期終了)
会期/2016年9月17日(土)~2016年11月3日(木・祝)
静岡県静岡市駿河区谷田53-2
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開館時間/10時~17時30分(入室は閉館30分前まで) 休館日/月曜(祝休日の場合は開館し翌日休館) 観覧料/1,000円
展示される若冲作品:『樹下鳥獣図屛風』
静岡県立美術館『樹花鳥獣図屛風』 六曲一双 紙本着色 江戸時代・18世紀 右隻137.5×355.6㎝・左隻137.5×366.2㎝ 若冲の代名詞でもある奇想を極めた桝目描きの屛風。
和歌山県立博物館
特別展「蘆雪潑剌(ろせつはつらつ)-草堂寺と紀南の至宝-」(会期終了)
会期/2016年10月18日(火)~2016年11月23日(水・祝)
和歌山県和歌山市吹上1-4-14
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開館時間/9時30分~17時(入場は16時30分まで) 休館日/月曜(祝休日の場合は開館し翌平日休館) 観覧料/常設展280円、特別展は別料金
展示される若冲作品:『隠元豆(いんげんまめ)・玉蜀黍図(とうもろこしず)』ほか
京都国立博物館
特集陳列「生誕300年 伊藤若冲」(会期終了)
会期/2016年12月13日(火)~2017年1月15日(日)
京都府京都市東山区茶屋町527
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開館時間/9時30分~17時(入館は閉館の30分前まで) 休館日/月曜(祝休日の場合は開館し翌日休館) 観覧料/520円(特別展は別途)
展示される若冲作品:『墨竹図』『果蔬涅槃図(かそねはんず)』『石燈籠図屛風』『海宝寺旧蔵群鶏図障壁画』『石峰寺図』などを展示予定。
特別公開や曝涼などで特別公開される若冲作品
西福寺『仙人掌群鶏図障壁画』
大阪府豊中市小曽根1-6-38
境内一面に点在する扇松の美しさから「松の寺」と称される西福寺は、若冲唯一の金碧画『仙人掌(さぼてん)群鶏図』を所蔵していることでも有名な浄土真宗本願寺派の寺。通常非公開ですが曝涼(虫干し)の際にはほかの若冲作品とともに公開されます。
公開情報/毎年11月3日(曝涼) 公開される若冲作品:『仙人掌群鶏図障壁画』『蓮池図』(『仙人掌群鶏図』裏面)、『野晒図(のざらしず)』など
『仙人掌群鶏図障壁画』重要文化財 紙本金地着色 襖六面 天明8(1788)年 各177.2×92.2㎝ 西福寺
両足院『雪梅雄鶏図』
建仁寺の塔頭・両足院は、若冲が傑作『動植綵絵』のシリーズに取りかかる直前に描いたとされる『雪梅雄鶏図』を所蔵。特別公開時に公開される場合があります。
京都府京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町591 ホームページ
公開情報/未定 公開される若冲作品:『雪梅雄鶏図』 原則非公開で特別公開時の拝観料金/600円
宝蔵寺『竹に雄鶏図』
裏寺町通にある宝蔵寺は、若冲の生家・伊藤家の菩提寺であり、境内には若冲が建てた墓が残っています。原則として非公開ですが「伊藤若冲生誕会」の前後には所蔵作品を公開。若冲の墓参とともに、水墨の名画を鑑賞しましょう。
京都府京都市中京区裏寺町通蛸薬師上ル裏寺町587 ホームページ
公開情報/毎年2月8日の「伊藤若冲生誕会」の際に公開(参拝料500円) 公開される若冲作品:『竹に雄鶏図』『髑髏図』
金戒光明寺『群鶏図押絵貼屛風』
浄土宗の開祖・法然(ほうねん)が念仏道場を建てたことに由来する、黒谷(くろだに)さんの通称で親しまれている金戒光明寺。こちらに所蔵されている『群鶏図押絵貼屛風』は若冲が石峰寺に隠棲しているころ描いたもの。自由に動き回る姿が面白い。
京都府京都市左京区黒谷町121 ホームページ
公開情報/今年は未定。公開される若冲作品:『群鶏図押絵貼屛風』 拝観時間/9時~16時 無休 拝観料/境内拝観無料(特別公開時の御影堂・方丈・紫雲庭園は別途)
左/両足院『雪梅雄鶏図』 絹本着色 江戸時代・18世紀 左から2枚目/宝蔵寺『竹に雄鶏図』 紙本墨画 江戸時代・18世紀 左から3枚目/大和文華館『釣瓶に鶏図』 一幅 紙本墨画 寛政7(1795)年 展示未定。左から4枚目/島根県立美術館『群鶏図』 絹本着色 一幅 寛政元(1789)年 右/東京国立博物館『松梅孤鶴図』 江戸時代・18世紀 植松嘉代子氏寄贈