光琳や若冲にくらべて応挙は正統派で通好み
江戸時代中期、最も人気を集めていたのは狩野派でも琳派でもなく、円山応挙(まるやまおうきょ)でした。応挙は動植物や風景の写生をもとに、〝見たままの姿〟を独自に表現。リアルで色彩豊かな絵はだれもが納得する美しさで、瞬く間に人気絵師となったのです。
その筆の冴えは、彩色も鮮やかな『孔雀牡丹図屛風』や『海棠金鶏図』、勢いよく流れる水の一瞬をとらえた『保津川図屛風』から見て取ることができます。
『孔雀牡丹図屛風』
(くじゃくぼたんずびょうぶ)
二曲一隻 絹本着色 136.0×168.8㎝ 天明元(1781)年 石橋財団 石橋美術館
『保津川図屛風』
(ほつがわずびょうぶ)
八曲一双(上が左隻、下が右隻)紙本着色 各154.5×483.0㎝ 寛政7(1795)年 千總ギャラリー 重要文化財
『海棠金鶏図』
(かいどうきんけいず)
一幅 絹本着色 70.0×30.0㎝ 安永4(1775)年ごろ 東京富士美術館